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今後、ある依存症の人が増えると予感した理由【本心】平野啓一郎著

「今後10年でVR(バーチャルリアリティ) で
やり取りをする時代が来るかもしれない」

この作品を読んで、そう予感しました。

最近、ゴーグルを使ってVRを体験できると
ニュースを見たことがあります。
以前、ドラマ『相棒』で、仮想現実が題材の回があったのを思い出しました。

「一般的に使われるのはまだ先の話だろう」と
思っていましたが、
2040年代になれば今のスマホのように
一般に使われるようになるかもしれません。

VR を当たり前のように使っている彼らを見て
こんなことを感じました。


・VRが当たり前のように使われる世界

主人公の石川朔也と、
かつて亡くなった母親と一緒に働いていた三好が
初めて連絡を取ったのはVRです。
VR でやり取りをした後に、実際に会いました。

「今はSNSが一般的に使われているけど、
VR が今のSNSのように気軽に使われる時代が来るかもしれない」と予感しました。

今でこそSkypeやZOOMなどネット上で
テレビ電話ができるようになりました。
私がインターネットを使い始めた2000年前半は
ここまで気軽にできるようになるとは思いませんでした。

・スマホ依存症の次に起こり得る依存症

一方で科学技術の発展は
メリットばかりではありません。
当然デメリットもあります。

今で言うところの「スマホ依存症」のように
「VR 依存症」の人が現れる可能性を
示唆していました。

出来るだけ、現実にいたくないの。辛いことばかりだから。

本心 p134

こちらは、三好が朔也に言ったセリフです。

彼女は母親の再婚相手から暴力を受けたり、
セックスワーカーとして働いていた時に、
客に首を絞められそうになったりしました。
辛い現実から逃げたいと考えています。

VR(仮想世界)があれば、こんな嫌な現実を見なくて済みます。
そう考えると、「現実世界より仮想世界の方がいい」と言って、VR依存のような状態になる人が出てきそうと予感しました。

・結局行動するしかない

AR(添加現実)でごまかしても、VR(仮想現実)でごまかしても、何も変わらない。結局、行動するしかないんだよ、世の中を変えるためには。

本心 p119 

 こちらは朔也の同僚である岸谷のセリフです。
朔也と会話していた時に出てきました。

「それはそうだろう」と
身も蓋もない発言と思いました。
この発言を、朔也が三好に話したら
「それを言われたら辛い」と返しました。

どんなに科学技術が発達しても、
現実世界で行動しなければ
何も変わらないのは同じと実感しました。

・感想

今でこそ、スマホ依存症の話が出ています。
薬物やアルコールとちがって、完全に排除するのは難しいです。

お買い物をするにもスマホを使うし、
子供の幼稚園の出欠管理や連絡も
スマホアプリを使っています。

節度を持って使うしかなさそうです。

VRもスマホ依存も、現実逃避をしているという意味では同じと感じました。

自分の思い通りに行く仮想現実と
思う通りにいかない現実とのギャップに
苦しむ人が増えそうと予感しました。

以上、ちえでした。
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