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洞窟の龍~江ノ島岩屋

【遊月パワースポット物語 その10】江ノ島岩屋

江ノ島の入口は、竜宮城そのもので感動した。

ここは長いこと憧れた場所であり、やっと夢が叶い今まさに洞窟を目指して江ノ島をひたすらひとりで歩いているわけで。
夜の飛行機で北海道に帰ることになっていたから、途中の神社や気になる岩などはほぼ素通りで、とにかく洞窟に急いだ。



江ノ島はアップダウンの激しい島だった。平坦にしておけばこんなことにならないのに何故こんなに上げたり下げたりするのか。
海から行く手段もあったが、この江ノ島の上から見る風景を見たかったのだから仕方ない。あと、猫たちにも会いたかったし。

弁天様を祀っている奉安殿と、岩屋のある海岸へ続く階段近くにあった神社だけは、どうしても素通りできずご挨拶をした。
特に洞窟の上にあるという神社は、生々しくもパワーの強いエネルギーを感じて、確かにここに龍がいると感じられた。

長居はしていられない。とにかく急いで階段を降りる。
階段を降りている途中で一瞬、古い時代の悲しい女性の思いが重なる。
赤と白の巫女のような衣装だけれど少し違う。
平家の人?
それとも源氏の人?

よく考えればここは鎌倉に近いから、当たり前なのだけれど、源平の時代の人のように感じた。
鎌倉では、源平時代の人と思われる思いがあちこちにあって驚いた。
とはいえ北海道では縄文時代の人の思いにもシンクロするから時代の古さはあまり関係ない気もする。



海岸を見つめて泣いていたその女性に、いつか物語にするからと伝えて急ぎ足で降りていく。
やっとのことで岩屋に着いた。

私は龍が大好きだ。
幼い頃から祖父に「お前には八大龍王さんがついているんだよ」と言われていたせいかもしれない。
ハチダイリュウオウなるものがなんなのかを知るのはずっと後で、幼稚園時代の私の頭には、大きな蜂と海の王様のイメージが浮かんでいた。

龍について深く調べることをライフワークにしたい。だから龍がいたとされる場所に積極的に足を運んでいた。
龍と空海はよく重なる。どちらも私の大好きな存在。

もうすぐ空海が修行した龍伝説の残る洞窟に着く!
最高!
走り出したい衝動を抑え、へえ、こんなところに洞窟があるんだ的な、さも初めて知った観光客の顔で洞窟へ入った。
三十代後半の女性が一人で、高いヒールを履いて走っていたら、何事かと思われちゃうでしょう。

めぐ美、入ります!
心の中で空海と龍神様に挨拶して入った。

洞窟は長くどこまでもあり、聖人たちが修行をした場所にふさわしい雰囲気がただよう場所もあった。実際に置かれていた石像などは、強い気を発していて、ただものではないと感じる。
しかし、空海が修行した場所だとは思えないアミューズメント施設のような場所もあった。
そんな場所に立つと、人工のパワーストーンを持った時に感じる、喉の気持ち悪い詰まりに似たエネルギーを感じてしまう。

あの弘法大師様が、ここで修行したのだよ。もっと神聖な扱いにしたまえと、空海の弟子が乗り移ったかのような感覚で、至極残念な気持ちになる。
しかし全体的に洞窟の中は独特の強いパワーが満ちていた。

この洞窟は富士山と繋がっているという。
実際に穴がつながっているかどうかはわからないけれど、富士山の上空を飛んでいる白龍さんが、大地の通路を通ってここに来ていたかもしれないと思う。

ただ、そこに白龍さんがいる気配はなかった。 
洞窟の奥は淀み、何か大きな気配が蠢いている。
まるで龍が蛇のように丸まって蠢いているかのようだ。
なぜ丸まっているのかと考えた時、結界という言葉が聞こえた。
悪意ある結界。

何者かが、この場所にエネルギーを閉じ込めて、自分の利益のために搾取している。そんなイメージ。
幻想だよ。そう言い聞かせながらも、頭の中の龍が苦しそうにしているのが消えない。
もとは白く気高いお姿だったのに、日も当たらず湿った場所で薄汚れていらっしゃる。

うん。

秘技結界破壊。

そんな秘技があるかどうかはわからないけれど、私は両手を前に出す。
昔から特定の場所に行くと、手が勝手に不思議な印を作ってしまう。意味もわからないし、意思をもってやろうとしてもできない。
両手で謎の気合を前にぶつけると、
ふっ!
と、口のそばに持ってきた手のひらに大きく息を吹きかける。

洞窟の奥に網状に張り巡らされていた何かが、炎で焼かれて一瞬で消えるビジョンを見た。
すると、丸まっていた龍が、一気に洞窟の奥にするすると気配を消していく。
穴がある。
そう感じるのと同時に、行き止まりのはずの薄暗い洞窟の奥から強い風が吹いた。

頭の中で龍は江ノ島上空へ一気に登っていき、二、三度うねると、すごいスピードでどこかに向かった。

空海についていた龍?

頭にそう浮かんだ。
生まれ故郷に帰ったと感じ、富士山ではないんだな。
たぶん四国の方に行ったんじゃないのかな。
頭に瀬戸内海が見えたので、そう思った。

真偽はわからない。すべてが妄想かもしれない。私はただ浮かんできたものをキャッチするだけ。
理論などないはずなのに、浮かんできたものを後付けで理由を探し、私の知識を超えた根拠を見つけて、ひいっとなるのが常だけど。

あのまま洞窟に閉じ込められていたら、このあたりによくない振動を起こしていたかもしれない。それが外に出たので大事にはならないんじゃないかなと、人知れず満足する。
完全なる自己満足だな、うん。

でも、空海像と、ここに来るまでよく存じ上げなかったけれど、日蓮上人像はすごかった。
その前に立たせていただくことさえおこがましいと感じるほど、パワーを出していて。

ほんの少しだけ、また空海にお近づけになれたかもしれないと思えた。
さて、次の旅にでかける準備はじめよう。


【遊月追記】
15年前(2006年)に、鎌倉七福神巡りをしました。
朝早くからほぼ歩いて鎌倉を巡りまして。
最後の最後に江ノ電で江の島に来ました。

その時のちょっと不思議な体験を物語風に書きました。
まあ、妄想が好きなのねという感じで読んでください。

ちょいちょい実体験をもとにこんなレポート風の物語も挟もうと思うのですが、そのキャラクターはめぐ美さんで、本名の和恵の恵の字だと、あまりにも和恵感が出るなあと、字を少し変えてみました(笑)

2006年頃は、某有名神社の宮司さんの娘さん、子どもの頃から見えない世界が見えて、それが霊的なものだと祓うことができるそのご主人と三人で、謎のスピリチュアルジャーニーをよくしました。

ちなみに今回の江ノ島のレポートは、私のパワスポブログ(お得意の放置中)に書いているので、よかったら併せて読んでみてください。

江ノ島の岩屋

ここにも書きましたが、この岩屋を訪れた翌日(2006年6月12日)に、四国と中国地方で震度5の地震があり、やっぱりひとりで、ひっ!となっていました(笑)

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