発売開始30年以上たつお菓子「たべっ子どうぶつ」が現代若者の「推し」になった理由
みなさんには、見るだけで自分の幼少期を思い出すお菓子はあるでしょうか?
うまい棒、ポッキー、チョコボール、ベビースター。
思い出は人それぞれですが、必ず皆さんの中にもあると思います。
ちなみに2002年生まれの私は、「ねるねるねるね」という知育菓子がとても印象に残っていて、昔母親にせがんでよく買ってもらっていました(笑)
今回はそんななつかしのお菓子の1つとして人々の記憶にも残っている、
お菓子「たべっ子どうぶつ」が現代の若者の「推し」として売り上げを伸ばしているという事例を見つけ、面白そう!と思ったのでみなさんに紹介できればと思います!
ビジネスにも「推し」の要素を取り入れることに成功した事例として見ていただけると嬉しいです!
「たべっ子どうぶつ」とは
そもそも「たべっ子どうぶつ」とは、株式会社ギンビスが1978年に発売したロングセラービスケットである。
発売当初からある「バター味」は軽い触感で動物の形をしたビスケット上に動物の種類が英語で書かれているのが特徴的である。
その食べやすい変わらない味と、ビスケットのかわいらしい形から子ども達のお菓子として人気で「おいしく、楽しく、食べて学んでもらう」をテーマに発売開始40年以上たった今でも人気のお菓子としてスーパーやコンビニに並ぶ。
「推し」・「推し活」とは
「推し」の起源は日本における女性アイドル文化から生まれたものである。
※推しの歴史について詳しく知りたい人は、過去掲載Note「2023年”いい(11月)推し(04日)の日”に推し活現役女子大生、現代の推し活価値観について考えてみた」をご覧ください。
その起源辿って考えると、複数ある選択肢の中から「特別に私が好きなもの」、「人にその良さを伝えてたいほど好きなもの」という意味が込められている。
そのため現代の「推し」をもつ人と「ファン」である人の大きな違いは、応援するために自ら行動を起こすか否かであるといえる。
例えば、「推し」を持つ人は「推し」の良いところを広めるため良さをまとめた動画をSNS上に投稿したり、「推し」の誕生日を祝うため街中の広告を買い取り「お誕生日おめでとう広告」を出稿したりする。
こうした、「推し」に対する行動を多く起こすというのが「推し」を持つ人と「ファン」の大きな違いであるといえる。
こうした「推し」に対する応援行動のことを総括して、「推し活」と現代では略している。
※「推し」という言葉の現代社会における共通の定義はない。
そのためここで定義するものに関してはあくまで、私自身の推し活経験と様々な本、論文における「推し」の定義の中で共通点を洗い出し、私が独自に設定する「推し」の定義であると理解していただきたい。
日本における推し活消費額は2020年度に400億円超に到達、18歳から24歳の推しを持つ人の40%以上が1ヶ月に3万円以上を推し活へと投資していると回答している。
推しを持つ人々に対するヒアリングの中で、「推し活のためにバイトを頑張っています」「推しのために日常生活で貯金や節約を意識しています」「家計簿の中で推し活費を確保しています」「推し活をもっとしたくて、転職をしました」という声は本当に多く聞かれることであり、ある調査では、「推し活費のために貯金などの金銭的な工夫をした」と答えた人の割合は、「推しがいる」と答えた人の約8割に上っていると言われている。
このことからも今や「推し」が人々の消費の中心として大きな存在感を放つことが分かるだろう。
「たべっこどうぶつ」のキャラクターを使った「推し」施策
2019年、お菓子「たべっ子どうぶつ」を手がけるギンビスは実際にビジネスに「推し要素」を取り入れることで注目を集め、大きな影響力を生み出した。
ギンビスは発売から30年以上が経つお菓子「たべっ子どうぶつ」に10代20代という新たな層を取り入れるため、クッキーの形として登場する動物達をカプセルトイにして発売した。
↓YouTubeから引用
するとカプセルトイを発売後、トイになった各動物達に対しての「好き」を表明する人が続出、問い合わせが殺到した。つまり、お菓子であったキャラクター達がトイになることでキャラクターとして人々に「推される存在」への変化したのだ。その勢いに乗り、ギンビスは動物キャラクターグッズの製作、販売を進め、一気に10代20代から注目を集める企業となった。実際データからもその大きな影響力を伺うことができ、ギンビスの売上は2年連続で、前年比で2桁増収。2022年度は2020年度の180%を達成した。
「たべっ子どうぶつ」のキャラクターのグッズ化は、キャラクターがカラフルな色分けされてたこともあり「推しカラー」文化と相性が良かったとも言われている。
おわりに
いかがだったでしょうか?
私自身、推し活の考え方はエンタメの世界のみならず、一般的なビジネスにも活用できる要素がたくさんあると考えているので、
今回の事例はとても勉強になりました!
皆さんの新しい発見や、学びにもつながっていると幸いです!
それではまた次の投稿で!
Nanami
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