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妊婦✖ 子どもが欲しいL対談 前半

こんにちは。Love Makes Family編集部の長村です。 既存のかぞくの形に囚われない、新たな生き方のヒントを発信する次世代WEBマガジンがこの度スタートいたしました。

広がり続ける多様な「かぞくのカタチ」をテーマに、2019年クラウドファンディングを経 て冊子を刊行して以来、「もっと多くの子どもとその周辺の人たちの今や過去の想いにスポ ットをあてて発信していきたい、知ってもらいたい。」そんな想いを持っていました。

こちらのnoteでは、その想いを元に、色々な“かぞく”や、LGBTQ当事者へのインタビュー記事などを主にアップしていきます。
「うちのかぞくもインタビューして!」という声も大歓迎です!かぞくを持ちたいLGBTQ に必要な情報発信なども編集部からできたらと思っています。


さて、記念すべきインタビュー第一弾は

「#かぞくってなんだろう」シリーズです。

ちなみにここでの「かぞく」と「家族」の表現の違いは
漢字表記の「家族」には、『同じ家に住む人』『婚姻や血縁で結ばれている人』などの意味があるため、私たちは多様なかぞくを表現するために、両方の表記を使っています。意味があるため、私たちは多様なかぞくを表現するために、両方の表記を使っています。


今回は、妊婦✖ 子どもが欲しいレズビアン当事者のお2人にインタビューをしました。 


2人は私の知り合いでもあり、ここ数年の付き合いがあります。
お互いの環境や妊娠にいたるまでの経緯、子どもを持つことへの想いなど、今回初対面となるの2人の今の想いを語っていただきました。

PROFILE
◆のぶ
九州出身。30代で都内在住の会社員。
パートナーとパートナーの子ども(7歳)と一緒に暮らしており、自身も2020年6月に妊娠 。現在7カ月目となる。
◆イオナ
奈良県出身。25歳で都内在住の会社員。
パートナーと一緒に住んでおり、妊活に向けて約3年前から準備をしている状況。

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ー 今の環境や子どもを持つことに対する周りの人の反応は?ポジティブな反応もネガティブな反応もあったら教えてください。また、妊活での苦労したことなどはありましたか?

のぶ: ネガティブな反応は、特にないね。子どもを作ろうとしていた時からそれに向けて頑張っていると周囲にも言っていたから。パートナーの子どものママ友にも伝えていたし、両親にもパートナーの両親にも伝えていた。
34歳で妊活を始めたけれど、1度目のトライで妊娠できた人の話も聞いていたから、私の場合は割と時間がかかったなあって思ったよ。
病院も変えたりして、この1年が特に長く感じたかな。時間・費用・年齢的にも、もう少し早く妊娠ができれば良かったって思ってる。

ー カミングアウトはしてる?

のぶ: 職場にはカミングアウトしていなくて結婚したって言ってる。わざわざ相手が男性か女性かなんて聞かないでねって思う。あとは友達には言ってるけど、地元が鹿児島だからあまり会ってない人には言っていないかな。


ー 九州の方は偏見が強いとかある?

のぶ: 強いよ。22歳で地元を出てきたけれど、地元に戻ることも中々難しくなってきたなあって思う。ただ、今は地方だろうと、男女のカップルもなかなか妊娠できなかったり、子どもに障がいがあったりと、色んな経験をしている人もこの年になるといるから、22歳の時はとてもカミングアウトできないなって思っていたけれど、今は同級生も人間として成熟しているって感じることもあるから、そういう意味では言いやすくはなってる。ネガティブ
な反応する人とは関わらない様にはしているけどね。


ー イオナちゃんの周りの反応は?

イオナ: 段階を持ちながら両親にも周りにもカミングアウトしていて、子どもが欲しいことも言っています。
最初両親は、同性同士での妊娠する方法もわかっておらず戸惑っていたので、本格的に話をする場を設けて話をしたら...やはり、最初はそれでも意味がわからないって言われちゃいました。
人工的に子どもを作ることに抵抗があるみたいで...。方法を説明したら、『それはやって良いものなのか?』と。今はなんとなく伝わっているはずです。2年くらいかかりました。
今は私のパートナーの妊娠に向けて動いていて、自分の身内だったので両親にはそこをちゃんと理解して欲しかったんです。

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のぶ: そこの点に関しては、私の両親は10年くらい子どもができなかったから、(伝わる早さの違いは)自然に妊娠できた夫婦と、中々授からなかった夫婦との感じ方に違いがあるのかもね。人工授精※や色々な薬を使ってきたからとか、全然違うかもね。

※人工授精(AIH)とは...生殖医療技術の一つで人為的に精液を生殖器に注入することによって妊娠を実現する目的とした技術のこと。


イオナ: そうですね...。パートナーの両親からも、あまり良い反応はもらえていなくて。


のぶ: それは同性間で子どもを、とは違った問題もあるかもしれないね。男女でも授からなかった時は、第三者から提供してもらうっていう選択肢を考える人も今は増えたしね。自然に妊娠できた人たちは人工的な方法に抵抗感が強いし、同性間で子どもを授かる方法は分からないのかもしれない。


ー 時代によって価値観も違うしね。二人はいつから子どもが欲しいと思ってましたか?

のぶ: 18歳くらいからずっと欲しいと思っていたよ。男性と付き合ったこともあるけれど、上京して女性と付き合っていてもその気持ちが変わることはなかったね。


イオナ: 私も何か大きなきっかけがあって欲しいと思った訳ではないので同じです。私も地
方出身者で、周りの家庭を持っている人たちの影響もあったと思います。


のぶ: 周りにかぞくができると、いいなあって思うよね。


ー妊娠する前と後って気持ちの変化はある?

のぶ: あるよ。パートナーの連れ子がいて一緒に育てているけれど、自分には実子がいない
って状況だったから。
本音を言うと、パートナーの子どもを最初から育てていたわけではないから、生まれてくる子どもを赤ちゃんから育てたいなあと思っていたりもした。時々パートナーの子どもを育てていてイラっとすることもあるけれど、それは実子ではないからなのか、それともその子に思うことなのか、純粋に知りたかった。でも自分に子どもができなかったら、パートナーの子どもを大事にしていけば良いのかなあとか、自分は仕事を頑張ろうとかを思ったり。今は妊娠できたから無事に生まれるっていう気持ちはあるし、自分が望んでいたことにもう直ぐたどり着くという想いがあるかな。

妊娠するまでは自分の子どもができたら何もいらないと思っていたけれど、いざ妊娠したら割と当たり前みたいに思ってしまったりね。長く感じた1年前のことが、自分からしたら贅沢な悩みであり、今となっては考えられないね。


ー のぶちゃんとパートナーの間は、すんなりのぶちゃんが妊娠することになったのかな?

のぶ: 付き合った当時は、パートナーの連れ子が4歳で、すぐに私が妊娠するという話にはならなかった。それはステップファミリー故の問題だったなあって思う。当時は4歳の息子の育児に追われていて2人でちゃんと時間を作って話し合ったりすり合わせをすることが困難だったんだよね。息子との関係も、最初は息子と私とで、パートナーを取り合うバチバチのライバル関係からスタートしたんだよね。パートナーとしては、私と息子の関係が良くな ってから、妊娠っていう流れにしたかった様子だった。


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1つ1つ解決していくしかなくて、そんな中、自分が子どもを作ることを進めていくっていうのは年齢的にもどんどんプレッシャーだった。
年齢的なプレッシャーもあったので、すぐに妊活することについて、パートナーの同意が 得られなかったときは、自分の選択で決めるしかないなって先走りそうになったこともあっ た。パートナーとの別れを選択しなくても、かぞくという形は選択せずに、付き合っている っていう関係性の中でそれぞれ産んだ子どもがいる、というような形を作ることも考えていた。


ー 一緒に生きていくっていうのは、一緒に暮らすだけじゃないからね。

のぶ: あの時、パートナーと別れていたらと思うと...やはり1人でやっていくのは不安や大変なことが沢山あると思った。
2人で育てていけると考えた方がだいぶ気が楽だなって思ったんだ。


ー 無事妊娠できたので、影ながら応援していてホッとしました。笑

のぶ: 子どもが授かったのもこのタイミングでよかったな、って思っている。関係性ができていなかったら7歳の息子の気持ちも考えられていなかったと思う。妊活を進めていくと大変なことも多かったね。妊活している中で入院することもあったし、メンタルや薬の副作用もあるし大変だったよ。


後半に続く・・・



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一般社団法人こどまっぷとは.. 「子どもが欲しい」また「子どもを育てている」
LGBTQの方々や、応援する仲間たちを 繋げる非営利型の一般社団法人です。
日本に限らず世界のメンバーとの情報交換や交流会を行ったり、日本全国で交流をするための場所を創っていくことを一つの目標としています。
また、各ライフステージで必要となる専門家を紹介したり、絵本を出版したり、親だけではなく子どもたちの繋がりをサポートし、 LGBTQのかぞくがより住みやすい社会を目指して、当事者を中心に活動を広げています。https://kodomap.org








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