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大人の読書感想文「海辺のカフカ」

想像力とは厄介なものだ。
森羅万象を多彩に色づけることができる一方で憎しみも絶望も恨みも生み出す。

冷酷な自然に身を置く多くの動物はたとえ感情を持っていようとも想像力は持たないだろう。自身以外の物事によりつけられた傷は傷でしかない。えぐれた皮膚もそこから滴る血もあらゆる元素の集積でしかない。

人の身体は動物のそれとは異なる。脳は厄介なつながりを持ち過去を記憶し今を観察し未来を想像することができる。中途半端な想像力を持つ私たちはそれゆえに個人に都合の良い未来を想像する。人が育たれた環境は想像力の方向を支配し異なるベクトルの想像力を持つもの同士は衝突する。

不足のない想像力を持つことは不可能だと思うがそれを得る努力をすること、それを得ていないと自覚することでベクトルの衝突を避けることができるはずだと信じたい。

海辺のカフカは私には難しすぎた。だが、面白かった。

最近分かったことだが私は科学を信じすぎてる。
1の次は2だし5×2=10であるしそうでないといけないとそういうものに支配されていた。それは私の生き方やモノの見方を狭め不自由にする。

1+1=5でもいいしなんなら数字でなくてもいい。そういう見方を持つことは私の生活、誇張すれば人生を豊かにするはず。そしてそれは想像力の1種であり1+1の答えを無限に持つことで人との衝突を、無自覚に他者も自分も攻撃することを防ぐことができると思う。

私が海辺のカフカから得た教訓としてアウトプットできるほどに理解できていることはこれだけである。あとはやんわりふんわりふかふかしている。ただ、面白かった。引き込まれすぎて生活に支障が出るのではないかと思うほどに(読んでるときはくらくらしたから支障をきたしていたかもしれない)


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