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立っていると思う者は倒れないように気をつけましょう

[列王記 第二 20:12,13]

そのころ、バルアダンの子、バビロンの王メロダク・バルアダンは使者を遣わして、手紙と贈り物をヒゼキヤに届けた。ヒゼキヤが病気だったことを聞いていたからである。ヒゼキヤは彼らを歓迎して、すべての宝庫、銀、金、香料、高価な油、武器庫、彼の宝物倉にあるすべての物を彼らに見せた。ヒゼキヤがその家の中、および国中で、彼らに見せなかった物は一つもなかった。

今日の聖書箇所
II列王20:12〜21

今日も列王記から恵みをいただいていきたいと思います。

アッシリアの大軍の攻撃そして死の病から祈りと信仰によって救われたヒゼキヤの下に遠い国バビロンから見舞いの使者が遣わされてきました。

バビロンはアッシリアに対抗する新興帝国として勢力を拡大していました。そのようなバビロンからヒゼキヤを慰めるために使者が遣わされてきたので、ヒゼキヤはすっかり喜び、舞い上がってしまったのではないかと思います。

アッシリアの大軍を滅ぼした「自分」、死の病からも奇跡的に回復した「自分」、そして急成長しているバビロンからも認められている「自分」、ヒゼキヤはそんな「素晴らしい自分」にすっかり酔ってしまったのかもしれません。それゆえ自分に国の豊かさ、自分の統治の成功をバビロンの使者たちに誇示してしまったのでしょう。こんなに自分はすごいんだと子どもじみた自慢をしてしまうのです。

小さな子どもであればそれも可愛らしいのですが、ヒゼキヤは一国の王であり。しかも神の民ユダの君主でした。そのような高慢、名誉欲、自己顕示欲は国の滅亡を招く扉を開くものとなってしまったのです。

ヒゼキヤに与えられていた全てのものは全て主が与えて下さったものでした。富も健康もアッシリアに対する勝利も全てはただ主の恵みによるものでした。それなのにヒゼキヤはそれをあたかも自分のもの、自分の業績であるかのように誇ったのです。

これは主の恵みを否定して主にのみ返すべき栄光を自分に返すという大きな罪となってしまったのです。預言者イザヤはそのようなヒゼキヤに神の裁きを宣告します。

[列王記 第二 20:16,17,18]

イザヤはヒゼキヤに言った。「主のことばを聞きなさい。見よ。あなたの家にある物、あなたの父祖たちが今日まで蓄えてきた物がすべて、バビロンへ運び去られる日々が来る。何一つ残されることはない──主は言われる──。また、あなたが生む、あなた自身の息子たちの中には、捕らえられてバビロンの王の宮殿で宦官となる者がいる。」

ヒゼキヤは預言者イザヤを通して死を宣告されましたが、その時もへりくだって切に祈り、癒しの恵みを受けました。しかし預言者イザヤを通してその高慢の罪とそれに対する裁きを宣告されてもへりくだり、悔い改め、切に祈ることはありませんでした。

[列王記 第二 20:19]

ヒゼキヤはイザヤに言った。「あなたが告げてくれた主のことばはありがたい。」彼は、自分が生きている間は平和と安定があるのではないか、と思ったのである。

自分が生きている時代が平和であればそれでいいと言うようなニュアンスです。そこいは謙遜さや悔い改めを感じとることはできません。もしヒゼキヤがこの時も自分の高慢の罪を悔い改め、へりくだって切に祈っていればその後の事態も変わっていたかもしれません。

ヒゼキヤはそこまで霊的に無感覚になり、信仰が崩れてしまっていたのではないでしょうか?それまでは立っていると思っていたヒゼキヤですが、すっかり倒されてしまったのでしょう。

どんなに信仰のある人であってもみな罪と弱さがある人間であると言うことです。また主の特別な恵みと祝福を受けた時こそそれを奪ってくる悪魔の攻撃も激しくなると言うことです。

それゆえ私たちはいつも目を覚まして絶えず祈っていく必要があるのです。祈りが聞かれ祝福された時こそ油断してはいけないのです。私たちの中にも誰しも自己顕示欲や名誉欲と言った肉の欲があり、悪魔はいつもそれを用いて私たちを倒してくるからです。

そのような悪魔の狡猾な策略に勝利するには人間の知恵や力は全く無力です。信仰と祈りの人であったヒゼキヤも倒されたのですから、私たちも倒されてしまうのです。謙遜な者とは自分の弱さと欠けを知ってどんな時も祈って主により頼む者なのです。自分は大丈夫などという自信をすっかり捨てて、いつ自分も倒れるか分からない者であることを覚えて、目を覚まして祈り、御言葉によって心を照らしていただき、聖霊さまと共に心を見張っていきたいと思います。

[コリント人への手紙 第一 10:11,12]

これらのことが彼らに起こったのは、戒めのためであり、それが書かれたのは、世の終わりに臨んでいる私たちへの教訓とするためです。ですから、立っていると思う者は、倒れないように気をつけなさい。

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