相続放棄〜生き別れた父の死〜(後編)③

2022.6.3(金)家庭裁判所から届いた照会書

相続放棄の手続きは、20日サイクルで物事が進むものなのだろうか?

420日ごろに戸籍の収集を終えた司法書士は、20日後の5月9日に家庭裁判所に相続放棄の申し立てを行なっている(正確には、申し立て書面を郵送している)。

それからさらに約20日後の527日、家裁から司法書士事務所に、申し立て書面の調査が終わったとの連絡があった。

そして数日後、自宅に家裁の封筒が届いた。自らの意思によって相続放棄を申し立てたのかどうかを確認する「照会書」である。

その書面には、改めて父の死を知った経緯、相続を放棄する理由、父に財産や負債があることを知っているかどうかなどを尋ねる項目があった。

それほどややこしい質問ではないので、自分で答えることもできたが、念のため司法書士から回答例を取り寄せた。ぼくは、父に財産や負債があることを知っているかどうかについては「知らない」と答えようとしていたけれど、回答例には「固定資産税の支払い義務があることから、不動産という財産と、固定資産税という負債があると知った」とあった。なるほど。

ありがたいことに、こうした回答例は、ぼくと同時に財産放棄手続きを進めている甥っ子たちのところにも送られていて、やっぱり司法書士がいないと物事はスムーズに進まなかっただろうと、改めて思う。

照会書に回答し、65日にポストに投函する。それを司法書士に報告すると「あとは待つだけです」という返事。これで一連の相続放棄手続きは終わることになる。きっとあと20日もすれば、相続放棄の申し立てが受理されて、本当の意味で父との縁が切れるのだろう。

ところで、照会書の右上には「放棄(3超)」という文字があった。おそらく、一般的なルールである「被相続人の死亡を知った日から3か月以内」に間に合わなかった「3か月を超えた」案件ということなのだろう。専門家に依頼して、これだけ急いでもなお、手続きには時間がかかるのだ、ということを思い知らされた。

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