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6.歌舞伎町 夢千代 ~短編小説 恋愛 初恋編~再会と失恋~

桜の開花の季節は、気まぐれに
ターミナル駅の地下街を歩く時がある。地下街につながる駅の改札口では、
お花見の待ち合わせで多く人が
ごった返してる。そんな中で
聞き覚えある声がした。

僕は、我を忘れて声する方に
早足で歩くと、そこに瑠愛が、
紺のスーツ姿で数人の
女性と会話してた。

挨拶しなければとあせり
正面に立ち
「おはようございます。」と
一礼して立ち去ろとすると、
いつもの声で明るく笑顔で
「おはよう!菊千代」
挨拶してくれた。

嬉しくなり立ち止まって
笑顔見せると、ひとりの女性が
「知り合いなの」と尋ねた。
迷惑を掛けた事に気づいたけど
どうしたら良いのかわからなかった。
満目の笑みで「菊千代は、お友達なの」言った。

瑠愛の言葉がうれしくて
深々と一礼をして立ち去ろとした時、
「菊千代は、笑顔が可愛い人なの」
「へぇー!顔が広いのね!」
僕は、本当に状況が解らないし、
ただ体がフリーズ状態だった。

「この街に関しては、
菊千代は私より顔が広いわよ」
僕の方を向いて
「菊千代、元気そうで安心したよ!」
「ありがとうございます。」頭下げた。
笑いながら泣いてる顔を、
瑠愛に見られない様に
少し早く歩き始めた。
(再会と失恋~完~)

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