宇宙の音色
和歌山県串本町では、今年の3月にロケットが発射されるそうです。
昨年86歳で他界した私の父は、まさしく、その発射される舞台である串本町で生まれ育ちました。
父は生前とても宇宙や星に興味があり、 私が小学生の頃は、雑誌「Newton」の宇宙特集の記事を、姉、私と妹の3姉妹に嬉しそうに見せてくれました。夜は家族5人が川の字に並べた布団に入って、真っ暗な天井を見つめながら、宇宙の神秘について楽しくおしゃべりしたのを思い出します。
父の話で一番印象深 かったのが、串本の星空の綺麗さです。父は小さい頃、よく海辺で寝転がって星を見ていたそうです。無数の眩いほどの星の明るさで、宇宙の中の小さな小さな自分に気付き、少し怖いような気持ちになったそうです。
大きな流れ星が、次から次へと流れているのが見え、それが流れている瞬間に、シュー!!っという ような、星が落ちてくるような音まで聞こえたそうです。父は、「子供の時のことだから、"星が落ちてくる音"が聞こえた気がしたのかも知れないけど、でも、今でもその音が耳に残ってる」 と懐かしそうに言っていました。
先日串本に訪れた際に、美しい星空を見て、空も海も串本も私も、全てが宇宙の一つなんだなと感じ、この美しい串本で育った父と母の遺伝子を持つ自分が誇らしくなりました。
あの時父は、「宇宙は無限なんや。端っこがないんやで」と話してくれてたけど、今は端っこがあることがわかったらしい。教えてあげたら、何て言ったかな?
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