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「故郷は遠くになりにけり」

映画『サバカン』をネットフリックスで鑑賞。長崎の地で生まれ育った少年たちのひと夏の冒険をリリカルに描く。主演は草彅剛。共演に尾野真千子、竹原ピストル、貫地谷しほり。

主演は草彅剛だが、出てくるのは冒頭と終盤の数分間だけで、9割以上は少年時代の回想で構成される。私自身の実家が長崎なので登場人物たちが喋る九州弁が妙に懐かしく、ついつい引き込まれて観てしまった。特に尾野真千子の九州弁はリアルである。

ただ、一部の九州弁には違和感が拭えなかった。どの地域を想定しているのかわからないが、九州弁でも基本的に「大丈夫と?」とは言わない。細かいポイントだが、やはり気になってしまう。

映画全体はそれなりに面白かったが、パーツごとのつながりがやや甘い印象。少年時代のジュブナイル的な天海はリリカルで郷愁を誘うが、現代との連続性が今ひとつ見えないのだ。あれだけ快活でやんちゃだった主人公が数十年後、なぜ寡黙で厭世的な大人になったのか。離婚や斉藤由貴など、細かいパーツの必然性が今ひとつ伝わらないのである。

貫地谷しほり、すぐ死にすぎだし。

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