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青天の霹靂(小説)

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高校生の廉夏は16になると、幼なじみで歳上の冬眞と、結婚することに。だけど、冬眞と、結婚したことで藁人形が沢山届くことに。さらに、脅迫状まで。それに導かれるように、廉夏たちは、ホ…
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#泣く

青天の霹靂62(廉の親の思い)

「俺にすまないと思い親にはあり、俺が小学校卒業するまで、子供を作らなかったんだ。俺には何も言わなかったが、それが俺への謝罪だったんだ。両親は勝手に決めてしまったことを、申し訳なく思ってた。それがわかり、俺はグレることを辞めた。でも、戻るには、きっかけが、必要だった。それをくれたのが、廉夏だ。あいつは生まれたばかりの頃、初めて家に帰ってきたとき、一番最初に俺が抱っこするまですごく、機嫌が悪かった。俺

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青天の霹靂43(廉が解けなかった謎)

青天の霹靂43(廉が解けなかった謎)

廉夏と冬眞が犯人を警察に引き渡したことを言ったとき、観月は廉に抱き付き、ようやく泣けた。
やはり、泣かないように堪えていたらしい。
観月の涙につられるように、また廉夏も泣いた。
それに、男たちは微笑んだ。
「でも、お前、相手のトップさんに、凄い難問を出したな」
「えっ、何が?」
「導くか。簡単に言ってくれる。導く=平等になるだろう?」
「えっ、何で? イコールなの?」
「導くってことは、ひいては、

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青天の霹靂40(日向の家族殺される2)

青天の霹靂40(日向の家族殺される2)

早速、廉夏の家に帰った。みんなは家に帰ると、廉夏はまるで食いつくかの様に聞く。
「何か分かった、冬眞の方は?」
その廉夏の食いつきに、冬眞は笑う。
「『ただいま』が、先でしょ? って、その子は?」
寝ている観月を指し言う。
「観月ちゃん、日向の姪っ子」
「そんなこと、如何でも良いわよ。で、如何だった?」
「取り敢えず、目星いのはなかったと思いますよ。まだ、事件が起こってから時間が経っていないので、

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青天の霹靂30(己も復讐されるべき)

青天の霹靂30(己も復讐されるべき)

そして、原っぱには花に囲まれ眠った穂波がいた。
「穂波ん」
二人は最悪な事態を覚悟した。
「起きて下さい。穂波さん、お願いですから目を開けて下さい」
「ぅ、ううん」
切羽詰まった冬眞の声に、穂波は気怠げに目を開ける。
冬眞は、ホッとする。
それでも、穂波を揺する。
そうすると、穂波は目を覚ます。
最初の内、状況が分かってないようだった。
冬眞は聞く。
「大丈夫ですか?」
「何で、目覚めるの? 私が

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