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超一流になるのは才能か努力か?

「こんな方にオススメ」
・努力の重要性を理解している人
・自分自身を成長させたい人
・スポーツや音楽などの分野で成功したい人


天才は生まれつきではない!

科学が解き明かす、超一流への道。

「超一流」研究の第一人者、アンダース・エリクソン教授が、30年以上にわたる科学研究の成果を初公開!

チェス、バイオリン、テニス、数学… 世界中のトッププレーヤーを徹底分析し、天才の秘密を解き明かします。

才能は生まれつきではなく、努力と正しい方法によって誰でも手に入れることができるのです。

3分で読める本要約(管理人)



①限界練習の前段階「目的のある練習」

この練習方法は「この程度できれば十分」という水準で頭打ちになる一般的な練習方法より効果的であり、最終的な目標である限界的練習に一歩近づくものだ。

目的のある練習はその名が示すとおり、愚直な練習よりはるかに目的が明確で、よく考え、集中して行うものだ。

その顕著な特徴は次のようなものだ。

1.はっきりと定義された具体的目標がある
長期的な目標を達成するためにたくさんの小さなステップを積み重ねていくことである。

2.集中して行う

3.フィードバックが不可欠
一般的に、何かに挑戦するかにかかわらず、自分のどの部分がどう未熟なのかを正確に特定するためにはフィードバックが欠かせない。

4.居心地の良い領域(コンフォートゾーン)から飛び出すことが必要
目的のある練習で最も重要なのはここかもしれない。
自らをコンフォートゾーンの外へ追い立てることなくして、決して上達はない。
コンフォートゾーンから飛び出すということは、それまでできなかったこと(今より少し難しいこと)に挑戦するという意味だ。


②心的イメージ

心的イメージとは何か?

心的イメージによって、チェスマスターは初心者と違って「森」を見ることができると同時に、必要に応じて個別の「木」に照準を合わせることもできるのだ。
練習しているのが主に身体的な技能であっても、適切な心的イメージを作り上げることはその重要な構成要素となる。

新しい技を取得しようとしている飛び込み選手を考えてみよう。
練習の大部分は、その技の瞬間ごとのあるべき姿、またそれ以上に重要なこととして、適切な人体の位置関係や動きがどんな感覚のものであるかという明確な心的イメージを形成することに費やされる。

プロ野球選手はどうやって高速のボールを打ち返しているのか。
彼らの視力が普通の人と比べて格別に良いわけではないし、反射神経が特別優れている訳でもない。
彼らに備わっているのは、長年ボールを打つ練習をしたり、投げられたボールに対する自らの読みが正しかったかどうかというフィードバックが即座に返ってきたりという経験を繰り返す中で培われた、一連の心的イメージである。

エキスパートと凡人を隔てる最大の要素は、エキスパートは長年にわたる練習によって脳の神経回路が変わり、極めて精緻な心的イメージが形成されていることで、ずば抜けた記憶、パターン認識、問題解決などそれぞれの専門分野で圧倒的技能を発揮するために必要な高度な能力が実現するのだ。

たいていの分野における特出したプレイヤーの特徴とは、心的イメージがそれほど成熟していない人には何の意味もなさない、あるいは戸惑うようなモノの集合の中にパターンを見出す能力だ。
言葉を換えれば、普通の人には木しか見えないのにエキスパートには森が見える。

エキスパートにとって、心的イメージの最大のメリットは情報処理に役立つこと、すなわち情報を理解し、解釈し、記憶に保持し、整理し、分析、それを使って意思決定をするのを助けてくれることだ。


③限界練習

能力の差はどうやって生まれるのか?

超一流のバイオリニストと、音楽教員になる道を選んだバイオリニスト。
両者を比べると、超一流は18歳までに、平均で4,000時間も多く練習を積んでいた。

だがそのレベルに到達するには、練習時間以外にもある重要な要素が必要だった。

「限界的練習」と「目的のある練習」は、次の二つの重要な点において異なっている。

1.対象となる分野がすでに比較的高度に発達していること、つまり最高のプレイヤーが初心者とは明らかに異なる技能レベルに到達している分野であることだ。

2.限界的練習には、学習者に対し、技能向上に役立つ練習活動を指示する教師が必要だ。

この定義によってわれわれは、個人が自らの技能を向上させるために必死に努力する「目的のある練習」と、目的に加えて情報が与えられる練習とを明確に区別している。
特に重要なのは、「限界的練習」は最高のプレイヤーの優れた技能と、彼らがそれを獲得するために実践していることについての知恵を踏まえ、それを指標としていることだ。


④苦しい練習を続けるテクニック

自身の限界を超える負荷をかけ続ける限界的練習は、決して楽なものではない。
事実、超一流の中に、「練習が楽しい」と答える人など一人もいないのだ。

では、なぜそうした苦しい練習を続けられる人と、続けられない人がいるのだろう。

1.意志の力が強い人など存在しない
どんな場面にも役立つ汎用的な「意志の力」が存在するという科学的根拠はまず見当たらない。
たとえば全国レベルのスペリングビーコンテストに出場するために膨大な時間勉強するだけの「意志の力」を持つ生徒たちが、ピアノやチェスや野球を練習しろと言われたら同じだけの「意志の力」を発揮できるという根拠は何もない。
一般的に誰にでも楽に努力できる分野とそうでない分野があるのだ。

2.誘惑にかられるリスクを抑える
ひとつの目安をして、特定の分野で能力を向上させたいと思う人は毎日一時間以上、完全に集中して練習するべきだと思っている。
そんなたゆまぬ訓練を可能にする意欲を維持できるかは、二つの要素にかかっている。
続ける理由とやめる理由だ。
初めはやりたいと思っていたことをやめてしまうのは、やめる理由が続ける理由に勝ってしまったからだ。
つまり、意欲を維持するするには、継続する理由を強くするかやめる理由を弱くすればいい。
やめる理由を弱める方法は色々ある。
最も有効な方法の一つは決まった練習時間を設け、他の仕事や注意散漫になる要素を全て排除することだ。


『まとめ』

超一流になるのは才能ではなく「努力」。
重要なのは努力の方法である。

超一流は長年にわたるひたむきな練習を通じて、長く苦しい努力の過程で一歩一歩並外れた能力を身につけていく。
てっとり早く上達する方法はない。

さまざまな練習法の中で最も効果が高いのは「限界練習」である。
限界練習とは人間の脳と身体にもともと備わった適応性を活かし、新たな能力を生み出していくものである。
そうした能力の獲得を促すのが、詳細な「心的イメージ」だ。
詳細な心的イメージがあると、そうではない場合と比べて、状況を分析し、反応する能力が格段に高まる。


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