Wonderful Life

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まただ また夢にすきだった女があらわれた 何もかもすっかり忘れてしまって ようやくひとりでもやっていけるようになったというのに そう思ってたのに こうして
また夢にまで会いにくるなんて 罪深すぎやしないかね
そのたび耐えがたいさみしさに耐えることになる おまえも会いたいのか？ しかし 覚悟のうえだよ いつか結ばれるより今夜一時間会いたいって本気で思ったんだから

すきだった女は10年前に会えなくなった女 5年前に一瞬だけ会えて 手紙を渡してそれきりだけど いまだに夢にあらわれるのであきれる 前を向いてればまた会えますか
わからないけど とりあえず手紙を渡せてほんとによかったな 人生最大の手柄 2019年3月15日のおれ 勇敢すぎる 下書きを読むと内容もすばらしい ティーンの頃に書いたんでいまよりさらにキザっぽいところもあるんだけど
誠意と陶酔のバランスがよく格調高い ピュアでいい
ホテって書いた恋文を後年振り返ってもいいねと思えるのは奇跡的ですよ 気品があっていい いっけんすると詩 蓋し名文 あんまり褒めるとかえって恥ずかしいか ﾊﾊ

恋をしていた頃 いつも花の咲く道を歩いた 川沿いを通った 鳥とおはなしができた 日に5リットルの水を飲んだ 景色がマブしかった どこへ行ってもすきな人のことを考えていた だいたいの日が冗談みたいに天気がよくて
すべての色が疑いなく本物で ほんとの青 ほんとの緑
あたたかい香り 冴えまくり 常時ハイだった
結局恋がいちばんキマルのわろた おれのファッションアイコン、Oliverさんも恋の力でketamine乱用やめたし
おれなんていままさに恋の後遺症でラリってるし
Alone getting high on a Saturday night ですわ

アメリのナレーションみたいなこと言ったけど ああいうの世界と調和がとれた状態っていうんだよね  しあわせだった 会えなくなってからも 前を向いてればまた会えるって思ってたから フワフワしててちゃんとしあわせだった ただ 少しでもマシになりたかった 毎日走った
苦しくても走り続けるって決めていた 狂っても止まらないって決めていた すべての瞬間がたのしかった 満たされない気持ちで満たされ たいそうここちよかったんだね あの時の自分すきだったなあ 過去形が連なって情けないね 大丈夫 おまえに出会えた時点で一生のしあわせは決まったし いまの自分はもっとすきだから

いい加減 この恋のナキガラを葬ってやろう
語り尽くして供養する 安心して 永遠になるといい
おれは次の朝 泣きながら目覚めることになる
それきり 悲しい恋の歌は忘れてしまうだろう
うん たぶん Definitely Maybe

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あとがき
振り返るとわけのわからないことばかりで ずっと寝ていたように思われもする いつまでも眠っていたんだなあって思うことがある  過ぎたことはみんな夢みたいに思う 続いてる気がしない たまに肉体の違和感とともにめざめ 鏡に向かうと なんだっけこの人 誰？となる 脳なのか心なのか 奥の方に潜む記憶を整理すると異なる時代の異なる分野における体験が時系列を考慮せずに浮かび上がる
like a Tarantino movie scene それらを知覚する際の意識の在り方もやはり同一のものではない 過去の自分もあとの自分も記憶を引き継いだ他人ということだ
この街での暮らしもいつか神隠しにあったように思い出すのかな 夜 目を閉じれば朝になってるみたいに 次の
瞬間100年経っているんだろ 時間の感覚って昔はひとつにつながってた気がするけどいまはなんかバラバラだな
温度や気圧みたいなパラメータに近いイメージです そこですきな人との思い出は特別な熱をもち 当然最高気温最高気圧を記録しております その存在感 おれが おまえに会うために生まれてきたと断言する理由です

ボケてるバーイじゃない 小さい頃にやってたことをもう一度やってみましょう このとき確かに自己が回復します

ブックオフでアルティマニアを目にしてFFがやりたくなった 我がRPGの原体験 FF9プレイしながら 小1の頃のこと思い出していた 父親とRPGやるのすきすぎてたのしみすぎていつも学校から帰るとはやく宿題終わらせてた
宝箱見逃したり目的地にたどり着けずにいると闇雲に走るなって叱られたなあ おれいまだに闇雲に走ってるわ いろんなもの見逃して見失ってるかも たぶん取り返しのつかないこといくつもある だけど超たのしいぜ だから大丈夫 なにより ひとりじゃないしな そうでしょ
おれはこれからおれ自身の物語に取り組まねばならない
ここからはじまるおれ自身のファイナルファンタジー
すべて回収する うわ 全部手に入るんだ すごいな

隠しトラック
前はもっと素敵なことや不思議なことばかり考えていた気がするんだけど こんなに思い出話しててもしかたないよね このところ空想しなくなった 祈ることさえしてない 停滞しちゃってんのかなあ 寝てみる夢の話ばっかでもしかたないよね 眠りの中に救いはないって誰かが歌っていたけど なんにしろもっとハングリーでいなきゃね
まだ若いし 街には風が吹いている
時間はいっぱいあるし 陽はまたのぼりくりかえすから
なんかむつかしいこととかを考えよう これからのおれあ アツく生きるんだ やると決めたことをやる
ほら夏がくるぜ 気合い入れていこう
2024 おれたちの夏 無限