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「六畳間のピアノマン」逃げ出した私は正解だったのか

ドラマ「六畳間のピアノマン」

NHKで土曜の夜に放送されていた「六畳間のピアノマン」というドラマを観た。

ビリー・ジョエルが唄う「ピアノ・マン」の舞台は名もなき人々が集まるバー。客たちの唱和を思わせる「今夜はメロディが欲しい気分。ピアノ・マン、君が僕たちを元気づけてくれ」という歌詞。
そんな「ピアノ・マン」を動画投稿サイトで歌う、「六畳間のピアノマン」と名乗る一人の青年がいた。
彼の歌声は、やがて周囲の人々の心に響き、それぞれの人生は気づかぬうちに交錯していく。
再び歩みだす先に光がさす、4つの物語。
(※NHK HPより)

おおむね、ブラック企業におけるパワハラについての話しだ。

私も過去にブラック企業に勤めた経験があり、直近まで勤めていた職場でパワハラを受けたこともあるので、非常に興味深いドラマであった。

「NEWS」の加藤シゲアキさんが第1回の主演を務め、第2回以降も出演し、第2回は段田安則さん、第3回は原田泰造さん、最終回は南沙良さんがそれぞれ主演した。

原作『逃げ出せなかった君へ』

原作は、『逃げ出せなかった君へ』という安藤祐介さんの小説。
ブラック企業でのパワハラを原因に亡くなった社員と関わりをもった人物たちの生き様を描く、6つのエピソードからなる群像劇だ。
本書は体験を踏まえた小説であるとされている。

ブラック企業に入社した新卒の男性社員3人が会社に泊まり込み、仕事に明け暮れ、心身をすり減らす日々。
深夜や早朝にも投資用マンションなどの飛び込み営業をし、会社のために滅私奉公するように洗脳されていく。

そのブラック上司を原田泰造さんが熱演している。

[第1話]

【ストーリー】
[第1話]
派遣社員の村沢憲治(加藤シゲアキ)の職場では新人の永津(森永悠希)へのパワハラが常態化している。8年前、村沢と夏野(古舘佑太郎)、大友(三浦貴大)は上河内(原田泰造)のパワハラを受けていた。夏野は楽しく歌う動画「六畳間のピアノマン」を残し事故で亡くなってしまう。以来他人と関わらないように生きてきた村沢だが苦しむ永津を前に夏野を救えなかった過去がよみがえる。そんな村沢に六畳間のピアノマンの歌声が…。
(※NHK HPより)

村沢憲治(加藤シゲアキ)は同期の夏野(古舘佑太郎)を亡くしてから、正社員ではなく、派遣社員として働いていた。
その派遣先でも同じようなパワハラを見てしまう。そしてパワハラを受けている社員をなんとか救おうと考えるのだ。
夏野を救えなかった痛みから、彼は社労士の資格を取るため、派遣の傍ら勉強を続けていた。

[第2話]

【ストーリー】
[第2話]
夏野泰造(段田安則)は退職の日に、偶然上河内秀人(原田泰造)を見かける。8年前に事故で亡くなった息子の誠(古舘佑太郎)にパワハラをしていた憎い相手だ。〝人に優しく〟と育てたことが、パワハラに耐えられない弱い人間にしたのではと悔やむ泰造。しかし警察官の脇見(細田善彦)、誠の同級生の都(福田麻由子)ら、若者たちとの関わりで変わっていく。誠が「六畳間のピアノマン」として楽しそうに歌う動画を見た泰造は…。
(※NHK HPより)

夏野泰造(段田安則)は事故死した夏野(古舘佑太郎)の父親だ。
妻亡き後、男手ひとつで息子を育ててきた。
定年退職を迎え、息子が過労で事故を起こしてしまう原因となったブラック企業の元上司・上河内(原田泰造)が、工事現場でニコニコ笑いながら働いているのを見てしまう。
殺したいほど憎い相手。
しかしその上河内もまた、全てを失っていたのだった。

[第3話]

【ストーリー】
[第3話]
上河内秀人(原田泰造)は工事現場の作業員。すべてを失った彼は、芳江(麻生祐未)が運営する子ども食堂に支えられている。8年前、夏野誠(古舘佑太郎)にパワハラをした上河内は、誠の父の泰造(段田安則)に再会し衝撃を受ける。一方子ども食堂に通う幼いカズト(又野暁仁)はビートルを3台見たら願いが叶う、と一生懸命。父親がいないカズトを思いビートル探しを手伝う上河内。居酒屋を開きたい真治(上地雄輔)も加わり…。
(※NHK HPより)

大友(三浦貴大)がネットを使い、上河内(原田泰造)が朝礼でパワハラする様子を世間に告発。マスコミが事件として取り上げ、社内で問題となり退職に追い込まれる。
その後、上河内は過去の記憶を全て失っていた。
探偵事務所に自分が何者であるか調査を依頼し、世間を騒がせたパワハラ上司であったことを知る。
家族からの捜索願いも出ていなかった。
第3話のタイトルは『いい人になりたい』だ。

[第4話]

【ストーリー】
[第4話]
有村美咲(南沙良)はプロの歌手を夢みる高校生。もう一つの顔は地下アイドルのミクリだ。心の支えは更新が止まった動画「六畳間のピアノマン」。孤独な美咲はピアノマンにメッセージを送り、励ましの返事に驚き喜ぶ。マネージャーの吉田(木下ほうか)に過剰なファンサービスを求められ、大人に失望する美咲。しかもピアノマンつまり夏野誠(古舘佑太郎)が既に亡いと知り絶望が深まる。そこに大道芸人の大友(三浦貴大)が…。
(※NHK HPより)

美咲(南沙良)も「六畳間のピアノマン」のファンのひとりで、プロの歌手を夢見ていたが、周りの汚い大人達に失望。自暴自棄になりかけた時、動画のアカウントを引き継いでいた村沢(加藤シゲアキ)と、路上ライブをしていた同じ場所で路上パフォーマンスをしていた大友(三浦貴大)に助けられる。

なぜ人は人を攻撃するのか

【パワーハラスメント】
職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為。

パワハラを受けた社員が亡くなってしまうのだが、原作では自殺だったらしい。
ドラマでは事故死に変えられていた。
過労で居眠り運転をしてしまうのだ。

ーーなぜ人は人を攻撃するのだろうか。

このドラマを観て、ふとそんなことを思う。
私の永遠のテーマかも知れない。

人が人に優しくするということと、相反する、人が人を攻撃するということ、その両方がこのドラマには描かれていて、はっきり言ってしまえば、観ていてとてもしんどいドラマだった。

元パワハラ上司がいくら記憶を失ったといっても、過去の出来事が無くなるわけではない。
『いい人』に生まれ変わりたいなら、過去の自分の過ちをきっちりと被害者とその家族に詫びるべきだと私は思う。
それをして初めて『いい人になりたい』と思えばいい。

ラストシーン

最後のシーンでは、ビリー・ジョエルの「ピアノ・マン」が流れ、村沢がこう話す。

僕たちはひとりではない。
ひとりになってはいけない。
ひとりにさせてはいけない。
僕たちは繋がっているんだ。





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