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すべて移ろいゆくもの

この夏のわたし的課題図書を読み終えた。
漫画だけど。

きっかけは、ただいま進行中の読書会の本「百合と薔薇」の中。 

今日はその第5回目だった。
何度読んでも、頭では理解できないことも多いが、魂がよろこんでいるのがわかる(ような気がする)。

植物や動物に対しては外見だけでなく、その外見を生み出している力に目を向けることが重要ですが、逆に人間が対象の場合、私たちは相手の表情や姿かたちを一瞥すると、ただちにその人の「内面」に目を向けてしまいがちです。

しかしたいていの場合、そこで「読み取った内面」は、自分の勝手な思い込みであることが多いようです。相手の外見や仕草を注意深く見ようとはせず、過去にもった記憶に基づく印象を再生しているにすぎません。それ以上、見ようとしないのです。
その相手の性質が、現に目にする外見、どういう動きや形態その他から来ているのか、常に注意を払うべきでしょう。

そうすると、自分が想像していたものが、相手のもつ客観的なものではなく、自分が相手から受けた主観的な印象を、さらには単に自分の記憶や、他者から得た評価を相手に押しつけているだけであると気づくかもしれません。

最後に、こうしたことを考えるときに重要な示唆を与えてくれるゲーテの知恵に満ちた言葉を紹介しておきましょう。
(ゲーテ『ファウスト(神秘の合唱)』より)

すべて移ろいゆくものは、永遠なるものの比喩にすぎず

百合と薔薇/丹羽敏雄

ここで出てきた文豪ゲーテの「ファウスト」。
これは読まねば、と思って調べると、訳者により雰囲気が違うよう。
本屋さんで直にみて決めようと思い購入を保留。

そんな中、パッと目を引いたのがこちらだったというわけで。

表紙がかわいい〜。こちらは早速メルカリでゲット。

この解説を読むと、手塚治虫先生は中学生の頃、ゲーテのファウストを何度も繰り返し読んでいたと…。さすが!
私は中学の頃、何を読んでいたっけか。
「若きウェルテルの悩み」は読んだ気がするが。

こちらのマンガ「ファウスト」には、上の「百合と薔薇」に引用された言葉

『すべて移ろいゆくものは、永遠なるものの比喩にすぎず』

は出てこなかったが…

読み終えてみて、なーーーんとなく、この言葉が意味することは、植物、動物、人間という隔たりを超えた「いのち」の本質なのかな、と思った。

マンガでない「ファウスト」も読み始めてみよう。
そちらは読書の秋の「わたし的課題図書」ということで。


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