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【マンガ業界Newsまとめ】NAVER「5年以内に世界でユーザー数10億人、amazon、Googleを目指す」など|4/17-048

マンガ業界関連の日々のニュースをまとめるマガジンです。

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ネイバーCEO「5年内に世界ユーザー10億人、ネイバー、グーグルと肩並べる」

NAVER CEOの崔秀妍(チェ·スヨン)氏が、5年以内に世界中で10億人の利用者数と、1.5兆円の売上を目指すとのこと。すでに月間利用者数(MAU)で7億人に到達しているとのことで、現在強化している北米・英語圏向けのサービスの将来性を考えれば、割と手堅い目標というところでしょうか。

本記事でも米国DCとの連携に触れてますし、昨年末以来のBTSコラボなど北米への動きは判り易く強化されております。記事中でも、ユーザー数10億人という目標の中で意識しているのは、amazon、Google、Meta(facebook)などの企業としています。

日本でNAVERと言えばLINEマンガなどですが、当のNAVERは北米進出への先兵としてWebtoonを中心にとしつつも、企業としては総合的に10億人が利用する大きな企業を目指しているということが日々鮮明になってきています。

「日本のマンガ業界」から見たとき、今後お付き合いしていくお相手の見ている先というのは、やはり意識しておくべきではないかなと考えました。


NFTで日本の漫画を売る理由は「マンガファンとデジタル好きは重なっているから」

話題になり続けているヤンマガのNFT新連載漫画『code:ノストラ』を、NFT販売開始したことについて、ヤンマガの鈴木一司編集長が「新連載を選んだのは「作品を知ってほしいから」」と説明しています。

新連載の8割は埋もれるという中、こうして話題作りのためにNFTを活用したというのはとてもわかりやすく、実際こうして記事にもなっていますしね。

記事の最後では、後発な「ヤンマガWeb」も1年間で200万ユーザー(MAU200万)に到達したことに触れています。4月にわたしがジョインしたコミチでは、ヤンマガWebの開発・運営・マーケティングをやっておりまして、より一層頑張ろうと思いました。


『少年サンデー』元編集長が小学館退社 今後は漫画原作者として活動「新たな人生を歩んで行きます」

編集長就任時に、新人漫画家育成などについて強烈な宣言をし、数年後には『葬送のフリーレン』も大ヒット、有言実行ののち7年の在任期間を終えて編集を引き継いだ市原武法さんが、小学館を退職、漫画原作者になられるとツイッターで報告されました。

私も1年目にお会いしてお話しする機会があり、以来面白いお話を沢山聞かせていただいたのですが、新しい挑戦でも頑張っていただきたいなと思いました。

これからの漫画業界どうなるんです?

今週、主にTwitterで話題になったnoteです。

「そこらへんの漫画家」さんとは誰なのかという話はともかく、1.5万字にも及ぶこの記事の、漫画家目線をしっかり取り入れたうえで、「上場非上場企業の違い」や「ヒット作品を作るまでに必要な時間や要素」「強過ぎるプラットフォームの脅威」など、なんとなく認識されてきつつも言語化されてこなかったことが、読み手として想定されている漫画家さんに伝わりやすい、良く練られた表現で綴られています。

特に、電子配信全盛になってからのプラットフォームと漫画家の付き合い方や、Webtoonブームにおける、スタジオと漫画家の関係性など、非常に重要なことが秀逸な整理と表現で書かれており、同じようなことを書いたりしてきた身としては、これは本当に良くできた記事であると思いました。


海外News

NAVERウェブトゥーンが米国DCとパートナーシップを強化し、DCのIPでウェブトゥーンをつくっていくとこのと。BTSもそうでしたが、北米向けによる強化した動きをしかけています。

作品知名度が高く既存ファンも多いアメコミのWebtoon化が成功すると、アヴェンジャーズなどで世界的にも普及しているキャラクターなどが活きそうですよね。日本の漫画のWebtoon展開より早くに、先行事例として見ることもできるかもしれません。

こちらもNAVERウェブトゥーンが、韓国MUNPIAという小説プラットフォーム(PF)にて、10億ウォン(約1億円)規模の小説公募展を行うというものです。

MUNPIAは、武侠ものに強い小説PFとのことで、Webtoonの原作としても多くの作品が作られている武侠ものの原作開発ということが、狙いになるかと思います。

通常の漫画に比べると、スタジオ制作のWebtoonはコストが高く、ヒット率向上には強い原作確保が必須です。また、「待てば無料」の課金システムと相性が良いことから、乱造が続いた「異世界転生もの」の代わりとなるヒットジャンルの開発は必須とされており、韓国・中国で一般的な武侠物は、すでに多くの作品があるように引き続き期待されているところなのでしょう。


国内News

マンガだけの話ではないようなのですが、小学館・集英社・講談社の3社が、雑誌コンテンツを使った新規サービス創出で協業ということで、総合誌面制作プラットフォーム「MADM(エムダム)」開始というリリースを出しています。講談社小学館がそれぞれリリースしてます。

各媒体のコンテンツを、紙やデータという枠組みを超えて利活用していく取組については、確か小学館の相賀専務が注力されてたものがあったと思うのですが、あれがこの形になったのかなぁ。ニュアンス的には「雑誌」ということですが、上手くできればマンガなどにも応用できるかもしれませんね。

ジャンププラスの運営など、ベンダーとしての業務が多かったICE社も、Webtoon事業に制作側として進出です。アニメ表現を取り入れているとのことで、触れてませんがそうした方面の連携先があるのか、採用があったのかと考えました。

文春もWebtoonに進出ですね。有料記事なので記事タイトルのみですが。

シーモア、双葉社、COMIC ROOMの協業レーベル構築のニュースです。先日子会社のDEF STUDIOを通じて、ピッコマへの作品提供を発表した双葉社ですが、こちらはシーモアへの作品提供ですね。

夏に参院選で出馬する赤松健さんの、日本漫画家協会に入ってから出馬までの間にされていたロビー活動などがまとまっています。

当初は、電子書籍黎明期の著作隣接権の話題から始まり、のちに表現規制や海賊版対策などの問題について尽力されたという経緯ですね。

日本の漫画は一般に著作権を漫画家が持ち、出版社は出版権を保持するという状況の中で、漫画家サイドから声を上げる必要があるということが赤松さんの一貫した考えで、色々取り組まれていたものがまとまっているので、出馬までの経緯が判り易いかなと思います。後編もあるようです。


A先生の良いお写真だったもので。私も一度お写真一緒に撮っていただいたときはこ喪黒福造ポーズだったのですが、どうも先生親指立てちゃうのですよね。その時は私も釣られちゃいました。

Webtoonの記事が増える中で「若者のスワイプ疲れ」という言葉がちょっと新しいかなと思いました。

Webtoonスタジオ「StudioNo9」の親会社インクルーシブ社の記事です。No9は、このロケット開発のインターステラ社とコラボ漫画の制作も発表しています。

記事のみ紹介

今週、特集記事を一本書きました。

告知関連

IMART+:あなたの知らない女性向けWebtoonの世界 4/21(木)19:00~ 

4/21の19時より、IMARTの単発企画IMART+にて「あなたの知らない女性向けWebtoonの世界」というトークイベントをウェビナーで行います。

『サレタガワのブルー』や『ReLIFE』などに関わった編集者の北室さん他、なかなか外に出てこない女性向けの現場を支えている方々の貴重なお話が聞けると思います。


JEPA:メディアドゥNFTが示す、これからのデジタルコンテンツの可能性 ーデジタルデータの価値と意義ー 4/27(水) 16:00〜17:30


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【編集後記】
ここ数週『月曜日のたわわ』日経広告の件が話題になっていますね。一通りの記事やネットの反応は追っているのですが、大手メディアの記事であっても、大元の国連から一次情報が出ておらず、主張する団体の所属というか実態が良くわからないという検証が出たり、肝心な部分でロジカルでなく価値観に依存した意見やぶつかり合い(ここは双方)があるなど、ネット上の情報がこれなら正しいという確証が持てない部分があります。

わたし個人としては、表現に対して極端な主張を受けているというスタンスで、以下の赤松健さんのnoteに近い考えですが、この件はもうちょっと総括的なものが見えてのち、しっかり自分でも書けると思えてから、書きたいと思っています。

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