43日目🇱🇦 6.10 ルアンパバーン、時代の流れ

なんだか夜は寝付けなくて
気になったことは調べるまで
頭から離れない。そんな夜は結構ある。

前半はその夜中に書きなぐったことなので
結構何を言っているか分からないかもしれないが
それも思い出なので残しておく。

昨日の夜もそんな日で、
なぜヨーロッパ系のバックパッカーが
こんなにも多いのかの気になって
調べているうちに、
自分たちが生きていて知っている
ここ十数年の世界がずっと前から
前後続いているような感覚が勝手にあったが、
世界はすごいスピードで変化していて、
それは日本も同じであり、

約50年前は1ドル360円だったし
沖縄も返還されたし、
LCCなんて最近のことで
親世代は海外旅行なんて言ったら
人生の一大イベントで
夢のハワイや新婚旅行のときだけ、
食べ物だって配給制だった時代もあり、

インターネットが普及して
iPhoneやパソコンが当たり前、
なんてのも本当に最近で、
今見ていて知っている世界は
そのまま想像しうる流れでは
全くなく変動していると実感した。

それは他の国や地域も同じであり、
今見ているものが何となく
続いてきたのかと思えてしまうが、
20年も前やもっと前の歴史の流れで言えば
想像もつかないような全然違う世界だったのだ。

そう思うと、世界はもちろん
日本のことだって何も知らないような
気がしてきて、歴史では戦前や戦後、
高度経済成長やバブル、なんて
単語と意味は勉強するものの、
実際当時の人々やおじいちゃん世代、
親世代がどんな風にどんな暮らしを
してきたのかは全く想像と知識とは
違うものなんだろうという。

元々、時代や国によって価値観や
正解や正義や幸せなんてものは
全然違うものだなと実感することが多く
今の日本にいるだけの
価値観と感覚で生きるのは
自分の中で違和感がある。

この比例するように想像できる
範囲での変化なんてものは実はなくて
ダイナミックに想像を超えた
変遷があるという感覚は
何か自分の人生にとって
とても重要な意味を持つものを
新しく得たという確信があった。

何か日本の暮らしの流れがわかるような
本か漫画でも読まなくてはいけないという
気持ちが高まる。簡単なものを見つけて
夜通し読んでみたりした。

旅をしていても各地の人々が
どんな価値観でどんな風に
どんな生活をしているのか
1番興味があるが、それは
地理的に遠く横に広がるものだけでなく
時間軸としても異なる人々の暮らしが
どうにも興味があるようで、
なぜわたしはこんなにも''人々の暮らし''
というものに興味を持っているのかは
わからない。

けれど、その割にはそういう
異文化や生活が見える映画やドラマや
小説はほとんど読んだことがないし
ハマったこともない。
三国志とかキングダムとかは好きだが。

たまたま読むことになった
北海道の農家さんの日常コメディ漫画の
百姓貴族はものすごく面白かった。

あまり動物は好きではないので
気にしなかったが、思い返せば
ハチの一生を書いた小説でも
ハチの社会システムと
どんな風に生きているのかには
興味が沸いてすごく面白かったので、
むしろ人間だけではなく
''暮らし''に強い興味があるように思える。

朝は宿で変な気持ちになる人と
2人であった。

1人目はアジア系の男性が
中国語なのかベトナム語なのか
何語か分からないが話しかけてきて、
首をかしげると、ジャパン、と言われ
そう、とだけ答えると
また何かよく分からないことを
言われる。

たまに英語も混ざって、
日本人は歯が違うから分かる、と
真っ白でキレイに並び全部差し歯のような
歯を見せながら言ってくる。
日本人はホワイトニングや
矯正してる人が少ないから
分かるってこと？

暴言を吐かれているような
表情とトーンではないが
いいことを言っているようにも
決して見えない顔つきとものの言いようで
少し戸惑った。

2人目は宿に泊まっている女性。
香港の近くの中国出身らしいが
彼女は200市近くアジアのいろんな街を
旅しているという。

いつ見ても電気ポットで
自炊をしてるので、
よく旅先で料理してるのか聞くと
外の食べ物は虫や動物が
たくさんで汚いから
自炊するんだ、と
神経質そうにポットの周りを拭いたり
浮いている小バエをスプーンですくっている。
が、キレイ好きとは思えぬように
ワイルドにポットを持ち上げて
直接口を付けて飲んでいた。

そのあとはトゥクトゥクで
とても良い人だったが
宿のスタッフさんが
往復50だと言っていたのに
片道だ、ということで
揉めたくもないので倍の100を払い
ちょっとやるせない。

昼ごはんには昨日美味しすぎた
レストランにまた食べに行くと
お母さんが覚えてくれていて、
また来てくれてありがとう、と
言ってくれた。
昨日美味しすぎたので
昼またカオソーイを食べる。

クリスピーチキンも
セロリがいいアクセントで
酢豚のような味付けで
これまた衝撃の美味しさ。

パイナップルシェイクも
美味しすぎた。
ラオスはどこもご飯が美味しくて
毎回感動するが、ここが
1番美味しい気がする。

壁に囲まれていたって
美味しくて何度も来たくなるのに、
メコン川が見えて景色までよくて
人柄も最高なのだ。
つまり最高レストラン。

ご飯のあとは寝不足で気持ち悪く
昼寝をする。この時間帯は冷房がないので
寝起きが信じられないほど暑くて
気持ちが悪くなる。

頑張って起きて約束があるので宿を出る。
前にルアンパバーンのレストランで出会った
とても優しかった彼女にまた会いたく
ラオスの織物の話も聞きたかったので、
オフィスに遊びにいく。

なんとたまたまいらしたもう1人の
スタッフさんのお母さんとその村が
織物をしていて日本の文化センターのような
団体に降ろしているという。

コットンを自分達で育てて糸を紡いで、
ジャングルに染色に使う植物を取りにいき
全て手作業で織っているという。
写真を見せてくれたり、
直接は見に行けなくても
とってもワクワクした。

ルアンパバーンの周りの
小さい村やナイトマーケットで
安すぎる製品の話を聞くと
それが問題だ、と教えてくれる。
観光客が買うように
とっても安く買い叩かれてしまう。

1メートル織って10.000キップ
（今で約70円ほど）。
それをマーケットで分割して
2.3ドルで売っている。
マーケットのその値段すら
安すぎると感じていたが、
そのさらに何分の1もの値段しか
作り手さんに回らないのだ。

また、とある村で
全部自分で作ったにしては
家庭の工房の規模感と在庫の量が
不釣り合いに感じていた話をすると
もっと小さい村や各家庭で作ったものを
集めて売っているからだと教えてくれる。

シン用の美しい織物も
織れる人がどんどん減っていき
本物は値段がとても高くなっているという。
反対にナイロンなどの安い機械品が
多く出回るようになったという。

他にも色々聞いた織物のお話は
あとでまとめたいと思う。

若い世代はもうほとんど織物をしない、
という話からラオスの経済の話も話してくれ、
若い世代は給料が3倍だからと
マフィアや闇市のようなところで
働く人が増えてしまっているという。

お米や野菜など食材はあるが
塩や砂糖や調味料が輸入品なので
自国の通貨が弱くなって
生活コストがどんどん上がってしまい
給料が足りない。

教育を受けれなかったり、
大学を出ても給料がいい仕事に付ける
仕組みや環境でないので
教育を受けても意味がなかったりと
いろんな問題もあるらしい。

その辺の宿はだいたいが
中国人やベトナム人オーナー、
街のカフェやレストランは
フランス人オーナーも多く
ラオス人オーナーはほとんどいないそう。
雇っていい年齢の法律はあるものの
機能しておらず、安い賃金だからと
中学生や高校生くらいの子も働いていることも
よくあるとのこと。

聞いたり記事で読んだ話と
見てきた実態が少しずつリンクする。

彼女たちの象のツアー会社の
オーナーはアメリカ人らしいが、
とてもラオスの経済や人々に
理解があり家族のように
大切にしてくれるらしく、

給料も他と比べるととても高く、
コロナでお店を閉めていた2年間、
給料は出せないが、生きるためにと
社員全員にお米や卵など
毎月食料を支給してくれていたという。

こどもや家族の心配もしてくれ、
こどもがいくつで何人いるかも把握して
制服なども頼んでくれるという。
別の場所で学校の教科書代や
授業料はかからないが
制服代や文房具代などがかかり
通えなくなるこどもたちもいるという
話を聞いたので、理にかなっていて
実情を捉えたサポートのように思えた。

いろんなことを教えてもらえ、
充実した最後の夜になった。

夜ご飯はどうしようかと
少し考えるも、足はあのレストランに
向かっている。

昨日の夜、今日の昼、夜と
直近の3/3をここで食べた。笑
その前にも1回来ており、4回目。

お母さんが笑って
また来てくれてありがと〜と言って
雨が降っちゃってね、と
時間も少し遅くお客さんはおらず
ガラガラのテラス席のイスを
拭いてくれる。

お母さんがオーナーさんか聞くと
そうよ〜とのことで、
明日から3日間ヴァエンチャンの
病院に行くからお店を閉めるとのこと。
なんとちょうどわたしたちの
ラオス最後の夜にやってくれていて
ラッキーだった。ありがとう。

昨日の夜は手持ちの現金がほとんどなく
かき集めたタイバーツで払わせてもらい
あんまりたくさんは頼めなかったので、
今回は多めにお金を使わせてもらおうと
ご飯の他にビールやシェイク、おつまみも注文。

厨房の方から、あー！という声と
何か落としてしまったような音がして、
ここのレストランなら
春巻きくらい1回落ちちゃったやつでも
全然大丈夫、ケガさえなければそれでいい、
と思えるくらい何度も言うが
人柄がよくて美味しくて
景色もよくて値段も安くて
全部揃っていてとにかく最高のお店なのだ。
お手伝いをしている息子くん2人も
とっても感じのいい子達。

ワクワク待っていると春巻きが到着。
最初に来る料理が春巻きなのも
ビールと最高のスタート。

山盛り乗った春巻きの美味しさと
量の多さに感動して、最後のビアラオを堪能。

最後に、お母さんに
今日も美味しかったよ、
これがラオス最後の夜ご飯で
ここに来れて良かったよ〜というと
笑顔で本当、良かった、ありがとう、
と言ってくれる。
大好きすぎて最後一緒に写真を
撮ろうと言うと、よろこんで写ってくれ
自分の携帯でも、と撮ってくれる。

一方的じゃなくて、自分の携帯でも
一緒に撮ってくれるなんて、
それはさすがにうれしすぎる。

お母さんとここのレストランに幸あれ。
雨季は屋根が半分ない屋外だと
どうしてもお客さんは少ないが、
繁忙期は大繁盛しているとうれしいなぁ。

みなさんもルアンパバーンに来たら
迷ったらとりあえずここで食べるのを
強く強くおすすめします。
Googleマップ貼っておきます。

Limkong Restaurant Luang Prabang · 4.6★(32) · アジア料理店

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