Autumn Mood
寒露。秋分も過ぎ、すっかり秋。身の回りにはさまざまな変化が訪れます。七十二候でも表されるように、虫たちは冬支度を始める季節であったり、春先に植えた稲は穂を垂らし、収穫の時期を迎えました。
晩には冷え込み、秋の収穫物をお鍋に綺麗に並べては、秋が確実に深まっているのだなあと思うのです。
急に寒くなったので、風邪を引いている人も多いですね?女性は特にこの時期は、冷えないように養生したいものです。
女性には生理周期(月のサイクル)があり、そのサイクルを四季に例えることができるとしたら、秋はいつのことを指すのか?
その時期の過ごし方について、中医学的な要素を盛り込みお話ししたいと思います。
PMSとおさらばするために
第一章
「女性の秋ムード」を知る
生理直前の時期を穏やかに過ごすためのヒントで、PMS(生理前症候群)ともさよならできるかも。
女性にはもちろん、普段から女性のことを支えている男性たちにもご活用いただけたらと、願います♡
月経は女性にとって、毎月起こるものですが、その一回一回が、特別なライフイベントだということを、伝えたいと思っています。
生理不順、PMSで悩む女性が多くいます。筆者の私も、20代の頃、PMSは大きな悩みの種でした。
30代になってからは、生理前、出血中の痛みはほとんどなくなり、生理周期も28-30日でくるようになりました。出産後は生理が軽くなるという説もありますが、出産後でも重い時がありました。このように、楽になったのは、自分の身体のことをよく知ろうとしたり、心身の声に耳を傾けるということをするようになってからのことです。
もちろん、PMSとさよならするためには、骨盤のゆがみの調整、お腹を温めるなど、身体へのアプローチも大切なのですが、まずは、自分自身の月のサイクル(月経)のことを、知ることが大前提です。
月のサイクルについて
女性の月のサイクルは大きく二つに分けられます。
低温期 ・・・☞ 「陰」
高温期 ・・・☞ 「陽」
さらに、四季(ひと月の春夏秋冬)として表します。
月経期 ・・・☞ 冬ムード
(陰、月経0日目、出血スタート)
エストロゲン優位移り変わる
卵胞期 ・・・☞ 春ムード
(陰、月経終わり)
エストロゲンが優位
陰から陽へ
排卵期 ・・・☞ 夏ムード
(陽、月経始まりから2週間後)
プロゲステロン優位に移り変わる
黄体期 ・・・☞ 秋ムード
(陽、月経始まりの1週間前)
プロゲステロンが優位
陽から陰へ
これらのひとつひとつの意味を理解しようとしなくて大丈夫。
注目して欲しいのは1ヶ月の間で、1年間の四季のような変動が女性の体の中で起きているということ。
また黄体期(秋ムード)は、陽から陰へ移り変わるタイミングです。このようなことを、中医学的な見方として『陰陽転化』といいます。『陽極まれば陰となる』このタイミングでは、心身に少なからず負担がかかります。陰陽が入れ替わるタイミングの前に、リラックスした環境を作ることがベストです。『陰陽転化』のタイミングはひとつの月のイベントとして、そのための準備をすることが、持続的な心身の調和を保つために大切です。
秋モードの時期には、人生ゲームでいう「一回休み」のマスをわざと出すくらいの気持ちが大事です。
生理が来る前に、身体も心も、一度休めておくのです。
下の4つのポイントを押さえて生理前の準備と心構えを養いましょう♡
1.スローダウン、予定を詰め込み過ぎない
2.ただただ静かに眺める時間をつくる
3.食欲の秋を楽しむ
4.頭を使い過ぎずに直感を大切にする
1.スローダウン、予定を詰め込み過ぎない
女性は卵胞期〜排卵期(春夏ムード)の時期にとても活発的になり、育児にも、お仕事にも、プライベートにも、精を出せる期間です。しかし、プロゲステロンが優位になってくると、心身ともに不調になりがちです。不調に感じるのは、それだけ体の中で変化が起きているからです。この時期は、妊娠するしない関わらず、排卵を合図に妊娠を維持しやすい状態に身体を整えようとします。栄養や水分を体に蓄えるため、女性の体は丸みを帯びることになります。重たくなる身体を支えるために、骨密度を強化してくれるほどです。それが、プロゲステロンの役割。「食べた分だけ太った気がする」人がいたり、「顔がむくんで、気分が落ちる」ことは、大抵この時期にあるもの。脳は妊娠のために身体に栄養を蓄える指令を出し、身体はお休みモードになります。
生理が1週間後にあるので、出血前の準備期間として活動を控えるように考えるのが大事です。優先順位が高いもの低いものを分別し、急がなくていいことは、生理が終わった後に回しましょう。
2.ただただ静かに眺める時間をつくる
この時期はぜひ視覚を癒してみてください。視覚を癒すと、肝にエネルギーを送ることができます。中医学の考えでは、肝は、気の流れをつくり、感情や、自律神経の調節を行います。ホルモンや陰陽のバランスをとるこの時期は、自律神経の働きがとても大切になります。目からの情報が多すぎると、気の流れがわるくなり、自律神経が乱れてしまいます。部屋やクローゼットの中を片付けておくことも、視覚を癒すことと繋がります。SNSなどから少し離れるだけでもグッドです。
秋といえば、実りの時。実りを愛でたいですよね。食欲の秋、芸術の秋、読書の秋と、楽しむことがいっぱいな季節。それは、年が明けてから、半年以上、頑張り続けたあなたへの「穏やかな時間」の訪れです。
女性の秋モードでも同じこと。半月以上、頑張り続けたあなたへのご褒美の期間なのです。自由奔放に好きなことを楽しんでください。
普段、ぼーっとする時間を自分に許していますか?好きな映画を眺める。写真集を眺める。美術館へ行ってアートを眺める。週末ファーマーズマーケットに行ってその時々の実りを眺めるなど、お友達やご家族、パートナーさんとゆっくり『眺める』時間を約束しておくのもいいですね。
《キャンドルを灯す》とか《花を買う》とか、簡単で構わないので、忙しい日々の中に、視覚の癒しとなる時間づくりをわざわざスケジュールに組み込んでみてください。
3.食欲を楽しむ
低温期には陰を補う物を。高温期には陽を補う物を取ると良いとされていますが、この時期は「陽モード」だった身体と思考から「陰モード」へ移り変わるとき。「陰モード」に入ると、それまで春夏のエストロゲンの働きによって食欲を抑えてくれましたが、秋のプロゲステロンの働きはむしろ逆になり、食欲が止まらなくなる女性も多いです。秋は、食欲の秋と言われるように、好きなものをなんでも食べたくなりますよね。この時期は直感的に食べたくなったものや、好きなものをいただきましょう。
ただ、注意するべき点があります。
1. 脂肪分が多いもの
2. 体を冷やすもの
3. 添加物がはいっているもの
以上のものを摂り過ぎた分だけ、生理が重くなったり、不調が続いてしまうので、注意が必要です。この時期は好きなものを好きなだけ、女性にいただいてほしいのですが、摂りすぎると良くないものも世の中には溢れています。なので、生理期間を穏やかに過ごすためには、食の嗜好や知識は普段から整えておくことが大事です。食については、また別の機会に。
4.頭を使い過ぎずに直感を大切にする
「陽モード」から「陰モード」に変わるタイミングの秋になると女性性が急に前に出てきます。
女性の春夏モードでは、活動力があがり仕事などの場面では男性性が表に出る時期だったので、大きな変化です。
秋ムード中の女性は、「あの人嫌だな」とか「休憩したいな」とか「約束をキャンセルしたいな」とか、自分の中の、『なんか嫌』が出てくるかもしれません。または人から言われた一言がずっと気になってしまったり。女性性の強さから出てくる思いは、自分を守るためにあるものなので、ネガティブな思考を否定しないことが大切です。
そんなときは、頭で考えようとせず、直感に従ってください。上の2-3のポイントも、直感的にこれがいいと思う行動を選んでほしいです。直感に従う、というのは自分の身体と心に耳を傾ける、ということと繋がっています。女性は男性性を高め過ぎ、普段からいろんなことを我慢していると、本来の自分の姿から離れ過ぎてしまいます。直感に従うこと自体、怖くなってしまう方も多くいます。そういう方は、PMSが重くなる傾向にあります。女性性が高まる時期は、本来の自分を見つめ直す時期です。大切なのは、頭に思い浮かんだ想いやアイデアを大切にすること。忘れないようにぜひ、メモに書き留めてください。「普段なら選ばないのに」と思うようなことを、やってみたいと思ったのなら、次の春夏モードに合わせて始める決断や準備をしていい時期です。そうやって、女性に良い変化をもたらす時期でもあるのです。
以上が、黄体期《女性の秋ムード》で大切にするポイントでした。
前回の月経が終わり、また月経を控えているあなた。
少し気持ちがブルーになったり、はたまた意味もなく泣きたくなったり、腰が重くなったり、顔も足もむくんできたり。お腹も、痛いかも?
自分の身体と心に耳を傾けて(直感に従うこと)、わくわくするものがあればそれを選び、ひたすらご自愛してください。
そして、あなたが愛おしい日々を過ごしているバックグラウンドには、ご家族、お子様、パートナーさん、ご友人など、支えてくれる人の存在があるはず。そのことにも、ひっそりと、感謝の言葉を使いましょう。自分の心の中だけでも、口に出すでも、お手紙にするでも、なんでもオーケー♡
自分が誰かに感謝している、感謝できる人生を歩んでいると思えるだけで、具合がいいのです♡♡♡
結局は、毎月、その気持ちを続けてみることが、何よりだと思います。「ありがとう」は、魔法の言葉♡
ご自身のリズムと、ひと月の春夏秋冬を、ぜひ照らし合わせてみてください。ご家族や、パートナーさんと共有して、協力してもらえたら、より良いですね。まずはあなた自身が知ることから始まります。
ご自身の月のサイクルを知ることで、不調や心のモヤモヤが、自分や誰かのせいではなく、ホルモンバランスの変化から来るもの、すなわち自然なこと、ということに気づき、楽になります。また、月のサイクルを可視化することで、予定を立てやすくもなります。この方法もまたの機会に。身体と心に無理ないスケジュールを組んで、皆様が季節の移り変わりや、ライフワークを楽しんでいけることを願います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます♡
A lot hugs and kisses,
Ayaka
xxx
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