子供のためのオルセー美術館(45)ゴッホの教会/裏道から近づいて

オルセー美術館ゴッホ企画展から　Exposition « Van Gogh à Auvers-sur-Oise. Les derniers mois »

今日きょうは、みんなでゴッホが描かいた教会きょうかいに行いってみましょう。
ゴッホがどのようにこの絵えを描かいたのか近ちかくで見みてみましょう。

ここは教会きょうかいの裏側うらがわに続つづく道みちです。

砂すなの道みちを歩あるく

教会きょうかいに向むかうふたつの道みち、たくさんの茶色ちゃいろい線せんが、短みじかくぶ厚あつくぬってあるのが見みえますか。
絵えの具ぐがもりあがっているところは光ひかって影かげができるのです。

道みちと緑みどりの芝生しばふのさかいめは、青色あおいろ。
ゴッホの好すきな青あおがここにもありました。

芝生しばふに咲さく花はな

芝生しばふには、ちいさい黄色きいろや白しろの花はなが咲さいています。
ゴッホは　太ふとい点々てんてんですばやく描かきました。花はなはきらきら光ひかって見みえます。

いろんな色いろの屋根やね

教会きょうかいの屋根やねはのびのびゆったりしています。　
なんてやわらかい線せんなのでしょう。教会きょうかいが動うごいているみたい。

壁かべ

壁かべの石いしの白色しろいろには　オレンジと青あおの混まざった色もあります。
ゴッホはまだかわいていない絵えの具ぐの上うえから色いろを重かさねて混まぜたりしました。
横よこの線せんはぶあつくてがんじょうだけど
縦たてにすっすっとかすれた壁かべは、うすい色いろでスマートです。
紫むらさきの影かげは赤あかと青あおを混まぜた色いろです。

そして　空そら

ぐるぐる　ぐるぐる
青あおい空そらは　大おおきくかきまわすように広ひろい線せんで描かきました。
うすい青あおや濃こい青あおがうずまいて動うごいています

ゴッホが描かいたここオーベルの地ちは、あちらこちらに　今いままでゴッホが見みたことがなかった青あおや緑みどり、紫むらさきを感かんじることができる場所ばしょがあったのです。

最後に　色なしの絵

ゴッホの描かいた絵えの具ぐのでこぼこを見みてみましょう。見えるかな？

L'Église d'Auvers-sur-Oise
4 - 5 JUIN 1890
オーヴェルの教会　1890

建物は紫に染まり、空のシンプルな深い青の色、純粋なコバルト色によく映えている。窓のステンドグラスは群青色の斑点のように見え、屋根は紫色で一部がオレンジ色をしている。前景には、緑色の植物が花開き、砂は、ピンク色の日光を浴びている。
ファン・ゴッホ6月5日付の手紙

Musée d’orsay 

Vincent van Gogh to Wilhelmina van Gogh : 5 June 1890

L'église d'Auvers-sur-Oise, vue du chevet - Vincent Van Gogh | Musée d'Orsay

お読みいただきありがとうございました。
今日は絵に近づいてゴッホの教会がどのように描かれているかをご一緒に見ました。
お気づきかもしれませんが、現在オルセー美術館で催されているゴッホ企画展のために、既成の額縁をゴッホが好んだ白い額縁に差し替えて展示しています
期間限定の額縁、印象の違いをご覧ください。

変更前

オルセー美術館企画展会場美しい映像をどうぞ　2分20秒

オルセー美術館ゴッホ企画展デモビデオ

ゴッホの希望していた白に差し替えられた額縁は、
企画展終了後も、元の歴史ある額縁ではなく、新しい白のままとなりました。
ゴッホも喜んでいるかもしれません。(加筆掲載　2024年2月)

混んでいても描く！お兄さん