子供のためのオルセー美術館(39)セザンヌ・光るびんのマジック、トランプとりんごの絵
セザンヌは トランプをする人の絵を5枚も描きました。
若い頃から近くの美術館で トランプをする昔のLe Nainの絵を見て、これを描きたいと思っていたからです。
セザンヌが 2番目に描いたトランプの絵は
人は4人もいて壁にはパイプがかっています。
テーブルや壁の色はピンクに緑、青、茶色いろんな色、
そしてマントやカーテンのドレープも本物のように描きました。
でも、最後に描いた絵には
トランプする人は ふたりだけ!
色々な飾りも細かく描いたところも ほとんどなくしました。
トランプをするふたりは、夜のように暗く重い絵の中で、だまっていてじっと動きません。
まるで静物画の人形のようです。
テーブルの上、ビンに光が当たって白く光っているのが見えますか。
このビンの白い光のすじで、絵を二つに分けると
ふたりは、まるで対立する選手同士のようです。
そして全然動かないので、まるでりんごの絵のようにかたまっているように見えました。
セザンヌのりんごの絵にもまたひかるビンが真ん中にあって、トランプの絵となんか似ていますね。
あれ?左と右、なんか違う世界みたいじゃない?
Paul Cézanne
Les Joueurs de cartes 1895
ポール・セザンヌ
カード遊びをする人々 1895
Le Nain
Joueurs de carte
1600 / 1700 (XVIIe siècle)
Paul Cézanne
Les Joueurs de cartes, 1892–1893,
The Metropolitan Museum of Art, New York
Paul Cézanne
La Corbeille de pommes
Art Institute of Chicago
お読みいただきありがとうございました。
セザンヌの絵が単純化されながらもさらに重厚になっていく過程を、今回ご紹介したのは2枚だけでしたが、それを感じることができました。
見れば見るほど色々な気づきのあるセザンヌの代表作、他の作品とも是非比べてみてください。
お子様にもきっとその違いが感じられると思います。
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