見出し画像

子供のためのオルセー美術館(73)ゴッホのいろんな筆/ゴッホが気に入った絵・大好きなドービニーの庭で

ここはドービニーのにわ


6月18日、ちょうどいま季節きせつです。
ゴッホはドービニーのいえにわはじめました。

おおきい2枚分まいぶん長四角ながしかくのキャンバスに、芝生しばふ花壇かだんしげみをくっきりつよせん区切くぎりました。

にわ小道こみちは、芝生しばふとおってこうのしげみにつづいています。

しげみは、ぐんぐんのびたいきおいのいいっぱに、ぐるぐるうずくツタやえだがのび放題ほうだい。もうそらえないくらい。

かわいた小道こみちすな
ゴッホはふで素早すばやちつけます。こっちにズッズッズ、あっちのほうにもダッダッダッダ

たっぷりの黄色きいろ灰色はいいろのてんてんは、すなをザラザラにぶあつくしました。


ゴッホのきな群青色ぐんじょういろ青灰色あおはいいろ花壇かだんつちには
うえしたにうねうねと、たくさんのピンクがゆれています。
なんのはなだろう?

芝生しばふは、ながぼうのかたちで描きました。
たっぷりの黄緑きみどりは、ググ、ググとおとがするくらいにおもい。ならんでしげみにかっていくみたい。

向こうのしばは、ぼうみどりがどんどんかさなって

芝生しばふやまみたいにり上がっていきました。
どう、こんないろにわたことある?

ゴッホの素早すばやふでは、てんてんのもながいのもっぱのぐるぐるも、つぎから次へと変化へんかして、このはたったの2日ふつかでできあがりました。

6月20日はつか、ドービニーのにわ
ゴッホは、きたいとおもっていたとおりのけたのです。


le Jardin de Daubigny
Jardin à Auvers-sur-Oise 18 - 20 JUIN 1890 
Collection particulière (classé Monument historique)
ドービニーの庭 
オーヴェル=シュル=オワーズの庭 1890 6/18〜6/20
個人蔵(歴史的文化財に指定)

この絵は、ゴッホが4枚の絵を捧げた敬愛する画家ドービニーの庭の風景が描かれている貴重な作品。
地平線のないこの閉ざされた空間で、ゴッホは見事に筆致を変化させた。
日本美術に触発された彼は、強い輪郭線によって区切られた空間を描いた。

musée d’orsay

2023年のオルセー美術館ゴッホ企画展からドービニーの庭を。この絵は、1890年7月10日のテオ宛の手紙に「自分が最も求めていた絵の一枚になった」とゴッホが自身の描いた作品に満足し喜んでいる様子を伝えています。
ゴッホが常日頃敬愛していたバルビゾン派の絵、そして亡きドービニーにこの絵を捧げたのでした。
今日はちょうど6月18日、ゴッホがこの美しい庭を描き始めた日です。

ところでこの絵の中央にある緑のバケツ、何だかおわかりになりましたか。
よくよく見ると、背の高い白いバラが風にゆれているように見えます。あれは緑の鉢カバーだったのですね。

2023年オルセー美術館ゴッホ企画展、ゴッホ最後の2ヶ月 42秒

ゴッホ企画展紹介ビデオ2分20秒


この記事が参加している募集

#404美術館

31,600件

#一度は行きたいあの場所

51,809件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?