![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/144406010/rectangle_large_type_2_c6e8c7cb6a1bb3d4d5d5c1e538ee39d5.jpeg?width=800)
子供のためのオルセー美術館(73)ゴッホのいろんな筆/ゴッホが気に入った絵・大好きなドービニーの庭で
ここはドービニーの庭
6月18日、ちょうど今の季節です。
ゴッホはドービニーの家の庭を描き始めました。
大きい2枚分の長四角のキャンバスに、芝生と花壇と茂みをくっきり強い線で区切りました。
庭の小道は、芝生を通って向こうの茂みに続いています。
![](https://assets.st-note.com/img/1718657268804-wemZ6fbcvC.jpg?width=800)
茂みは、ぐんぐんのびた勢いのいい葉っぱに、ぐるぐるうず巻くツタや枝がのび放題。もう空も見えないくらい。
かわいた小道の砂。
ゴッホは筆を素早く打ちつけます。こっちにズッズッズ、あっちの方にもダッダッダッダ
![](https://assets.st-note.com/img/1718658658203-JGkRoWPkoW.jpg?width=800)
たっぷりの黄色と灰色のてんてんは、砂をザラザラにぶ厚くしました。
ゴッホの好きな群青色と青灰色の花壇の土には
上に下にうねうねと、たくさんのピンクがゆれています。
なんの花だろう?
![](https://assets.st-note.com/img/1718663452719-Y0Sp8l6Hns.jpg?width=800)
芝生は、長い棒のかたちで描きました。
たっぷりの黄緑は、ググ、ググと音がするくらいに重い。並んで茂みに向かっていくみたい。
向こうの芝は、棒の緑がどんどん重なって
![](https://assets.st-note.com/img/1718663682155-bUixVPUnY3.jpg?width=800)
芝生は山みたいに盛り上がっていきました。
どう、こんな色の庭、見たことある?
ゴッホの素早い筆は、てんてんのも長いのも葉っぱのぐるぐるも、次から次へと変化して、この絵はたったの2日でできあがりました。
6月20日、ドービニーの庭。
ゴッホは、描きたいと思っていたとおりの絵が描けたのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1718697348582-0yBWvV7pvV.jpg?width=800)
le Jardin de Daubigny
Jardin à Auvers-sur-Oise 18 - 20 JUIN 1890
Collection particulière (classé Monument historique)
ドービニーの庭
オーヴェル=シュル=オワーズの庭 1890 6/18〜6/20
個人蔵(歴史的文化財に指定)
この絵は、ゴッホが4枚の絵を捧げた敬愛する画家ドービニーの庭の風景が描かれている貴重な作品。
地平線のないこの閉ざされた空間で、ゴッホは見事に筆致を変化させた。
日本美術に触発された彼は、強い輪郭線によって区切られた空間を描いた。
2023年のオルセー美術館ゴッホ企画展からドービニーの庭を。この絵は、1890年7月10日のテオ宛の手紙に「自分が最も求めていた絵の一枚になった」とゴッホが自身の描いた作品に満足し喜んでいる様子を伝えています。
ゴッホが常日頃敬愛していたバルビゾン派の絵、そして亡きドービニーにこの絵を捧げたのでした。
今日はちょうど6月18日、ゴッホがこの美しい庭を描き始めた日です。
ところでこの絵の中央にある緑のバケツ、何だかおわかりになりましたか。
よくよく見ると、背の高い白いバラが風にゆれているように見えます。あれは緑の鉢カバーだったのですね。
![](https://assets.st-note.com/img/1718707526514-abBkWvCG3E.jpg?width=800)
2023年オルセー美術館ゴッホ企画展、ゴッホ最後の2ヶ月 42秒
ゴッホ企画展紹介ビデオ2分20秒
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?