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子供のためのルーブル美術館(36)つやつや果物の秘密、実は。/ オランダ絵画ミグノンのヴァニタス
どんな生きものがいるかな?
こんなところに、たくさんの果物。
ブドウにモモ、サクランボ、メロンにプラム。とうもろこしもあります。どれが好き?
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青やオレンジのきれいな鳥が見えますか。
蝶々もカタツムリもいます。
あれ?でもちょっと待って!
よくよく見ると、トカゲも毛虫もいるみたい。
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それになんだか果物も、腐りかけています。
![](https://assets.st-note.com/img/1715950438785-DmXSisFTWI.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1715950439821-J9HC9LQoWb.jpg?width=800)
これじゃあ食べられない。
しげみの中に、
鳥の巣があるのに気がつきましたか?
かわいい水色の卵!
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ところが、これも一大事!
卵を狙っている動物がいます。
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ネズミだ!
ああ、もうカラが割れているのもある。
オランダの画家ミグノンは、花や果物を本物そっくりに描きました。
そして、ぱっと見たらきれいな果物なのに、よくよく見ると腐っていたり、せっかくの卵が敵に襲われていたり。
そんな絵が、今から350年前のオランダ絵画ではたくさん描かれました。
生きものの一生は、楽しいこともあるけど、悲しくて残念なこともあるよ、というバニタスと呼ばれる絵です。
あーあ、これも。
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ペア、好きなんだけど。
だけどミグノンは、もちろん、こんなきれいな絵も描いています。
![](https://assets.st-note.com/img/1715953362310-PWCpd7Jrh6.jpg?width=800)
良かった。ツヤツヤたくさんの果物に巣の卵も大丈夫です。
でも、気をつけて!
どこかにネズミがいるかもしれないから……
あっ! あそこ
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Abraham MIGNON
Fleurs, fruits, oiseaux et insectes sur un fond de ruines, avec une souris pénétrant dans un nid, après 1660
アブラハム・ミグノン
廃墟を背景に花、果物、鳥、昆虫、巣に入るネズミ、1660年以降
![](https://assets.st-note.com/img/1715954630526-NM15GYo4lP.jpg?width=800)
Abraham MIGNON
Fruits, corbeille, insectes et papillons sur fond de niche en pierre
フルーツ、バスケット、昆虫、蝶、石の台座の背景 (今回は部分)
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A bird's nest in a fruit basket
Staatliche Kunstsammlungen Dresden
フルーツバスケットの鳥の巣
ドレスデン美術館
オランダ絵画の黄金期、ほとんどすべての静物画には道徳的な寓意が込められている。
17世紀半ばに始まった人生の空しさ(ヴァニタス)を表現する作品は多く、一見きれいに見える果物がよく見ると既に腐り始めていたり木が枯れていたり、虚無を表すものが描かれた。
ここでは、ゴシック教会の廃墟を背景に、ネズミが卵を襲うが、卵は本来壊れやすいもの。トカゲは死と破壊の兆候でありこの絵にヴァニタスの精神を与えている。左の鳥はカワセミ、右の鳥はジョウビタキである。
お読みいただきありがとうございました。
一見ではわからないちょっと暗いテーマのオランダ絵画をご紹介しました。
解説にあるように17世紀オランダ絵画の静物画には切っても切れないヴァニタス、いつもはちらと見て通り過ぎてしまうようなこんな絵にも、よくよく見ればその不安定さと儚さが、美しく見える果物にもあります。
お子様の心を持つ方にとっては、興味津々、どこにヴァニタスの象徴が描かれているか、きっと目をこらして探されることと思います。
人気ある美しい絵ばかりではありませんね。ここでは色々な絵をご紹介したいと思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1716194385585-Mn51lnDdjq.jpg?width=800)
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