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子供のためのオルセー美術館(9)マネ・今日は浜辺で描くよ、いつもと違うふうに/画風の転換点

ぼくはマネ
いつもは ってる人を 
かくんだけど
きょうはちがうんだ


て うみいろ
かぜもあってね
すいすい ヨットもえるでしょ
きもちいいんだよ きょうは

ほら ぼくは
はじめて

ほそながい画用紙がようしのはんぶんを
うみにしてみたんだ

はまべには

とおくのふね
オペラグラスでてるひと
いいなあ
どんなにえるんだろう

こっちには
シャベルをったもいるし
なにつくるの?
みんなで そうだんだ



ちいさなローズのひがさをさして
あの
もうかえるのかな
ぶかぶかぼうしのあかちゃんは

まだまだ すなあそび


ええ もうかえる時間じかん


もっと あそびたかったなあ


いえにかえったら
クロワッサンにチョコレートをはさんで
おやつにしよう



エドゥアール・マネ
ブーローニュの浜辺で 1868
Édouard Manet (832-1883)
Sur la plage de Boulogne 1868
Huile sur toile  Richmond, Virginia Museum of Fine Arts, Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon
(オルセー美術館企画展 Manet/Dogas にて上記美術館所蔵品借用展示)
戦後、マネは屋外に出て自分とは関係性のない人々を描き始めた。画風の転換点
海と浜辺の二つに分かれたそれぞれの光景、浜辺の対象の人々が1ヶ所ではなく散らばっていることもその変化の一つ

1863年、マネがサロンに出品した作品は、審査員によって却下され、批評家や一般市民からは、マネの絵画の型破りなスタイルや遠近法の無視、あるいは単にその主題が非難された。マネの芸術に対する真摯な姿勢は、作品がこのような批評の対象となりながらも10年を通じて変わらないでいた。
印象派の画家たちとは一緒に展示することを拒んだが、彼らは互いに影響を与え続け、近代的な主題、屋外での絵画、過激に思えるような明るいパレット、経験のなかった画面の切り抜きへの関心を共有した。
この作品でマネは、細長いキャンバスを使い、休暇を過ごしたフランス北海岸のブローニュ・シュル・メールの海岸を描いた作品を制作している。完成した作品は、1868年の休暇中に描いたいくつかの屋外スケッチに基づいているが、このパノラマビューでは、緑、青、白の色調が優勢で、海辺の風景を厳密に自然主義的に描いている。おしゃれな観光客や、海水浴客と浜辺を行き来するための水上馬車、背景を航行する船などは、現実的なスケールや遠近感を意識せずに描かれている。
その代わりに、マネは、浜辺ですごす人物のそれぞれに、構図の中で明確な動きを与えることに力を注いでいる。

Richmond, Virginia Museum of Fine Arts

オルセー美術館企画展マネ/ドガ ビデオ(50秒)

お読みいただきありがとうございました。
まぶしい光の注ぐ海岸線に初めて画材を持って出て、マネはなにを思ったでしょう。
浜辺の観光客や子供達の様子が簡潔な筆致で驚くほどリアルに描かれています。
浜辺で遊ぶ道具は見つかったかな?
家に帰る子供たちはどんな気持ちなのかな、その後ろ姿に会話が聞こえるようですね。


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