子供のためのオルセー美術館(41)モネ•働くひとたちのシルエット/ジェルべクスのリアリズム
ここは150年前のフランスのセーヌ川
むこうの方にえんとつがたくさん見えます。
イギリスの産業革命がフランスにも伝わって、次々と機械が作られたくさんの工場ができました。
そんな時代の絵をモネは描きました。
機械を動かすためには大量の石炭が必要でした。
セーヌ川にも 船いっぱいのまっ黒の石炭!
それを陸に運ぶ人たちがたくさん働いていました。
船で運ばれてきた石炭をカゴに入れ 肩の上に乗せます。
ジェルベクスが描いたこの絵にも、むこうの方に工場やえんとつが見えますね。
船と陸をつなぐ細い木の板の上を 川に落ちないように石炭を運びます。
船に石炭をとりに行く人たちは、かごを頭にかぶって船に向かっています。
モネは、いつものように川に反射する光を描きました。
そして工場や煙突、太陽に照らされた働く人のシルエットを落ち着いた暗い色で描きました。
鉄橋の丸い曲線、そして船からのびるたくさんの板のななめの線
絵が大きく広がっているように見せています。
LES DÉCHARGEURS DE CHARBON
Auteur : Monet Claude 1875
石炭荷揚げ人 1875
LE COLTINEUR DE CHARBON.
Auteur : Gervex Henri
石炭荷揚げ人 1882
お読みいただきありがとうございました。
モネの絵としてはいつもと雰囲気の違う作品でした。彩りも緑と灰色、アスニエールの橋のアーチは重々しく、逆光でシルエットだけ見える労働者たちをまるで人形のように配置し、キャンバスを何本もの渡し板の斜線で横切って広がりを表現しました。
浮世絵の影響は深くフランスの美術界の間では議論の余地はないと言われています。
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