ワインが大好き、アナクレオンの歌声が聞こえてきた
むかしむかしのギリシアの時代
アナクレオンという 詩人がいました
歌や詩を作るのがじょうずでした
小鳥がいれば話しかけ
鳥の歌をつくってやりました
ハープを鳴らして 歌ってもやりました
ハープ=竪琴
そのうち小鳥たちは つぎつぎやってきて
アナクレオンの手にとまっては
かんむりのぶどうの実を ついばみました
ぶどうはまだまだ たくさんあるのです
アナクレオンは
ぶどうのお酒が 大すきだから
夏が近づくとやってくる
キリギリスにもまた
歌を作ってやりました
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The Grasshopper Anacréon
キリギリスよ しあわせな虫よ
木も草も土もみんなが
おまえを
待っている
神さまからのごほうびは
朝つゆのやさしいワイン
おまえの青々しい体は
さかずきになって
お腹いっぱいになるまで
花の葉のこかげで
のんで、おどって、歌うだろう
おまえのいくところ
どこでも
よろこびでいっぱいだ
見える野原は ぜんぶ
おまえのもの
鳴いてごらん
ひつじかいは よろこんで
耳をかたむけるだろう
キリギリスよ
太陽の神 アポロの子よ
Eugène Guillaume Montbard 1822 - Rome 1905
Anacréon 1851
Salon de 1852 Exposition universelle, Paris, 1855 Marbre taillé d'après le plâtre exécuté à Rome en 1849
ウジェーヌ・ギヨーム
アナクレオン 1851
アナクレオンの
右足は見えますか。
くつはどこにいったのでしょう?
ああ、
あそこに。
https://allpoetry.com/Anacreon
お読みいただきありがとうございました。
ワインに酔ったアナクレオンが、小鳥と遊びながら今にも歌い出しそうな美しい彫刻です。
「天国のアナクレオンへ」は、アメリカ合衆国国歌の原曲になった歌です。
ギリシア出身のアナクレオンもまさかの事態に天国で驚いたことでしょう。
文中のキリギリスの詩は子供用に抜粋訳しました。本来のアナクレオンのリズムあるいきいきした詩を是非ご参照ください。
YouTube(原曲)も併せてご覧ください。