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カルチャーコラム100連発

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#世界史

木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』第14章「帝国主義とアジアの民族運動」と第15章「二つの世界大戦」について--中核諸国

本稿では、ウォーラーステインの「近代世界システム」における「中核諸国」に着目して、帝国主義時代から第二次世界大戦終結までの国際社会を論じる。

世界システムの条件は分業体制と多数の文化である。世界システムは二種類に分けられ、本稿で適用する「世界経済」においては全空間を覆う単一の政治システムが欠落している。このような「世界経済」の先進地帯が「中核諸国」と呼ばれる。

1881年以降、列強(つまり、中

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木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』第16章「冷戦と第三世界の自立」第17章「現代の世界」について

本書の第二次世界大戦後の章を政治の観点から紹介する。

本書は戦後の世界を国際関係の変化から説き起こしている。

戦後、世界は米ソ両大国を中心とする2つの勢力の対立関係に置かれた。そうした動きに対抗するかたちで、欧米諸国から独立したアジア・アフリカ諸国が非同盟勢力として国際政治上の役割を果たした。

しかし、各陣営における指導力の低下を受けて、1970年代から米ソは緊張緩和(デタント)の時代を迎え

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木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』について

今日は木下康彦/木村靖二/吉田寅編『詳説世界史研究 改訂版』山川出版社、2008年を紹介したい。

本書の目的は、人類が過去から未来への方向を案出することである。

そこを目指して、本書は高校レベルの世界史を自学自習するための参考書として編集された。しかし、本書は、漫然と学ぶのではなくて、読者が世界史をみずから再構成することを勧めている。

というのも、われわれは過去を学ぶことで現在の意味を知り、

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