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怒っている時、本当のニーズを満たせるか

怒っているとき、それは傷つけられた時。

怒っているとき、それは相手になぜそんな失礼なことができるのか分からない時。

怒っているとき、それは自分の境界線が侵されている時。

最近あった3つのことから、怒りの奥の本当に満たしたいニーズについて考えた。

人間関係の事故

人と関わると、相手の過失100%の事故のようなものに遭うことがある。

最近もそんな事故にちょいちょい遭っている。

この時、傷ついた自分を自分で十分に癒し(決して事故にあった自分を責めてはいけない)、

事故だから仕方ない、とまずは諦観する。

そうすると、その次に事故を起こした相手の未熟さや、素顔の傷が見えるようになるかもしれない。

相手の顔が見えてくると、強敵ではなくなる。なんなら相手が同時に受けた傷も見えてくる。

ここまでいくには、やはり相手とのコミュニケーションを取り続ける選択がないと、なかなか難しいのではないかと思う。

あるロールプレイで

慢性の怒りを感じる相手についてロールプレイをした。

私は、私がムカついてる対象Aの役になり、私の役をトレーナーさんが行った。

「怒れる私」役のトレーナーが、「失礼なA」役の私に、共感やリクエストの対話をするというワークだった。

「怒れる私」役のトレーナーさんは、どんなに傷つけられても冷静に何度も何度も自己共感しながら、私演じるAにつながるための共感やリクエストをした。その度に訳の分からない返事をするA(私)。

その返事を聞いては、私役のトレーナーは「何アイツ超ムカつく」と呟いてから、→感情をしっかり感じ→ニーズに繋がり→リクエストを繰り返した。

そこで体験したこと。

境界線を侵害されていた。境界線の甘い自分に気付く。

A役を演じていて、私役のトレーナーに質問されるたび、自分(A)の心がだんだんクリアになってきた。(Aを演じる私に、Aの心が分かるようになった)

Aは私のことなど1mmも考えていなかったということ。とても利己的に私を利用することしか考えてなかったこと。自分の力を示したい一心であること。

これまでの私に明確さが足りていなかった。

境界線が甘すぎることに気づいた。

これまで私はAの表面的なディスりやダメ出しを真に受けてしまっていたので、

怒りながら同時に、自分も信じれなくなるというふうに、傷を自分に作っていた。

これが私の境界線の甘さ。

だから明確に誰かに助けを求めることもできず、味方を得ることができなかった。罪悪感があるから。どこかで自分の不甲斐なさが原因だと思っているから。

怒ってるとき、ニーズからのリクエストが思いつかない

私演じるAに、何度も何度も自己共感しては挑む、トレーナー演じる私。

自分なら絶対に真似できないと思った。

なぜなら私は怒っているから。

私役のトレーナーは、「明確さのニーズにつながるために、あなたを理解したい」とA役の私にリクエストした。

そんな「相手を喜ばせるようなリクエスト」が、怒っている時、傷ついている時の私にできるわけない。

だから最後のフィードバックでそのことを伝えた。「正しさで戦わずに、相手と上手くやるためにそうやって(自分をなくして)近づく必要があるんですね」と。

そしたら私役をしたその人は、

「相手と上手くやるためではなくて、自分の明確さのニーズを満たすために何度も話しかけたんです!」と言った。

そのことがとても心に残っている。

リクエストは自分のニーズのため。相手とうまくやるためではない。

私は相手の土俵に立ってしまっていた。そうではなく、

「私は安心して仕事がしたい。

どうしたら私が安心して仕事ができるか一緒に考えて」

と相手に、あるいは他の誰かにリクエストができるかどうか。

自分1人で頑張ってると、孤立しやすい。

1人で頑張っているから、それを認めない相手の間違いを正したくなる。

そうではなく、自分の明確さを満たすために、相手とコミュニケーションを取り続ける。ニーズを本当に大切にするってこういうことか。怒りの本当の目的は、自分のニーズを満たすこと。

怒っている時、私の心には必ず「相手は悪」がある。その判断がある限り、相手に近づこうとは思わないし、明確さのリクエストは思いつかない。

先日友人から聞いた話

ある人から、明らかに理不尽な扱いをされた友人。

とても怒りを感じていて、翌朝その相手に「私、何か不快なことをしましたか?」と怒りながらも自分の明確さのためにLINEをした、と言っていた。その相手からは「あなたは何も悪くない、ごめんね」との返事が来たらしい。

怒りの本当の目的。それは相手を打ち負かすことではなく、最終的には自分の明確さのニーズを満たすことであること、という場合は結構多い。

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