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【ソネット】もう一方の太陽のほうが

※トップ画像、また、この下の写真につきまして、集合体恐怖症の皆様に心よりお詫び申し上げます。

*杏ってこんな感じで実るんだ
(季語:あんず[夏])

前に母からももらったドライなら
(季語:唐桃からもも=杏[夏])


詞書(?)
消防研修のため東アルプスへ出かけたアンドレア。僕が寝ているうちに、現地で撮った写真や動画をたくさん送ってくれました。

L「お前が送ってくれた杏の写真でソネット作ったんだけどさぁ...」

A「あれは杏じゃない。『こんな実、地元では見たことない』って(メッセージアプリで)書いただろ」

L「は? 何言ってんだよ! お前が杏だって言ったんじゃん!」

A「ローリス、他人ひとを責める前に会話履歴を確かめてごらん」

L「... ...あ」

A「...ほらね。まったく... 文章は落ち着いてきちんと読めっていつも言ってるだろう。そもそも君は...」

L「うるせーな! ちゃんと読んだんだけど、"albicoccaアルビコッカ" (杏)で韻を踏めたらすげぇな、って思ってるうちに記憶がすり替わっちゃったんだよ! ソネット作るのに3時間もかかったんだ。いまさら変更できるか! もう、何の実とか、そんなことどうでもいい」


Un altro sole è…

Grappoli giallo-rossi d’albicocca
come il sole, ma n’atu sol cchiù bello.
Però Roma mia! Stare a basso è fello.
Vuol sorger più alto, ma qualcun lo blocca.

Due bimbi stan per tener nella bocca
i seni. Crescon, si veston di vello,
catturano e divorano ogni agnello
sfondando anche difesa della rocca.

Rome! Nel turismo è una della pentapoli.
La Magica è anche uno stregone.
Proteggi e attacca come ancili e spade!

Il mare e il cielo, cerulei di Napoli!
Oceano si dissecca, empireo cade,
sbiadisce azzurro, ventura stagione!


Rima: ABBA ABBA CDE CED
¹ “ma n’atu sol cchiù bello“ tratto da “O sole mio”
² ”Rome” è inglese ossia la parola è di genere neutro.
³ “Nel turismo è una della pentapoli”: altre città italiane della pentapoli turistica sono: Milano, Venezia, Firenze, Napoli. Non so perché, ma in Giappone dicono così.

(日本語訳)
もう一方の太陽のほうが
 
杏の、黄色と赤の房...
太陽のようだけれど、もう一方の太陽のほうが、なお輝かしい¹。
それにしても、私のローマよ! 低いところに留まるのは憂鬱だ。
もっと高く昇りたいけれど、あるものがそれを邪魔する。
 
二人の子供が乳房を口に含もうとしている。
成長し、毛皮を着て、
羊を残らず捕え、食う。
砦の守りさえ突破して。
 
ローマ²よ! 五大観光都市³のうちの一つ。
お前は魔法使いだ。
盾のごとく守り、剣のように攻めろ!
 
海と空、ナポリの青よ!
大洋は渇き、天は落ち、
アズールは色褪せる。来たる季節に!


韻: ABBA ABBA CDE CED
¹ 「もう一方の太陽のほうが、なお輝かしい」⇒『O sole mioオー・ソーレ・ミーオ』の本歌取り。
² 「Rome」⇒ 英語なので文法上の性はない。(イタリア語の "Romaローマ" は女性。)  だから、"Rome" に結び付く「魔法使い」にあたる単語が男性でも、文句ねぇだろ。
³ (イタリアの)『五大観光都市』⇒ 他の四つはミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ナポリ。僕にはミラノの良さが分からない...

作/訳/注釈: ローリス M.


アルプスもナポリも青いねムカつく…
(季語:青いね≒青稲 [夏])

僕も行きたかった…

240717