僕の名は。
僕の名前「直己」は、父さんが付けてくれた。
一方、noteのクリエイター名「ローリス」は、親友のアンドレアに付けてもらった呼び名をそのまま採用した。
一般的にどうかは知らないが、少なくとも僕の周りにいるイタリア人は、他人に二つ名を付けるやつが多い。
僕もかの地で「水曜日の黒猫」「兵器」「王子様」「小さな巨人」...などのあだ名を付けられたことがあるし、一見温厚だが若かりし頃はフーリガンだったアンドレアも、その頃の友達からは「赤」と呼ばれている。
...このように、本名を含む呼称は他人から付けられることが多いが、筆名は別で、自分で付けることができる。
イタリア語詩を始めたときにセルフ命名したペンネームは「小さなダンテ」。
そして、今。僕は李白や杜甫を超えようとしている。そんなわけで漢詩用の字を自分で考えることにした。
※注意:以下、妄想です。
まずは、適当に『詩語集』を開く。
このページに載っている言葉の中から、僕のペンネームを選ぶ。
ちなみに、引き当てた項目は『通信・情報/国家』。天子とか国王に関する言葉がたくさん並んでいる。さすが。我こそは支配者。
...さて、さっそく一語ずつ見ていこう。
「聖人」とか「神聖」とか、あからさまにイキってるやつはやめとこ。
「聖明」、意味は「知徳優れる天子」。
あー...これ、なんとなくよさそう。でも、"知" はわかるけど、"知徳" ってなんだろ?
ネットで調べてみると、"知識と道徳" とのこと。
知識はいいけど、道徳とか。吐き気がするわ。不採用だな。
次。「独夫」、民心が離れた君主。
おぉ、こっちは逆に闇堕ち風味でなんかかっこいい! これは候補に入れておいて、次...
「英主」、英明な君主。
「賢主」、賢明な君主。
「明天子」、聡明な天子。
こういう "頭よさそう" 系 は全部候補にぶち込んでおこう。でも、三番目はぱっと見「明太子」に見えるから微妙だな。
「龍顔」、天子の尊顔。
字面はかっこいいけど、どう考えても顔は僕の強みじゃないからな...
「聖制」、「叡藻」、「聖藻」。御製の詩文。
非の打ち所がない漢詩に添えるならいいけれど、もし少しでもミスったら半端ない醜態を晒すことに...
...あぁ、『天子・国王』の項目が終わっちゃった。
次の項目は『皇太子』... ないな。いつまでも王子止まりじゃ嫌なんだよ。早く王様になりたい。
『后妃・女帝』は論外だし...
最後は『行幸・行宮』カテゴリーか。
...お! 「朱旗」。これがいいかな。
"朱" っていうとフェニックスを連想するし、赤系でダンテっぽいから、杜甫を叩きのめすついでにイタリア語詩もすげぇ上達しそう。
これに決めた!
まだまともな漢詩を一編も書いてないのに、世界の頂点に立ったような気がする。
240323