【PT向け】東欧の医学に育まれたセラピー『DNSアプローチ』を知る方法
※画像はDNSアプローチではなくイメージです
こんにちは、えばらです。突然ですが私は2013年に永田さん(@gorigoriPT)に伝達講習で教えてもらい講習会に出て以降、仕事ではDNSアプローチという技法を使うことが多いです。
Twitterアカウント(@lopeslopeslopes)にはよく、
「DNSアプローチの書籍を教えてください」
とか
「講習会はありますか?」
とか質問があります。
私に聞くよりもっと詳しい人がいると思うのですが、投げてしまうのもあれですので、毎度色々調べて返信させていただいてました。でもさすがにその都度お答えするのが大変になってきましたので、記事を書きました。
ちなみに私は、セミナー団体や出版社などの回し者ではなく、資格を取得したDNSのインストラクターでもありません
(※購入、参加して感じたものがこのnoteと異なっても個人の見解の違いですので責任は負えません。ご注意ください。)
後述する講習会でDNSのA・B・Cコースと、エクササイズコースpart1の受講歴があるだけです。
しかしDNSアプローチは、受講した以上に仕事である臨床や人体の理解に役立つ知識やヒントをいっぱいいただけ大変満足しています。これからも学び続けたい所存です。
1ファンの意見、推しの意見としてお読みいただけれればと思います。
チェコ発祥の統合的アプローチです
DNSアプローチは動的神経筋安定化・発達運動学的アプローチと訳されます。
dynamic neuromuscular stabilization / developmental kinesiology approachの略でして、本当はDNS-DKアプローチと言えますが、面倒なのでDNSアプローチなんだと思います。
旧東ヨーロッパのチェコにあるプラハスクールがその大元になります。
これ、DNSの魅力の1つじゃないかと勝手に思っていますが、チェコってどことなく謎めいていていいんですよね。レアっぽいというか。ハンガリーとかポーランドも。ちなみにポーランドは親日国家として有名ですね。
話がそれましたが、アメリカとかオーストラリアが日本の理学療法のお手本には多いと思いますが、一味違う東欧チェコで生まれた神秘の徒手-運動療法、そんな感じに私はDNSをとらえています。
プラハスクールは、運動器の理学療法士ならば一度は聞いたことがある、ヤンダアプローチのJanda先生や、小児のリハビリ法のの1つであるボイタ法のBojita先生も関わっています。
Bojita先生は天才的な観察力と優れた医学知識に基づいた素晴らしき反射性運動療法を生み出しており、DNSアプローチにも多分に生かされています。
乳幼児のリハビリを大人の運動器理学療法に活用するアプローチ法です。したがって度々赤ちゃんの発達段階の話がDNSアプローチには出てきます。
運動発達はリハビリにすごく重要、という話は今までも散々聞いてきましたが、じゃあいったいどうやってやればいいんだよやり方がないじゃない!と思っていました。同じように感じている理学療法士は多いと思います。
具体的なアドバイスや道筋を教えてくれる人がいなかったことも大いに影響しています。実習指導でも問題になりやすいのですが、悪いところだけ説明してどうして行ったらを助言しないパターンに似ています。
臨床でも理学療法士の悪いところとしてよく言われるのが、患者さんにダメだダメだいうのに、どのようにしていけばいいかを道筋を明確にしない場面がすごく多い。
DNSはそんな曖昧さを払しょくし、「運動発達をリハビリに生かす」をちゃんと説明してくれます。
その一方でエビデンスレベルとしては高いものではなく優位性を示す論文も見当たりません。ですが、使っているととてもパワーがあり、患者個別の問題を浮き彫りにしてくれます。以上が私がDNSを気に入って使っている理由です。
日本語の書籍
前置きが長くなりましたが、専門書ではこちら「脊椎のリハビリテーション臨床マニュアル 下巻」しかありません、残念ながら。
ご注意ください下巻ですからね下巻。上巻もありますが載ってません。しかもこの書籍、絶版になったという噂。今のところAmazonでは購入可能のようですが、確認してみてください。
私も8年位前にこれに気づき、すぐ勤務先の病院図書館に直接問い合わせたところ、買っちゃいましょう!となり読むことができました。
今読んでも何を書いているのかわかりません(笑)。DNSをある程度理解している今では創始者のPavel Kolar先生の超絶的な赤ちゃん洞察力を感じることができます。
ひそかにDNSに触れられている一般書
もう一つが一般書であるこちらの書籍です。
インパクトあるタイトルでしたので、平積みの者を書店でご覧になった方も多いと思います。
疲れない体の前半はまさにDNSアプローチの呼吸機能について書かれています。
私は呼吸面へのアプローチは強調しないのですが、DNSアプローチといえば呼吸!横隔膜!と言っていいくらい、インストラクターは強調します。
具体的な介入方法はないですが、読み物的に概念を知りたければこちらの本もおすすめです。お手頃ですしね。
【要注意】DNS違いが大違いな書籍
そしてご注意です!実はDNSは類似品が多いのです。
・プロテイン製品のDNS
・ネット関連のDNS(domain name system)があります。
例えば上記の本はネット関連のDNSですので購入時にはdynamic neuromuscular stabilization approachのDNSかよくご注意ください。
【未読】英語の書籍
プラハスクールのホームページにはこちらがご紹介されています。私は購入していませんが、何らかの記載はあるように思っています。
日本で受講可能!定員締め切り必至の講習会
書籍読んでもよくわからない、実際に教えてもらいたい。
そう思った方は、日本で受講できるDNSアプローチの講習会に参加されてみてはいかがでしょうか?
(新型コロナ以降の情報は反映しておりませんので、実際にHPをご覧になってください)
日本では、2つの団体でDNSアプローチを受講することができます。
理学療法士の小倉秀子先生(後述)主催のセミナーです。
病院勤務の理学療法士やセラピスト向けの、DNSコースA~Cコースを受講することができます。
徒手的治療も含めた概念とアプローチを学ぶことができます。2名の講師と通訳の方が付きます。
・Aコースが基礎
・Bコースが応用
・Cコースが疾患別各論
です。
ちなみにDNSのインストラクターになるには、A~Cコースの受講とネットでの修了テストの受験で修了することと、チェコで開催するDコースの受講とテストの受講が必要です。
そしてMTI東京さんのDNSアプローチコースのテキストが現在DNSを知ることができる最も優れた書籍、テキストだと思います。現状なかなか参加できませんが、ぜひ参加して先生か直接話をきいて、テキストをゲットし学んでほしいと思います。
アスレティックトレーナーの川尻隆先生が主催のセミナーです。
こちらはエクササイズコースのインストラクター取得につながる、エクササイズコース(part 1~3)が受講できます。
病院勤務のセラピストよりも、トレーナ向けで、実際参加者も圧倒的にトレーナーが多いです。
ここの特徴は、どういうわけか参加者の皆さんがほとんど英語が話せる方が多く、質疑も英語で行われることが多いのです。理学療法士は面食らうかも。
私はリスニングだけまあまあいけるので、まあ気にならないのですが(質問はできませんが)、最初は驚きました。
川尻先生は、DNSを熟知しており、質問しやすい環境は変わりません。トレーニング目的でDNSを学びたい方は、こちらもおすすめです。こちらも充実したテキストがありますよ。
YouTubeでDNSを見てみよう
ネットが発達した現在は動画配信サイトという便利なものがありますね。
高画質!見やすい!実際の指導の場面をご覧ください。
もはやTwitterやYouTubeなど動画サイトやSNSで検索した方が、DNSの知りたいことにたどり着けると思います。
この方がいなければ今の私はない!小倉秀子先生!
そして最後に、日本にDNSアプローチを持ち込んだ小倉秀子先生について、書きたいと思います。
と思いましたが、リハビリメディアPOSTさんにいいインタビューがありましたので、ご覧ください。この方なくしてDNSアプローチや今の私はありません。
movement science万歳!
おまけ:運営するNPO法人では慢性疼痛へ応用
私えばらが運営するNPO法人ペイン・ヘルスケア・ネットワークでは、慢性疼痛の悪循環を解決する社会活動を行っております。
専門職向けセミナーでは、痛みにDNSを応用した運動療法を指導しております。今期のセミナーは予定は、状況が状況だけにまだ予定を決めていません。
例えば、
こんな風に運動療法動画もアップしていますので、
ぜひ下記「痛みと闘うチャンネル」もチェックしていただき、チャンネル登録もお願いいたします。
まとめ
チェコ発祥の機能的運動療法・DNSアプローチの書籍ありますか?の問いに対しては、
今のところ日本語書籍はあまりありません。したがって、講習会に出てテキストをゲットするのが一番良いです、が答えです。
しかし動画サイトや代わりになる学びはあります。新型コロナの影響がありますが、講習会サイトも定期的にチェックしてみてください。
末筆ではありますが、日本に導入した小倉秀子先生本当にありがとうございます!
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