
【クチコミ分析の活用例】ソーシャルリスニングで何が分かる?
生活者の声を収集・分析し、マーケティングに活用できる「クチコミ分析」は、ビジネスの様々な場面で役立ちます。自社のビジネスに具体的にどう生かすことができるか、クチコミ分析の手法の一つ「ソーシャルリスニング」を題材に分析の特徴やビジネス活用例を紹介します。
【1】ソーシャルリスニングとは?

ソーシャルリスニングの分析対象
ソーシャルリスニングは、TwitterやInstagramなどのソーシャルメディア、ブログ、掲示板、レビューサイト、ニュースサイトなどを対象にしたクチコミ分析の手法です。
これらのWeb上に書き込まれた企業や商品/サービスなどに関する生活者の様々なクチコミ=テキストデータを収集・分析することで、マーケティングやリスク対策などビジネスに活用することができます。
ソーシャルリスニングの特徴
ソーシャルリスニングの特徴として、クチコミ分析のその他手法であるアンケート調査やグループインタビューのように質問を設定することはできませんが、あらかじめ検索条件(自社の商品/サービス名に関するキーワードなど)を設定の上、写真や動画などを含む様々なクチコミを随時モニタリングできるというメリットがあります。
また、対面形式でのアンケート調査やグループインタビューは場合によっては生活者は素直な意見・感想を得づらい場合があるかもしれませんが、ソーシャルリスニングは検索条件を工夫することで、ソーシャルメディアやブログなどに書き込まれた生活者のリアルなクチコミ、また自社に限らず他社のクチコミも柔軟に収集・分析しやすいという特徴もあります。
ソーシャルリスニングで取得できる主なデータ
ソーシャルリスニングは分析対象とするソーシャルメディアのプラットフォームやサイト、利用ツールにより取得できるデータが異なります。例としてTwitterを対象とする場合、下記のようなデータを取得することができます。
【Twitter:ソーシャルリスニングで取得できる主なデータ*】
対象:Twitter上のツイート(リツイート・返信含む)
指標:ツイート数、ツイートしたユーザー数、
各投稿のリツイート数、返信数、投稿者のフォロワー数、性別、
センチメントの種類、など
抽出可能な要素:ツイート内容*、投稿日時
*頻出ハッシュタグ・キーワード・絵文字・URL、センチメント、など
集計単位:最小単位を分とし、分・時・日・週・月・曜日別
Twitterを分析対象とする場合、例えばこれらのデータを収集・分析することで、特定期間中、検索条件にマッチしたツイート(クチコミ)はどれだけの数があったか、リツイートを多く獲得したツイートはどんな投稿だったか、といった定量・定性的な分析を行うことができます。
【補足:取得できるデータ量について】
Twitterはオフィシャルパートナー企業のソーシャルリスニングツールであれば全量データにアクセスできますが、FacebookやInstagramは取得できるデータに制限があります。
【2】ソーシャルリスニングの活用例
ソーシャルリスニングはビジネスの様々な場面で活用することができます。参考記事と合わせて、主な活用例を目的別に紹介します。
①ブランド調査
ブランドイメージ、認知度、利用実態、消費者ニーズなどの把握
競合他社の反響などの把握(競合比較)
ソーシャルメディアやブログなどに書き込まれた自社の評判はどのようなものか(ブランドイメージ)、クチコミはどれくらいの量があるか(認知度・関心度)、商品/サービスがどのようなシーンで利用されているか・使われ方が多いか(利用実態・消費者ニーズ)といったことが把握できます。
また、これらは競合他社に置き換えてクチコミを収集・分析することもでき、クチコミの量や質をもとに競合比較することもできます。
活用部署例:研究開発/マーケティング
検索条件例:自社または他社のブランド/商品/サービス名など
②エンゲージメント分析
エンゲージメントが高いクチコミなどの把握
キャンペーンの効果測定
ソーシャルメディアやブログなどに書き込まれた、自社の商品/サービスに関してポジティブな反応が多く見られたクチコミや、認知の広がりに影響を与えたクチコミは何か(エンゲージメントが高いクチコミの把握)。また、ソーシャルメディア上のキャンペーンについて、キャンペーンの参加者やハッシュタグ利用者がどれだけいたか、クチコミはどれだけ拡散されたか(キャンペーンの効果測定)といったことが把握できます。
活用部署例:マーケティング
検索条件例:自社の商品/サービス名、キャンペーン名など
③インフルエンサー分析
影響力の大きいインフルエンサーの特定・発掘
集客への活用
ソーシャルメディア上の自社商品/サービス/キャンペーンについて、認知拡大を引き起こしたユーザーは誰か、そのアカウントの特徴は何か(影響力の大きいインフルエンサーの特定・発掘)、フォロワーにどのような影響を与えたか(集客への活用)といったことが把握できます。
活用部署例:マーケティング
検索条件例:自社の商品/サービス名、キャンペーン名など
④風評リスク対策
炎上リスク検知・モニタリング
風評対策
ソーシャルメディアやブログなどに書き込まれた、自社のブランド/商品/サービスに関してネット炎上の火種にあたるクチコミはないか、今後炎上し得る懸念事項はあるか(炎上リスク検知・モニタリング)、風評被害や誹謗中傷にあたるクチコミはないか(風評対策)といったことが把握できます。
活用部署例:PR・広報
検索条件例:自社のブランド/商品/サービス名、または従業員・顧客に関するキーワードなど
【3】まとめ
最後に、ソーシャルリスニングのビジネス活用例をまとめました。

このようにソーシャルリスニングは様々なビジネス活用用途があり、研究開発/マーケティング/PR・広報といった各部署の目的に合わせ、顧客理解や競合比較、マーケティング施策の効果検証などに役立てることが可能です。
ソーシャルリスニングを始めるには?
ソーシャルリスニングは有償のツールをお持ちでなくても、Twitterを対象とした分析であればTwitter検索を活用して簡易的に実践できます。

ソーシャルリスニングのビジネス活用に興味が湧いた方は、最初の一歩として、こちらの「ソーシャルリスニング手始めガイド」を活用してソーシャルリスニングを実践してみてはいかがでしょうか。リンクから無料でダウンロードいただけます。
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