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谷口祐人とルークスの関わり

 はじめまして。ルークス社の取締役の谷口祐人と申します。「すべての人は主人公」-”Weaving Beautiful Narratives”を理念として掲げている会社ですので、メンバーそれぞれがどうしてLoohcsに関わり、何をしていて、どのようなことをしていきたいのかを社内にも社外にも広げたほうがいいだろうということからこのような取り組みを始めました。

 この「わたしの物語」シリーズは意外と知ることのないそれぞれのバックグラウンドを理解し、日頃の業務を理解し、将来的にやりたいことを共有することによって「みんなの物語」を紡いでいければという趣旨ではじまりました。

 外部の方には、どのようなメンバーがルークスにいるのかという関心から読んでもらいたいですし、日頃の業務に関するあるあるに共感してもらってもいいですし、興味を持ったメンバーにコンタクトをとってもらうのもいいと思います。では、谷口についてのお話をしていきたいと思っています。

ルークスに関わるまで

 僕にとってルークスがはじめての会社です。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科で修士課程を終えた後に、入社しました。ちなみに、まだ同大学院の博士課程に在籍しています。僕自身は、大宮で中学1年生まで育ち、その後鹿児島に転居しました。僕が住んでいた頃(ちなみに1993年生まれです)の大宮は古く良き下町情緒あふれる街でした。町内会はけっこう活発で、大きなお祭りも年に数度あり、地縁というものがまだまだ残っていたように思います。

 最近は郊外化の進展と共に、再開発が進んでいて街の風景も変わりつつあるような印象ですが。そんな地縁の色濃く残る街だったので、僕自身は家族で育ったというよりは、地域で育ったというような感覚が強くあります。地域のおっさんやおばさんからいろいろなことを学んでいったような感じです。

 そんな牧歌的な街で育った経験は僕自身の学生(詳細は後述しますが、ルークスでは生徒ではなく学生と呼びます)との接し方にも反映されているかもしれません。親子や教師と生徒のような上下の関係でもなく、友達や同僚というような横の関係でもなく、斜めの関係と呼ばれるものです。僕の師匠の一人でもある宮台真司は、斜めの関係を体現する存在を「うんこのおじさん」と言ったりしています。上からものを言うのでもなく、友達のようにフランクに接するのでもなく、その中間的な立場から接するという作法と心地よさは地域のおっさんおばさんとの交流を通じて学んだのかもしれません。

 ルークス高等学院に在籍している高校生と話していると、(あまり根拠なくいいたくないですが)いまの高校生たちにはこうした斜めの関係が欠けているのかなとも思ったりします。僕自身、元来の教師嫌いだったので、なるべく教師然としないような感じで学生と斜めの関係を構築したいなと思っています。

 話はかなりそれましたが、鹿児島に行ってからは鹿児島県下No. 1の公立進学校に入学しました。最悪でした。以上です。閉鎖的で、県下No. 1のプライドを身に纏って天下の大道を肩で風切って進むというようなそういう文化が嫌でした。そういう高校時代の抑圧的な環境を変えたいという思いは代表の斎木と同じです。そういう気持ちで大学に入ってからも何となく教育については関心を持ち続けていました。とはいえ、大学及び大学院での専門は「社会運動」についてでありました。ただ、自分の関心は「何かを新しくつくっていくこと」にあるのだと最近は思います。社会運動についても、ルークスで新しい挑戦をすることもどちらも「何かを新しくつくっていくこと」だと思っています。いまだに形がないもの、いわばカオスが次第にやおら形をなしていく瞬間に関わるのが好きなのかもしれません。

ルークスに関わったきっかけ

 ルークスに関わるようになったきっかけは、この会社の取締役である嶺井と大学時代から知り合いで、その縁でルークスにバイトとして関わりだしました。代表の斎木陽平のことも知っていましたが、当初はいけすかないやつだと思っておりました。面白そうなことをやっていましたが、小金でも稼げればいいやというノリでバイトとして関わりだしましたが、あれよあれよと取締役までなってしまいました。

 こうなったらもう引くに引けないですね。カオスな雰囲気が好きなので、巻き込まれ体質があるのかもしれません。いまでは、いけすかないと思っていた斎木ともとても良好な関係を気づいています。(意味深じゃない)

 斎木も嶺井もカオス成分が強めで、ひっちゃかめっちゃかですが、そういうのも好きなのかもしれません。まあ、実際にひっちゃかめっちゃかというのは組織運営上とても問題で、それを治めるのもとても困難で、面倒なんですけどね。(真顔)

 ルークスでは最初の頃は、新しく設立されたばかりのルークス高等学院の教員として採用されましたが、能ある鷹は爪を隠しておくことが出来なかったんでしょうね。ただ、いまでも人気講師として、高等学院の学生からは随一の人気を誇っています。何だか関わったきっかけはボリュームが少ないような感じがしますが、次行きます。

ルークスで何をしているか

 ルークスで何をしているかというと、取締役として会社の長期的な戦略を他の役員と議論しながら考えて言語化したり、コーポレート部門の副長として百戦錬磨のコーポレート部長の上保大輔を輔弼したり、学校事業部長として学校運営全体に目配せしたり、講師の一人として絶大な人気を誇ったりしています。

 まあ何というか「知っている人は知っている。知らない人は覚えてね」という感じですが、昔はそんなに小さくない問題がよく発生していたので、その問題を解決していくことからキャリアがスタートしました。レベル1のまま、ラスボスと戦うみたいなノリでさまざまな困難を乗り越えて気がします。そういう意味では、この会社はレジリエンスが高いなという感じがします。安心してください。いまは割と平和です。むしろ平和すぎて(?)という感じです。

 自分の整理のためと社員の皆様への共有も兼ねて具体的な業務をちょっと紹介します。社外の人にはその分野には知見があるのでアドバイスできるとか、同じ悩み抱えているので議論したいですとかそういうコメントいただければと思います。社員もその仕事興味あるから業務暇な時にでもお手伝いしたいなとか話聞きたいなというコメントくださいな。

 まず、取締役としての仕事ですが具体的には「理念の言語化と仕組み化」「中長期の成長戦略の構築」「合議による意思決定の実行」「会社全体の組織戦略の構想」などです。「理念の言語化と仕組み化」については、Loohcs志塾Loohcs高等学院という二つの事業を同じ会社として行うためにどのような理念を打ち出せばいいのかという点を議論することからはじめました。往々にして、事業部ごとに領分意識が生まれることがあります。会社内部の緊張感は大事ですが、それが行き過ぎると内部統治に労力が割かれてしまい、肝心な事業の発展が先送りになってしまうこともあります。そうした過度な対立が起こらないためにもメンバー全員が追い求める理念が必要になります。そのような理念を構想し、言語化するのがファーストステップです。言語化するだけでは不十分です。理念を追求することが会社の仕組みの組み込まれていなければ、理念は現実化しないからです。つまり、単にお題目で終わらせないことが肝心です。そして、仕組み化の先には身体化があります。つまり、意識せずに理念を追い求める行動が集団で取られるようになった時に文化が生まれます。文化とは、共有された身体的な振る舞いの総体のことをいうからです。まだまだLoohcsには文化といえるほどのものはないので、まだまだこれからです。

 「中長期の成長戦略の構築」は理念に基づいて計画されるべきものです。理念実現に向けて会社を成長させ、会社の価値を高めていくことが役員陣には求められることです。具体的には、何を指標として、どのような領域に、どのような方針で会社という生き物-organizationを育てていくのかが議論のポイントになります。BSやPLなどの財務的な知識、競合や市場環境についての分析、自社の強みや有効なリソースの把握、来るべき未来に対する仮説などさまざまな要素を考慮しなければなりません。正直、この議論に関しては端緒についたところですが、日々アイディアを出し合いながらブラッシュアップして行っています。

 ルークスでは「合議による意思決定の実行」を重視しています。それは意思決定者の暴走を防ぐため、そして幅広い意見を吸い上げるために行っています。正直なところ、社内全域にわたってこの合議による意思決定が実行できているかというとそうでない部分も多々ありますが、あるべき意思決定のあり方としてルークスでは合議による意思決定を原則としています。一般に、合議による意思決定は判断が遅くなるとも言われていますが、結果的には全員が納得した状態で実行できるほうが結果的に物事が早く進むのではないかと考えています。審議(立法権)と実行(執行権)は異なるプロセスなので、審議には時間がかかっても、実行がスムーズであれば結果的には物事が早く進むのではないかと考えます。

 審議を経て意思決定がなされたら、実行プロセスに入ります。実行するためには会社全体の組織戦略を考えて、必要なリソースを適切な部門に適切な仕方で配置すること、長期的な育成計画や採用計画を設計することが必要になります。いかにいい構想をしても、それを実行するオペレーションやロジスティクスが組まれていなければ悪戯に組織が疲弊するだけです。野中郁次郎らが『失敗の本質』で描いた日本軍の敗戦の理由も、この実行プロセスの弱さにあります。この実行プロセスの構築に関しても、私たちはまだまだですが、足腰を鍛えていって、盤石な実行体制を作り上げていきたいと考えています。

 うだうだ書いていたらかなり長くなってしまいました。とほほ。この調子で中流・下流のことを書いていくともうにっちもさっちもいかなくなるので、中流や下流の業務については別記事に回したいと思います。ベンチャーですので、一人が複数の役割を担うことはよくあることですが、それにはメリット・デメリットがあると思います。メリットは上流から下流まですべてのプロセスに携われることです。そのことで、会社の全体像と業務の全工程について習熟することができます。その一方で、マルチタスクとなってしまい、一つの業務にコミットすることが困難になることです。その結果、認知リソースが分散されますし、どうしても労働集約的な働き方になってしまいます。教育業界なんてなおさらです。ベンチャー企業に勤めたいという方は、以上のようなメリット・デメリットをおさえた上で会社を選ぶといいかもしれませんね。

ルークスを通じて何をしていきたいか

 2000字くらいを目安にしていたのですが、その倍以上の分量になってしまいましたので、ここはシンプルにいきたいと思います。ルークスを通じてやりたいことは、「まちをつくりたい」ということです。ここでいう「まちをつくる」は、いわゆる具体的な地域の街づくりのことではありません。ルークスというまちをつくりたいなと思っているのです。まちにはいろいろな人が住んでいて、いろいろな生業があり、風景があり、技術がはりめぐらされています。

 まちは、複数のアクターが絡まり合ってできる一つの巨大な生態系なのです。そして、わたしたちはまち無しでは生きられないという点で最も本質的なインフラです。僕は、無数のアクターが複雑に絡まり合った生のインフラストラクチャーのことをコモンズであると考えています。

 ルークスというまち=コモンズをつくること、それがルークルを通じてやりたいことです。まずはコモンズの中心でもある教育事業からはじまりますが、将来的にはまちづくりに関わるさまざまな事業を創造し、それらの事業がルークスというコモンズにおいて有機的に連関するようになればいいなと思っています。ルークスという一つのまちの住民として、わたしたちは互いに協力し合い、共に事物を創造するようなそういう世界が生まれたらいいなと考えています。具体的な構想に関しては、これもまた長くなりそうなので次の機会に回したいと思います。

 そんなこんなで長くなりましたが、一旦この物語には「、」を打って筆を置きたいと思います、

興味を持たれた方やざっくばらんに話したい方は、masato.taniguchi@loohcs.co.jpまで。社内の人はお気軽に話しかけてきてください。

[今回の記事担当]谷口 祐人
慶應義塾大学総合政策学部総代、および同大学院政策メディア研究科修士課程修了。現在、同大学院博士課程にも在籍中。Loohcs高等学院のコンセプトの設定やカリキュラム設計を経て、取締役に就任。取締役に就任後は、主に全社のビジョン・ミッションの言語化やLoohcsが「目指すべき教育」の形の言語化に携わる。

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