杉本@むにゅ10号

個人サイト*the long fish*管理人

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希望の行き先――映画『アリスとテレスのまぼろし工場』感想

はじめに 岡田麿里の作品が好きだ。と言っても、熱心なファンではない。  番組改編期になると脚本なりシリーズ構成なりを務めたテレビアニメがないかWikipediaをチェックするくらいはしている。作品を深く理解するよう努めてきたかと問われたならうなだれるしかない。どちらかといえば、この人のフェティシズムだとかドラマチックなところに惹かれてきた。  どういうわけか、今回は違った。映画『アリスとテレスのまぼろし工場』を鑑賞したのは九月十八日のことだった。それから私はずっと謎に悩まさ

    • 本の収納に最適なダンボール箱のサイズは390mm×225mm×155mmかもしれない

      結論 本の収納に最適なダンボール箱のサイズは 390mm×225mm×155mmだと思う。異論は認める。  幅と深さは菊判のサイズ、長さは四六判2冊に相当する。  私はアースダンボールの以下のページで、長さ 390mmを指定して買った。 なぜ、このサイズにしたか(読み飛ばしてもOK) 日本全国の読書愛好家のみなさま、こんにちは。  きっとあなたも「〇〇君はいつも本を読んでいてエライね! 何冊くらい持ってるの?」と訊かれてイラッとなり「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえて

      • 虚しい夢が人を励ます――模造クリスタル「スターイーター」感想

         模造クリスタルといえばウェブマンガ「金魚王国の崩壊」が知られているだろう。可愛らしいキャラクターがエキセントリックな言動をすることから生まれる、独特の世界観が印象的だ。小学生でも愉しめる物語でありながら、憂鬱や不安を抱えた主人公がたびたび描かれ、寓意を感じるセリフが多い。  二〇二二年二月に刊行された『スターイーター 模造クリスタル作品集』(イースト・プレス)は、模造クリスタルが個人誌で発表したものに加筆修正した三編と、描きおろしの一編から成る。  表題作の「スターイーター

        • けれど、迷いはずっとある――平庫ワカ『マイ・ブロークン・マリコ』感想

          ※平庫ワカ『マイ・ブロークン・マリコ』(BRIDGE COMICS/角川書店)の内容に触れています。結末まで言及していますので、未読の方はご注意ください。  書店の平台でみかけて「ああ、これってTwitterで流行っていたマンガだな」と思い、衝動買いした。  初めのページからラストまで、熱い感情表現にぐいぐいとひっぱられ一度も休むことなく読み終えてしまった。ストーリーをふりかえるうちに、シイノが魂の再生を遂げる過程が思いがけずロジカルに描かれていることに気づいた。  物語

        希望の行き先――映画『アリスとテレスのまぼろし工場』感想

          愛、さもなくば無

           前置きというか言い訳というか……我ながら馬鹿だなあと思うのですが……。  昨年参加したMYSCON11で「人狼」を初体験しました。それ以来「本格ミステリ風に人狼をアレンジするとしたら、どんなゲームになるだろう?」と考えるようになりました。  正直、何の役にも立たないことはわかっていたため考えたくなかったのですが、考えだすとこれが無性に面白い。うっかり就寝時に考えだすと、いつまでも眠れなくなり、これはいったんアウトプットしないと身がもたないと思うようになりました。  とい

          愛、さもなくば無