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【あがり症】“いい人”をやめないといけない

あがり症の方のための、
人前で話す練習会(あがラボ)を
主催しているロン毛です。


今回のテーマは、
「“いい人”をやめないといけない」
です。


社交不安障害、対人恐怖症の方は、
「他人からどう見られるか」を、
病的に気にします。


例えば、過去に、

・朝礼スピーチ
・会議や打ち合わせでの発言
・プレゼン、レクチャー

などの、人前で話す場面で失敗し、
それがトラウマになってしまった方。


そういった方は、
「人からどう見られるか?」に、
ビクビクするようになります。


このビクビク感は、ある意味、
人に備わった防衛本能みたいなもので、

もう二度と、同じ思いをしないために、
自分自身が“警戒モード”になっている証拠。


この、“警戒モード”に入ってしまうと、
人によっては、
“いい人”を演じるようになります。


今回は、そのことについて書きたいと思います。


“いい人”がもたらす害悪



「人からどう見られるか?」を意識すれば、
「人から良く見られたい」と思うのは当然のこと。


そして、「人から良く見られたい」という
目的を達成する手段として、

“いい人”を演じることは、
一見、役に立ちそうです。

(少なくとも、”いい人”を演じておけば、
 悪い評価は受けなさそう)


しかし、この”いい人”を演じることが、
あがり症をひどく悪化させます。


なぜなら、
自分へのネガティブな評価を避けるために、

“いい人”になるということは、
自分自身に嘘をつくということと同じだから。


どういうことかと言うと、
例えば、仕事のワンシーン。


上司などから、
「これ、明日までにやっとってくれへん?」と、
仕事の指示を受けたとします。


そういった時に、もし自分が、
別の急ぎの仕事で手が離せなければ、本来、

「今、別の急ぎの仕事で立て込んでいるので、
 難しいです。」

「今やっている仕事を、別の人に振ってもらえたら
 対応することはできます。」

といった、返答をすべきでしょう。


しかし、ネガティブな評価をおそれて、
“いい人”になれば、

「できない」という本心を主張できなくなり、
相手の要求を優先するようになる。



こうなってしまえば、
自分を騙しているのと同じです。


そして、この「いい人」で居続けることが、
自分を蝕んでいく。


「いい人」でいるためには、
自分の本心に噓をつき続けなければなりません。


人は、自分の本心に嘘をついて行動するのには、
膨大なエネルギーが必要。


だから、いい人でいればいるほど、
どんどんエネルギーが奪われていく。


さらには、
本心に嘘をつき続けている自分に対して、
不甲斐なさを感じて、そのことにも苛まれます。


他者の要求に応えてばかりの自分に
無価値感を感じて、自分肯定感も失う。


そして、人というものは、
自分で自分を肯定できなくなれば、
他人からの肯定を頼りにしたくなるもんです。


そうなれば、他者から肯定してもらうために、
やっぱり、”いい人”でいなければならない。


こうなってくると、悪循環ですね。


挙句の果てにたどり着くのは、

自分の人生のコントロール権を、
他人に渡してしまったように感じて、
誰の人生を生きているのか分からなくなる、


という状態です。


ちなみに、この状態は、
「人から見た自分はどうか?」
ばかり、病的に気にしている状態。


こんな状態になってしまえば、
人前で話す時に、
凄まじく緊張するのは当たり前です。



いい人なんて、やめてまえ!



「すべての感情には意味がある」
という言葉があります。


私の経験と照らし合わせても、
本当にそう思いますね。


感情や、本心を押し殺すということは、
自分の中で戦っている状態だと思います。


しかも、戦っても絶対に勝つことはできない。


ですから、
社交不安障害、対人恐怖症の方で、
感情や、本心を押し殺し、

“いい人”を演じてしまっている方は、
それをやめましょう。


“いい人”をやればやるほど、
自己肯定感が下がって、人の目が気になり、
緊張すること間違いないですからね。



とは言え、
いきなりやめるのも難しいと思います。


そういう時は、
スモールステップがいいかも知れません。


まずは、

・「分からない」ことは「分からない」と言う。
・「Yes」、「No」を言う。
・自分の気持ちを正直に伝える。


こういったことから
始めてみてはどうでしょうか。


こういったことをやってみて、
「主張しても、大丈夫なんだ」という
成功体験が得られれば、
緊張が少しづつ緩和されるし、自信もつきます。


そして、自分の主張が通った時には、
自分にコントロール権が戻った感覚になり、
自己肯定感も高まります。


自己肯定感が高まるということは、

「人からどう見られるか」の
意識を薄めることにもつながりますから、

あがり症の改善にも役立ちます。


最後に



過去の私もそうでしたが、

「“いい人”であることが、
 人から良く思われるための秘訣」

と思っている方は、いるでしょう。


しかし、実はそうではない。


”いい人“の仮面を外して、
お互いの主張をぶつけ合うことによって、

相手への理解が深まり、
親しくなっていきますからね。


裏返せば、人からの評価を恐れて、
自己主張しない、ただの“いい人”は、

悪く言えば、
“どうでもいい人”になってしまいます。


“どうでもいい人”は、
周囲から尊重されることはありません。



仕事を押し付けられたり、
適当な扱いをされたりするといった、
好ましくない状況を招きます。


だから、いい人をやめないといけません。


今回は以上です。


私の体験談が
皆さんのあがり症克服の
お役に立てれば幸いです。

(関連リンク)
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