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【あがり症】身体感覚が感情を生むという話

あがり症の方のための、
人前で話す練習会(あがっていいとも!)を
主催しているロン毛です。


あがり症の方が、人前で話す時。


無意識レベルで、身体が緊張してしまいます。
(これは、脳の一器官である”扁桃体”の働き)


この時、”心臓のドキドキ”といった
身体反応を感じると、
自動的に不安の感情が生まれます。


この不安感情は、極めて不快なもの。


だから、不安感情を無くそうとしたり、
自分を落ち着かせようと、
あがり症の方は試行錯誤するわけです。


しかし、感情をコントロールしようとしても、
それは相当に難しい。


今回は、そのことについて書きます。


楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しい


この言葉、
聞いたことのある方もいるかも知れません。


哲学者であり、心理学者でもある
“ウィリアム・ジェームス”の言葉です。


「笑っている」という身体感覚が、
「楽しい」という感情を生むということですね。

(身体感覚)    (感情)
 笑っている →→→ 楽しい




この、身体感覚が感情を生むことは、
脳の研究によって、明らかにされています。

・情動が生じたあと感情ならびにその感情と関係する思考が生じる

・情動の原因になるような思考が心に生じると、それが情動を引き起こす。ついでその情動が感情を生み、今度はその感情が、主題的に関係していてその情動状態を増幅しそうな別の思考を呼び起こす。呼び起こされた思考は、新しい付加的な情動に対する独立した誘発因として機能し、それにより現在進行中の感情状態を高めるかもしれない

(※情動とは、身体反応を伴う、一時的で急激な感情の動きのこと。)

感じる脳
/アントニオ・ダマシオ

・ヒトは血管からも、環境に関するその他あらゆる種類の情報を受け取っている。血管がクラゲのようにゆったりと拍動し、温かさと良好さの感覚がからだ中に行き渡ると、ヒトはリラックスし開放的な気分になる。血管と内臓が収縮していると、寒く不安に感じる。

・筋肉や内臓が危険に反応するために構えると、自分は何か恐怖を感じているとこころが教えてくれるということだ。

体に閉じ込められたトラウマ
/ピーター・A・ラヴィーン


少し難しい言葉が並んでいますが、
ひらたくいうと、

人の脳は、身体感覚に紐づいた
感情や思考を作り出す
ということなんです。


例えば、運動をして汗をかいた後には、
スッキリ気持ちがいいです。

(身体感覚)       (感情)
 運動して汗を流す →→→ 快・スッキリ




では、人前で話すような
緊張する場面ではどうなるか?

(身体感覚)      (感情)
 心臓のドキドキ →→→ 不安



あがり症の方にとって、
緊張時の身体反応と、不安感情は紐づいています。


なので、身体反応を感じた時に、
自動的に不安になってしまうんです。


感情をコントロールしようとすれば、余計に不安になる


前段で書いたように、

身体反応を感じて、
不安になるのは、当然のこと。


で、当然に起こるものを
無くそうとしても、それは難しい。



むしろ、私の経験上、
感情をコントロールしようとすれば、
逆効果になります。


どういうことかというと、脳(扁桃体)は、
「感情をコントロールしないといけないような、
 “危険な状況”に置かれている」
と、
反応してしまうから。


その結果、緊張がさらに高まってしまう、、、


ですから、感情を
コントロールしようとしてはいけません。


コントロールを手放し、
受け入れることが大切です。

コントロールを失わない最上の方法は、コントロールしたいという欲求を手放すことなのです。ですから、自分で自分をコントロールしようとしがみついていたり、自分の気持ちを押しのけようとしたりしているのに気づいたら、そういうことを全部手放して不安という穴の中にまっすぐに落ちていってごらんなさい。そうすることで緊張が解け、対処しやすくなります。

不安神経症・パニック障害が昨日より少し良くなる本
/ポール・デイヴィッド


「コントロールを失わない最上の方法は、
 コントロールしたいという欲求を手放すこと」



禅問答のような言葉ですが、
このことは、
私の経験と照らし合わせても、間違いないです。


私は、コントロールを手放すようにした結果、

コントロール感が得られるという
体験をしましたから。

(関連リンク)
扁桃体にとっての嫌悪刺激を考える


最後に告知


あがり症・社交不安障害の方の
スピーチ練習会をやっています。


(開催予定日)
・7/14 オンライン
・7/28 オンライン


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私の体験談が
皆さんのあがり症改善の
お役に立てれば幸いです。

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