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知らないとヤバイ!!スタートアップ・ストックオプションの真実

皆さんあけましておめでとうございます!!
株式会社ログラスの布川です。

スタートアップに年末も年始もないのですが、やはり新年というものは気持ちが新たになりますね。

そんな中で、スタートアップへの挑戦を検討していたり、起業を検討していたりする方もいらっしゃるのではないでしょうか?

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今回は、シードスタートアップ起業家の独自見解という前提ではありますが、スタートアップに転職する際に気になるストックオプション(以後、SO)について、個人的な見解をまとめてみたいと思います。

はじめに記載しておきますが、SOの考え方は千差万別です。そもそも発行しないという会社もありますし、沢山配るという会社もありますし、そこに偏りがあることもあります。

また、成功しなければそもそも紙屑も同然なので、スタートアップにおけるSOはまさにスタートアップの光と影の象徴といえるでしょう。

今回は敢えてポジショントークということで、布川の現時点での意見をハッキリ記載します。なので、賛成・反対の意見は是非言って頂ければ幸いです。

SOを目的にスタートアップにジョインすべきか

SOはあくまで適切なリスクに対するインセンティブでしかなく、スタートアップに挑むことに対する本質にはなり得ません。

事業を始めて感じますが、スタートアップ成功までの道のりは通常は途轍もなく長く険しいです。毎日必死に成功に繋がるアクションをこなし続けなくてはなりませんし、先の見えない戦いに自分達を鼓舞する必要があるタイミングもあるでしょう。

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もしお金が欲しいだけなのであれば、もっといい方法は沢山あります。

私はあくまで、スタートアップに挑戦するモチベーションの源泉はビジョン共感働く仲間とのアツい日々であるべきだと思っています。

そうでなければ、失敗した瞬間にその挑戦は無意味だった・・・ということになってしまいますし、そういったモチベーションの方はスタートアップに向いていません。

実際に、周りのレイタースタートアップ(上場直前)でも、大量のSOを持っていて、上場したら数千万円にはなるのに退職する優秀な人材が後を絶たないということを聞いています。

これは一重にSOがモチベーションにはならないということを示唆しています。単純に考えれば、SOで得られる数千万円を現金化するのにはさらに数年かかるということ、そこに費やす毎日を新しい挑戦に費やした方が自分の将来価値に結び付くと判断されてしまっているに他なりません。

つまり、スタートアップ側もSOをモチベーションに入社を促せば将来の離職に繋がり、求職者側も上記のような事態が近い将来起こることを容易に想像できるということになるかと思います。

しかし、ビジョンに共感して、働く毎日が楽しければそれでいいのか?というとNoだとも思っていて、やはり共に修羅場をくぐるであろう仲間達には成功した時の報酬もちゃんとルールに則って分けるべきです。

それを体現するものが、SOというものだと私は思います。

SO億万長者は夢か現実か?

こうした数値の議論はファクト集めが非常に重要なのですが、noteが本業ではないので、他のリサーチ結果を頼らせて頂きました。

今回は、FASTGROWさんの2017年頃の記事を参考にしました。

なお、結果的に上場している一定成功した企業が母集団になっている点は頭に入れて頂きたいと思います。

さて、SO億万長者は夢か現実か?という点に関して結論を述べると、SO億万長者は現実になり得る。ということだけは先に言っておきます。

その前に、SOに対する考え方を整理していきたいと思います。

Exit時のSO比率はどれぐらいなのか?

FASTGROWさんが調査されている、以下の企業における創業メンバー以外の上位10名のSO保有比率が集計されています。

株式会社LITALICO
株式会社Gunosy
株式会社LIFULL(上場時社名:株式会社ネクスト)
株式会社アカツキ
株式会社アトラエ
株式会社イトクロ
株式会社エス・エム・エス
オイシックス株式会社
株式会社カカクコム
株式会社クラウドワークス
グリー株式会社
株式会社コロプラ
株式会社ディー・エヌ・エー
株式会社フリークアウト・ホールディングス
弁護士ドットコム株式会社
株式会社マイネット
株式会社ミクシィ
株式会社メタップス
株式会社ユーグレナ
株式会社ユーザベース
株式会社リブセンス
株式会社レアジョブ

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注:従業員上位10名のSO割合分布。グラフの1区間の幅は0.12
参照:上場前ベンチャーでストックオプションをもらえば億万長者になれるのか?

この調査によれば、上位10名つまり、上場会社22社220名の従業員が保有していたSO比率の統計は以下のような数値になっていたとのことです。

平均値は0.34%、中央値で0.185%であった。平均値が中央値を上回っているのは、取締役を除いた従業員の中でも1%を超える比率を保有している人と、0.1%前後の保有にとどまっている人など、ばらつきが大きいためである。(執行役員は従業員に含まれる)

実際、保有比率が平均値の0.34%以下であった人はサンプル220人のうち153人であった。

これは起業家・求職者双方において検討すべき資本政策において非常に重要な数値です。

勿論これは上位10名の統計なので、ジョイン時期が従業員数20名50名・・・となっていけば比率は下がっていきます。スタートアップからすればリスクを取る人、優秀な人にSOを多めに配分するのは当然です。

大企業にいた方からするとシードもシリーズAもBも変わらないかも知れませんが、全然違います。売上もまだない時期と売上が1億円ある時期では物凄い差です。それを理解するのに一番役に立つのが、調達ラウンドや従業員数なので、これを基準に資本政策を組むスタートアップは多いと思います。

SO比率の高い低いの感じ方は人それぞれですが、私の正しいと思う実感値からもそれほど乖離していません。

その理由を以下に述べます。

SOはそもそも無限には配れない

意外にもこの大前提を知らない人が多いのですが、一般的にSOを配れる比率は上場等のExitを目指す上では制約が課されることが多いです。

その制約は比率にして最大でも10~15%

発行済株式総数+SOに対するSO比率の合計がこの水準を上回らないように投資家と契約することが多いため、起業家は無限にSOを発行することはできません。

税制適格要件等の話も含め、AZXさんの記事は非常に参考になりますので、一読をオススメしますが、ここで重要なのは以下の文言。

法律上の制限はありませんが、上場実務上、発行済み株式総数の10%以内、多くても15%以内が望ましいとされています。

上場直後に多数のストックオプションが行使されて株式数が大量に増えると、株式価値の大幅な希薄化を招き、株価の安定性が害される懸念があるという点によります。そのため、上場後の株価安定性確保の観点から、主幹事証券会社の指導によりストックオプションの比率が上記の範囲内となるようにされることが一般的です。

SOプールは最後の切り札

ここからが個人的見解になって参りますが、SOは株式も同然かつ将来採用できるであろうハイパー優秀な人達に提示できる最後の切り札であることは正直否定しようがありません。

スタートアップに挑戦するモチベーションの源泉はビジョン共感働く仲間とのアツい日々であるべきだと思っています

とか言っていたのにいきなり自己矛盾しているように感じられる方もいらっしゃると思います。

では、もしビジョン共感もあり働く仲間も最高な2社のスタートアップからのオファーが目の前にあり、どちらも成長可能性がとてもありそうだとします。その時にスタートアップがさらに提示できるのは、なんでしょうか?
色々あるとは思いますが、その1つが成功後の分け前の多寡なのです。

8705135-リップル青緑色の水の背景付きのスイミング-プール

また、SOプールが残されているということは、
→会社の成長のキーマンをまだこれから採用して分け前を渡せる
→まだまだ成長するためにスタープレイヤーを採用するぞ
という気概の意思表示となります。

そうなれば、まだまだ成長に人が必要なのにも関わらずシリーズA頃までに配り尽くしてしまいました!!という会社があったとしたらそれは明確に戦略ミスであると言わざるを得ません。

SOをジョインラウンドに応じて配分する

さらに私見を重ねていきますが、SOは基本的にはジョインしたラウンド(時期)と発揮する役割・活躍に応じて傾斜がかけられるべきだと思っています。

弊社の具体的なロジックは、現時点では話を聞きにきてくれる方の中で入社意思がある方にだけお話していますが、ざっくりとした考え方は以下の通りです。

【傾斜のかけ方】
ジョイン時期×入社後の活躍

【ジョイン時期の考え方】
シードラウンド(1~15名)
→創業メンバーとして高いリスクを負ってジョインしているため、入社後に想定される活躍に基づき、一定の付与率を約束する

シリーズAラウンド(16名~50名)
→初期メンバーとして一定のリスクを負ってジョインしているため、シリーズBまでのラウンドまでに一定のバケツの範囲内で人事評価に基づいて付与を行う

シリーズBラウンド(51名~150名)
→A同様

シリーズCラウンド以降(151名~)
→付与は行うものの比率は小さい、CXO等のマネジメントクラスについては別途検討

当然こんなにざっくりはしておらず、各ラウンドごとに付与率を決めて資本政策を策定しています。

1つだけ言えるのは、弊社におけるSO付与率というのは何も毎回ノリで決まるようなものでは決してなく、このように入社タイミングと活躍可能性(および活躍結果)によって決まるということです。

非常にざっくりした言い回しにはなってしまいますが、もし150名にSOを12%の範囲で配りたい!!となると、1名当たりの比率は0.08%となりますので、先ほどの上場企業22社の上位10名のSO比率の中央値が0.185%であったのもあながち的外れではないことがご理解頂けると思います。

で、SOって夢あるの?

先ほど参照したFASTGROWさんの記事によれば

対象22社の、上場から2年以内(上場から2年経過していない場合には上場から17年4月20日まで)の時価総額の中央値を用いて、各企業がその時価総額の際、0.34%の株式がどの程度の資産価値なのか算出し、22社の平均値を取ったところ、約1億9400万円となった。

とあります。これは中央値の0.185%に直すと約1億円程度の資産価値になっているということになります。

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この結果には私も驚きました!!つまり創業間もない段階でジョインしたスタートアップが仮に成功して上場まで漕ぎ着ければ、億万長者になれる可能性はあるということです。
※当時、尋常じゃなく株価が上がっていたソーシャルゲーム系がバリュエーション平均を引き上げている点は補足しておきます

最初に述べました通り、スタートアップに挑戦するモチベーションの源泉はSOや億万長者であるべきではありませんが、従業員に報いる用意があるスタートアップにジョインして成功すればちゃんと見返りが得られる可能性は十分にあるという点を強調して今回は終わりたいと思います。

Loglassはまだシードラウンドのスタートアップです!!

Loglassはまだシードラウンドです!!!!SOもしっかりと付与できるように検討を重ねています。

まずはビジョンや世界観について一度お話しましょう!!!

野心溢れる皆様の応募をお待ちしております。

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