「論理的思考法」クイズ！【第２問】「一律に５人以上は駄目だと申し上げているわけではない」

政治家発言の「コント」

日本の政治家は、いつから「お笑い芸人」になったのだろうか？　彼らの発言を聞いていると、まるで「コント」である。コメディアンが観客を笑わせようと意図しているのであれば理解できるが、彼らは国会や委員会や記者会見において公式声明を発しているのである。もはや、幼い子どもたちからさえ、大笑いされるレベルではないか！

読者は、次の発言をどのように思われるだろうか？　その発言のあった状況を改めて確認した上で、なぜ「コント」になるのか、どこまで非論理的なのか、いかに日本語が破壊されてしまっているのか、自分自身の頭でよく考えて、発見してほしい。「論理的思考法」のよい訓練になるはずである。

「一律に５人以上は駄目だと申し上げているわけではない」

12月16日、西村康稔・経済再生担当大臣は、衆議院内閣委員会で、会食について「一律に５人以上は駄目だと申し上げているわけではない」と述べた。

その前提として、次のような状況があった。12月14日、菅義偉首相は、新型コロナウイルスの感染対策を国民に呼びかけ、「GoTo トラベル」を12月28日から2021年1月11日まで全国一時停止することを発表した。それにもかかわらず、14日夜、菅首相は、自民党幹事長・二階俊博氏、プロ野球ソフトバンク球団会長・王貞治氏、俳優・杉良太郎氏らと８人で「忘年会」を行っていたのである！　彼らは、高級ステーキ店の鉄板を囲むカウンター席に並んで座って会食し、そこにはアクリル板も会食時マスク着用もなかったという。

首相が二階氏と会食　杉良太郎さんら同席、コロナ話題に上らず

西村氏は、新型コロナ対策担当大臣でもある。それまで西村氏は、「クラスターの８割以上」が「５人以上の会食」で発生していることから、国民に「５人以上の会食を控える」ように呼びかけてきた。ところが、菅首相の会食について内閣委員会で質問されると、「一律に５人以上は駄目だと申し上げているわけではない」と返答したわけである（笑）！

5人以上の会食、一律で駄目とは言っていない＝西村再生相

なぜ西村氏は、これほどまでに信じ難い「詭弁」を弄さなければならないのだろうか（笑）？

ヒント：「一貫性の欠如」・「非整合性」・「長い物には巻かれろ」

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