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教員として働くということ

教員はブラックだ。教員に新卒カードを切るな。X上でもそんなコメントをよく目にする。公務員は安定と言われた時代、私たちの親世代から時代は打って変わって教員にならないことを推奨する声が多く聞かれる。

実際、教員の成り手は減ってきている。就職氷河期世代と言われた頃は採用試験の倍率は50倍を超えたと言う。それに対して現在はどうだろう。自治体によっては既に定員割れを起こしているところが見受けられる。

ニュース記事でも「新年度は目の前なのに先生がいない」と言う見出しが目に止まった。臨時教員を2000人募集するという。

大学卒業後、私も教員として働いてきた。
結論から言うと、教員として働いて良かったと思う。現在は民間企業へ転職したが教員という仕事に不満があったからではない。異なる業界を知り、異なる経験やスキルを積んでいきたい思いがあったからだ。

これから教員を目指す学生さんに、このnoteを読んでいただける機会があれば嬉しく思う。


1 教員の仕事って?

教員と言うと、授業や生徒指導のイメージが強いと思う。大学時代の教育実習も児童と触れ合ったり、メンバーと一緒に教材研究をして指導案(授業案の構想)を作って授業をしたりする。
実際に新卒で仕事を始めてギャップが一番大きかったのはここだ。
授業や教材研究、児童との関わりが仕事の大部分であるべきところが、教員の仕事は事務系?と言わんばかりの事務処理がある。
教育委員会への提出資料や学校内での提案文書、提出文書…テトリスのように上から上から次々と仕事が降ってくる。マルチタスク能力が求められるのは言うまでもない。

教員の仕事といっても多岐にわたる。ユニークな仕事としては、ダンスの振り付けを考えたり、パソコンやタブレットのエラーや故障を直したり。修学旅行や遠足の下見に行ったり。様々な仕事に携わることができる。
同じような毎日も子どもがいるから、異なる刺激を受けることができる。教員界隈では授業は生き物、と言われるが子どもの反応で、授業が変化していくから面白い。

教員として働くことの厳しさ

授業も学級経営も子どもたちに「この先生は(この先生の授業は)魅力的だ、面白い(分かりやすい)」そう思ってもらえるように日々、ブラッシュアップが必要である。授業作りの研修に参加したり、本を読んだり…。
そして、信頼関係づくりを構築する力も学級経営に大きく関係する。教員の仕事は特に4月が大変であるがその理由の1つが信頼関係がない状態で学級経営をこなさなくてはならないからである。
簡単な話だ。信頼関係が全くない状態の人物の言うことを子どもが聞きたいと思うだろうか。
身に付けようと思って、すぐに身に付けられるものではないから難しい。

教員として働くことの醍醐味

ありきたりな言葉にはなるが、1年間を通して子どもの成長に関わることができるのはこの仕事の醍醐味だと思う。私には子どもがいないので保護者の方の想いをあくまで「想像」しながらこの教員という仕事に携わってきた。1年を通して子どもたちと過ごすと「愛しさ」を感じるのである。出会いと別れ、3月になると1年間一緒に時間を共にしてきた思い出が蘇る。子どもたちと過ごす時間は本当に尊い。

教員のちょっとした魅力

上記の醍醐味とは少し異なる観点から。
教員として働いていてよかったなぁ。と感じる瞬間。それは夏休み、冬休みなどの学校が休みになる期間である。勿論、夏休みも研修や新しい学期に向けての準備、教材研究の仕事があるが、全体での出勤がない日には休みが取得出来るので、旅行が好きな私にとっては、連休を取得出来る大きなチャンスであり、教員として働くことの魅力を感じていた瞬間であった。

2 教員になって苦労した話


教員となって数年が経ち、転職を考えた私にとって、教員というバックグラウンドは大変厳しいものであった。
公務員から民間への転職は厳しいとは耳にしていたものの、ここまでとは。初めのうちは書類選考もなかなか通らなかった。
転職エージェントにさえ、「教員からの転職は厳しいです」と言われる始末。

求人を見るも、対法人の営業経験2年、など民間企業で働いていることを想定して書かれたものが多く、教員からの転職がいかに厳しいかを悟った。

何が悪さをしたかと言うと、民間で働いた経験がないからこそ、資格を持っておくべきところを資格すら持っていなかったことだ…
恥ずかしながら、私が唯一持っていた武器は英語のスキルのみ。
資格があればOK、と言うほど甘い世界ではないが、持つべき武器を持つことに越した事はない。

学生さんで、もし教員を目指される方がいれば(転職を視野に入れている方は)資格取得のことは是非視野に入れて頂きたい。
経験、ベースの転職市場では資格を持たない教員からの転職は本当に難しい。

3 まとめ

教員として働くことのよさ、そして厳しさ両方の面からnoteを書いてみた。

「教員は世間知らずだ」そのように書いてあるものも目にしたことがあるが、一緒に働く同僚の先生方は本当に魅力的な方が数多くいらっしゃる。教員の仕事は多岐に渡るからこそ、マルチタスクな方が多く、子どもたちを惹きつけるような「魅力」を持っている方が多いのである。教員の仕事は確かに大変で、ブラックを謳われることも少なくはないのであるが、それぞれの仕事に大変さはあると思うので、教員の仕事は大変だ、と一概に言えないのもまた事実。後に転職する際に、Open Work などの口コミを見て民間企業の大変さを目にすると、スポットライトが当てられていないだけで、大変な仕事や会社は世の中にごまんとあるのだと思った。上記はほんの一部で、教員ならではの魅力も沢山ある。

かなりコアな内容ではあるが、「教員の世界」を少しでも知って頂けたら、幸いである。



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