12.17

君が歌う
私の隣で君が歌う
行けなかったクラスの集まりも
誘われなかったグループの溜まり場も
全部受け止めて握るように歌う
上手いとか下手とか関係がなかった
いつかに見たこれから流行るだろうと謳われてた歌を
君が歌ってる
君が歌う
私も歌う
なにか言おうとして口を窄める君が
1番綺麗に見えたなんて言えずに
私は最後まで呑んだジュースを片手に手拍子をする
これが君と最後の日だ
なんとなく決めてしまう
二度と会えない境を
自分でキャクダツしてしまう
哀れだなあ
そんなことを帰り道の砂利で思ったりして
ずっと続くと思ってた橋が
途中で分かれ目があったことを知るように
私は、あの歌を口ずさんだ
余韻といったらそこまでなんだけど、
君は、私が消えても消えない気がした
手に持った鍵を私はその川に捨てた
海だったかもしれない
湖だったかな
そもそも湖の上に橋はあるのか、
気づいたら汽車に乗ってて
絵本の中の汽車は黒かったのに
私は黄色い汽車に乗ってた
どこに行くんだろう。
私は君を忘れられないでいた
また逢いたいなぁ。
と、駄作が並ぶ卓上で窓越しに
見つめる雀に語りかけてしまう
そういや、先生はコイツを食べるんだよな。
と、呟きながらそれの輪郭を描く。
君を描いていた時が昔のように

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