見出し画像

ウエキトシヒロのサクめし #2「ほっこりトロリな冬に食べたい一汁二菜」

こんにちは! 長野県佐久市出身の料理家/フードスタイリストのウエキトシヒロ(@utosh)です。

すっかり寒くなりましたね…。冬に食べたい料理はみなさんそれぞれあると思いますが、僕の場合は「こっくりとした深みのあるあったか料理」です。肉じゃが、シチューなど、定番の料理もいいですが、秋~冬にかけて旬を迎えるサツマイモを使った料理は特にオススメ! 甘くてほくほくで栄養満点な上に、鮮やかな紫色と黄色が食卓を華やかにしてくれます。

昔、長野県はサツマイモ栽培に不向きな土地だといわれていましたが、今は土壌改良によっておいしいサツマイモが生産されるようになりました。地元産のお野菜もどんどん日々の料理に取り入れたいですね!

今回は、そんなサツマイモをメインに使った一汁二菜を紹介します。もちろん、ぴんころ食の5つのポイントを押さえた作り方で、サクっと簡単・健康的な「サクめし」ですよ。

画像1

※「ぴんころ食」「サクめし」ってなに?と思った方は、こちらをご覧ください!

さて、今回の献立はこちら!

「ほっこりトロリな冬に食べたい一汁二菜」

画像3

〈主菜〉
豚肉とサツマイモのレモン煮

〈副菜〉
エノキタケの佃煮

〈汁物とごはん〉
レンコンのすり流し汁
白米

+ + +

豚肉とサツマイモのレモン煮(2人分)※写真は1人前です

画像3

サツマイモの定番料理の一つ「サツマイモのレモン煮」。そのままだと副菜のイメージですが、豚肉を入れるとしっかりとしたメイン料理になります。

【材料】
サツマイモ 中サイズ1本(200g)
レモン 1/4個程度
はちみつ 大さじ1
水 100ml

〈調味料〉
しょう油 大さじ1
レモン汁 大さじ1

サラダ油 小さじ1程度
豚肉(薄切り) 180g


【作り方】
(1)サツマイモは7mm程度の輪切りに、レモンは薄切りにする。サツマイモは切ってすぐ水にさらすことで変色を防ぎ、味をしみ込みやすくする。

画像4


(2)鍋に水と1と調味料を入れ、蓋をして10分中火で煮込む。

(3)煮込んでいる間にフライパンでサラダ油を熱し、豚肉をさっと焼く。豚肉は後で煮込むため、この時点ではまだ半生状態でOK。このとき火を入れすぎない方がやわらかく仕上がる。

画像5


(4)2に3を入れてよく混ぜ合わせ、豚肉にしっかり火が通ったら完成。


イメージは、肉じゃがのサツマイモバージョン。甘じょっぱい味つけに、レモンの酸味とサツマイモのほっくり感が加わって、大人から子供まで好きな味だと思います。冷めてもおいしいので、お弁当にもオススメですよ!

+ + +

エノキタケの佃煮(2人分)※写真は1人前です

画像6

長野県はきのこの生産量が全国トップクラスだって知ってましたか? 特にエノキタケは生産量日本一で、僕も昔からよく食べていました。お味噌汁に入れることが多いですが、今回は佃煮風に味つけして副菜に。油なしで作れてヘルシー&おいしいです!

【材料】
エノキタケ 1パック(200g)

〈調味料〉
しょう油 大さじ1
みりん 大さじ1
お酢 小さじ1


【作り方】
(1)エノキタケは根元を切り落し、2等分する。

(2)フライパンに1と調味料を入れ、中火にして炒め合わせ、水分にとろみが出て火が通ったら完成。


このレシピは味がシンプルなので、お好みで一味や山椒を少し振ってみるとパンチが出ていいと思います。塩味は足さずにスパイスで食べ応えをアップするのは、サクめし的に重要なポイントです!

+ + +

レンコンのすり流し汁(2人分)※写真は1人前です

画像7

すり流し汁の種類はいろいろありますが、中でもレンコンはオススメ! シャキシャキ食感が一転、すりおろすことでとろっとまろやかになって体の中からあったまります。今の季節、乾燥しがちな喉にいい食材なので風邪予防にも効果的です。

【材料】
レンコン 100g(1節程度)
水 600ml

〈調味料〉
しょう油 小さじ1
お酢 小さじ2
顆粒だし 小さじ1
塩 ひとつまみ

長ネギ(青い部分) 少々


【作り方】
(1)レンコンは皮をむいてすりおろす。

(2)鍋に水と1を入れ、中火で熱し沸騰させる。アクを取りながら混ぜ合わせ、とろみがでてきたら調味料を入れ、塩で味を整える。

(3)長ネギの青い部分をみじん切りにしたものをトッピングして完成。


茹でたり煮たりすると水に栄養が流れ出してしまうレンコンですが、すりおろして汁ごといただくこのレシピなら、栄養をもれなくとれちゃいます!
最後に塩を加えるのは味見をしてから。足りないなと思ったときだけ少し足すのが、適塩調理のコツです。

+ + +

いかがでしたか?
普段の料理にレモンやお酢などの酸味を加えると、塩分ひかえめでも味が引き締まって、さっぱりおいしく食べられます。ぜひ試してみてください!

+ + +

今回の献立は、裏テーマとして「サツマイモ・エノキタケ・レンコンを定番以外の食べ方で」ということを意識しました。副菜にしがちなサツマイモを主菜に、汁物にしがちなエノキタケを副菜に、主菜・副菜にしがちなレンコンを汁物に…。こんな風に食材をローテーションすると、レシピの幅も広がって食材を余らせてしまうこともなくなりますよ! これは野菜を自宅で収穫したり、お隣さんからもらったりする田舎暮らしの知恵です。旬を逃さず食べるために、きっといろんな家庭料理が生まれてきたんですね。

特に長野県の特産物エノキタケは、僕にとって親しみ深い食材ですし、みなさんのお家の冷蔵庫に入っている確率も高いと思います。素材の味にくせがない分、いろんな調味料と相性がいいので、主菜・副菜・汁物とオールラウンドで活躍してくれるはずです!


【PROFILE】
ウエキトシヒロ

長野県佐久市出身の料理家/フードスタイリスト。“普段の料理は健康のためになるものを”という考えのもと、手軽に楽しく作れて、不足しがちな野菜がとれるレシピを、日々SNSを中心に発信している。著書に『とりあえず野菜食BOOK』『盛りつけエブリデイ』『在宅楽飯100』がある。

▶Instagram:@utosh
▶Twitter:@toshihiro_ueki

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?