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プロに聞けよ田中

私の友人は20代前半ごろから、結婚したいと言っている。
そしてそれは30代半ばにさしかかる今でも続いている。
私は結婚についてはどっちでもよかったので特に私から話題にすることは無く、彼女が結婚の話を始めると、結婚を望む理由と、結婚相手に求める条件などの話を延々聞くことになる。
そして私にも何か力になれることはないかと、数日内に1〜2人ほど紹介するのである。

彼女に紹介した男性の人数は15人以上になるが、
その中でお付き合いに至った人数は2人で、結局のところ実を結ぶことはなかった。
彼女自身もマッチングアプリなどでゆるく恋人探しをしていたようだが、付き合うに至ることもなかった。

彼女が結婚したいと言い出してから、10年以上経つが、良くも悪くも彼女を取り巻く環境(仕事、交友関係、住環境など含む)は、何も変わっていない。
彼女の結婚したい理由も条件もまた変わっていない。


なんで私結婚してへんの?ってゆうか彼氏もできてへんねんけどなんで?
とことあるごとに私に聞くのである。
10年このなんでを聞き続けてきた私の答えは、
知らんわそんなん。
である。

しかし知らんとは言いつつ、なんとなく原因がわかる気もする。
・30代半ばの現在、実家暮らし
 (理由:特に実家を出る理由がない)
・レギュラーと不定期のバイトを掛け持ち
 (理由:特に現状の給料や業務内容に不満がない)
・特に趣味も特技もない
 (理由:ミーハー)
そう、彼女は立派な子供部屋おばさんになっている。
私の彼女の関係は割とオープンなので、
上記の事柄については、私は再三言及している。

とりあえず家出てみたら?
とりあえず資格とか取ってみたら?
とりあえずなんも変わってないってやばいから。



歳を重ねる過程で、
挫折することもあったり、成功することもあったり、切磋琢磨する同僚たちの間で己を成長させ、未熟で弱い自分の側面を理解し、考え、努力する中で価値観や自尊心を育てていくのが人間ではないのかと思う。
「人間は考える葦である」というパスカルの言葉のように、人間たるもの本能のままにではなく、欲求を満たすためにあらゆる方向から物事を考えて、成し遂げてゆくのではないのか。


ある日例の如く、なんで私結婚できひんのと聞かれた際、もう私に聞かんといてと言ったことがある。
すると彼女は、結婚した先輩やから聞いてるんやんと言った。

違う。

田中には結婚した事実しか見えていないのかもしれない。
ただ、マラソンとは違うのだ。
走るという方法だけでゴールに辿り着くマラソンとは違う。

生活圏内で出会い、関係を育み、お互いをある程度知った上で結婚した私が、
子どもが欲しいという理想があり、そのための手段として結婚するという目的意識を持つ田中に、
答えを出せるわけがないのだ。
私のプロセスでは田中にとって有益なアドバイスはできないのだ。

そこはプロに相談するのが最適なのである。

私はどんな業種、職種においてもプロを信頼している。
友達の意見とか、家族の意見、ネットの意見よりも優先するのはプロの意見である。
医師、教師、ジムのトレーナー、ソムリエなどあらゆるプロたちは、プロでない人たちよりも確実な答えをくれるのである。

田中には是非結婚相談所のアドバイザーを頼って欲しいと、切に願っている。
20代では年に何度か訪れたであろう生活圏内の出会いは、30代半ばになると確実に減少する。
マッチングアプリに関しても、年齢でフィルターにかけられるとマッチする確率は減少する(マッチしたとして、結婚という目的に対する温度差がある可能性も大いにある)。
結婚したいという欲求を満たしたいなら、その方法を考えた時に、やはりプロに然るべき対価を支払って対応していただくことが、目的達成への最短ルートだと私は思うのである。
そして私たちの年齢的にも、最短ルートで向かわなければ、子どもが欲しいという田中の最大の目的の達成が遠のくのである。

しかしそのためにまずは
田中自身が、自分がもう30代半ばになり、このまま20代の頃と同じアプローチでは結婚は難しいということに気付く必要がある。
そして客観的に見た自分のスペックが、市場でどのような価値なのかも知る必要がある。
自分の魅力は何で、それは自分が結婚相手に求める条件に相応しいものなのか考える必要もある。

まずは自分を棚卸しつつ、プロのアドバイスを素直に受け入れていくことが、10年以上持ち続けた願いを叶えることができる方法だと私は思う。


自己中で、人の話を聞かない、わがままで末っ子気質な田中が憎めない。
そして彼女の思う幸せを手に入れて欲しいと私は願うのである。

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