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カルチャー好きな若者たちのブログ。連絡は[l.note4445@gmail.com]

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ご挨拶

皆さん、はじめまして。 さんぴん倶楽部です。 ここのコンセプトは、好きなものをただただ、何の意味もなく語るだけのブログです。 音楽や映画、小説、漫画、等 様々なカルチャーが好きな20代の僕らの 自己満足の為の場所です。 「人志松本の○○な話」って番組の 「好きなものの話」ってコーナーがあって、 芸人さんが1人ずつ好きなものをただひたすら 語ってプレゼンするだけの事なんですけど、 ああいう「誰のためでもなく好きなものをただ語らせてくれ!!」っていうのやりたい

    • 静寂をもって語り合う

       小説の巻末に付される解説。読み飛ばす人がほとんどだろうか。だとしたら、もったいない。名著にはやはりそれに相応しい名解説もついてくるものなのだ。ときとして、解説には本編に負けず劣らずの名文が隠されている時がある。  私の書斎のいろいろながらくたものなどいれた本箱の引き出しに昔からひとつの小箱がしまってある。それはコルク質の木で、板の合わせめごとに牡丹の花の模様のついた絵紙をはってあるが、もとは舶来の粉煙草でもはいっていたものらしい。なにもとりたてて美しいのではないけれど、木

      • 「空気階段の踊り場」という至極のドキュメンタリーについて。

        「お笑い第7世代」という言葉と共に、お笑いというエンターテインメントはただの喜劇からドキュメンタリーに本格的に変わりつつある。 霜降り明星がM-1グランプリで優勝した2018年。 高校時代からハイスクールマンザイの決勝へ進出し、大学在学中にフリーの身でありながら、ピンネタでオールザッツ漫才のfoot cutバトルで史上最年少で優勝と、これ以上ないエリート街道を進み、オールザッツ漫才の優勝インタビューで「成人したらスーツを着て漫才がやりたい。」と夢と希望をいっぱいに詰めた100

        • 銀杏BOYZ「ねえみんな大好きだよ」に寄せて。

          「街歩いてるとね、いろんな奴に言われるんですよ。あんたより俺の方が銀杏BOYZだ。俺こそが銀杏BOYZだってね。」 2020年10月24日放送 TBSラジオ「空気階段の踊り場」にゲスト出演した銀杏BOYZ・峯田和伸はなんとなくそんなことを語った。 スタジオはその話に笑いが起きていた。何が面白いのか、客観的に理解することはできた。 でも、峯田くんと街で会ったら、あたしはきっと近いことを言ってしまうだろう。 というか、銀杏BOYZと人生を共にしてきた自覚のある人間なら全員言って

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        • 夏の匂い
          7本

        記事

          リレー小説②「浮遊体、もしくは藍の秩序」

           旅先からの葉書を追い越したのは、これが2度目のことだった。  旅先のホテルから出した葉書は、私が東京の自宅に帰った翌日にポストに辿り着いた。私は同居人に宛てた葉書を片手に、アパートの部屋に戻る。旅先から自宅に手紙を送ることは、私にとって旅の醍醐味でもある。というよりも、同居人に手紙を書く時は必ず旅に出る、と言った方が正しいかもしれない。  私が同居人に手紙を書く時は、何か重大な出来事を報告する時だ。これまでも、長年飼っていた猫の死や、幼馴染が母になったことなどを報告したこと

          リレー小説②「浮遊体、もしくは藍の秩序」

          リレーエッセイ①

          2015年3月24日、只今午後13時13分、 飛行機の窓の中から熊本空港の滑走路を眺めている。 救命胴着の着こなし方を実演している客室乗務員さんをよそに、 空港のロビーにまだいるであろう母親と、彼女のことを考えていた。 「間もなく、当機は離陸いたします。お座席のベルトをお締めください。」 そんな情報を認識するや否や、 「東京か…」と不意に呟いた。 その言葉がきっかけとなって、 18年間の思い出が走馬灯のように駆け巡って、 嗚咽を漏らすほどに泣いてしまっていた

          リレーエッセイ①

          リレー小説その⑥「あの娘のこと~後編~」

          「君と花火大会に行った。それだけかな。」  それが「お盆休み、何してたの?」という僕の質問に対するあの娘の回答でした。 「昔はよくおばあちゃんの家に行って、親戚のみんなで集まって宴会とかやってたの。私、年の近いいとこがいてさ、大人の人たちが騒いでる横で、よく一緒に遊んでたんだ。そのいとこ、すごくおばあちゃん子でね。でも、おばあちゃんが死んでから、だんだん親戚で集まる機会も減って、いとこともしばらく会ってないんだ。今頃何してるのかな。」  夏休みの課外授業の帰り道でした。僕とあ

          リレー小説その⑥「あの娘のこと~後編~」

          リレー小説その⑥「あの娘のこと~前編~」

           アラーム音が、苛立ちと体感温度を上げる。  乱暴に目覚まし時計を叩いて、アラーム音を止める。それだけでは治まらなくて、テレビの電源を勢いよく点けてみる。朝のニュース。ちょうど天気予報だ。  全国の酷暑の模様がテレビに映る。いつものように、気象予報士は例年に比べて今年の夏がいかに暑いかについて熱弁を始めていた。まもなく、熱中症への注意喚起を行うだろう。 「今日も全国的に30度を超える所が多くなります。こまめな水分補給や、エアコンの適度な使用を…」  ほらね。ビンゴだ。ここから

          リレー小説その⑥「あの娘のこと~前編~」

          リレー小説その⑤「ギフト」

          定刻17:30。荷物をまとめたダンボールを持ち上げ、慣れ親しんだ机を眺める。 お世話になりました。という台詞を吐けば、僕がここにくることはもう二度とない。 エアコンの効きが悪いオフィスを、胸を張ることも罪悪感に背中を丸めることも無く、いつも通り後にした。 仕事が辛かったわけでも、他にやりたいことがあったわけでもなかった。 ただ漠然と、経済活動という不毛なやり取りに人生の過半数を奪われることに嫌気がさしてしまったのである。 人間という生き物は欲望を餌に生きている。 ひとつの満

          リレー小説その⑤「ギフト」

          リレー小説その④「某日」

           まず僕は愛車に跨るところから始めた。  年季がはいったヘルメットは、右側のミラーに引っ掛けておくことにした。 それは、なるべくヘルメットをかぶっている時間が少ないほうが、首の負担が軽減されるだろうという考えからだった。それと、あのジメっとした密閉感が、なんとも好きになれないのだ。 結局、最後は被るしかないのだから変わらないだろうと言う人がいるかもしれないが、これは僕のルーティンなのだ。とやかく言われるような筋合いはない。 そして、右足の先で重心をとりつつ、左足の踵で

          リレー小説その④「某日」

          リレー小説③「無音」

          はじめまして、さんぴん倶楽部のノエルです。初めての投稿となります。 「夏の匂い」というテーマでのリレー小説ですが、僕の作品には匂いが出てこないのですが、僕にとっての「夏の匂い」を閉じ込められたんじゃないかなと…。 いつまで経っても鮮明に残り続ける記憶についての作品です。 楽しんでいただけたら幸いです。 「無音」 何故、今思い出したのだろう。 灰皿に横たわる吸殻の事を。 さっきまでのめり込んでいたみんなとの談笑から引き離されて、僕はそれと向き合う。 きっと、今の自

          リレー小説③「無音」

          リレー小説その②「rousoku」

          どうも、さんぴん倶楽部の美並です。 今回、われわれが「夏の匂い」をテーマに書き物をリレーするということで、 僕も書かせていただきました〜。 たくさんの人のインスピレーションの種になれば〜なんて、です!笑 僕自身もメンバーの作品を読むのがたのしみです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー テーマ【夏の匂い】 リレー小説その②「rousoku」 『  蝋燭の火が燃えている。    世界を燃やすかもしれない。    だらだらと汗をかいている。    し

          リレー小説その②「rousoku」

          リレー小説その①「煙の川」

          お久しぶりです。 さんぴん倶楽部の役満です。 皆さん夏感じてますか? 自分はただただ蒸し暑いだけの今みたいな季節めちゃくちゃ不調なので早くあの爽やかで儚い夏が恋しいです。 最近忙しくて何もかけてなかったんですが、 先日このブログを書いてる1人から提案があって、「リレー小説」なるものをやっていこうという事で、テーマを決めて短い文章を書いていき、それを各々が自己解釈で創作していくリレーをはじめたいと思います! それで、僕らがテーマにあげたのは「夏の匂い」です。 なのでそれ

          リレー小説その①「煙の川」

          映画「田園に死す」

          あなたの過去はどんなだろうか。過去とはなにか。 現在考える過去は虚構か。 「タイムマシーンに乗って、君の三代前のおばあさんを殺せば現在の君は存在しなくなるのか」 さんぴん倶楽部の役満です。 今回は、寺山修司監督・脚本した日本の映画「田園に死す」の感想について話していきます。 まず寺山修司とは詩人、劇作家です。友人に歌集を見せてもらったのがきっかけです。まあかなりのサイケな作品もありながら、その詩は直接感覚に訴えかけてくる様なインパクトもある。 ノスタルジーなのかア

          映画「田園に死す」

          「妄想代理人」paranoia agent

           私は、めったにアニメを見ることはない。今まで適当に話を合わせてきたが、正直なところ私にはポケモンすらよくわからない。だから、印象に残っているアニメと言えばかなり限られてくる。  しかし、アニメが嫌いなわけではない。今日は、私が見てきた数少ないアニメの中で、印象深いものを一つ紹介しよう。 「妄想代理人」(2004)マッドハウス製作, 原作:今敏  原作者の名前を見て、勘づく方は恐らく夢の住人と見た。そう、「千年女優」や「パプリカ」などの名作で知られる、今敏の数少ないテレ

          「妄想代理人」paranoia agent

          映画「VHSテープを巻き戻せ!」の感想

          前に、私が組んでいるバンドのメンバーの家でデモを作りに行った際に、久々にテレビデオを発見し、懐かしく思った。 昔の友人から譲り受けたらしいが、まだ使えており、その時は最新のニュースが映っていたが、すごく懐かしく昔のことを思い出したりした。 どうも、皆さん外出自粛していますか。さんぴん倶楽部の役満です。 外出しなすぎてこないだ散歩にでかけたら、熱中症で倒れました。筋トレします。 ということで趣味が完全にインドアな私にとって何の苦でもない自粛期間ですが、普段見ないような映

          映画「VHSテープを巻き戻せ!」の感想