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私みたいな時間感覚まるでなし人間が、偉そうにタイムマネジメントがどうだのこうだの、語ってやがるよ

noteで記事を公開し始めて三週間くらい経った。その間、様々な方の文章を目にする機会も頂戴した。皆さん、すごいこと書いてらっしゃる。ビジネスの秘訣や、専門知識を生かしたまさに「生きた文章」といった感じのものがたくさんある。私にはとうてい書けない文章ばかりだ。
こんなまったく身にならないことをつらつらと真顔で書き続けているズレた人間は私一人なのではないか。そう考えると、暗澹たる孤独感が押し寄せてくる。私はこの世に一人なのだ。ここは無人島だ。まずは火を起こそうか。使おうと思った木の枝が湿気ていた。では、井戸を掘ろうか。水は出なかった。しかし、私の心には火がついた。(火起こしには失敗したけど)牛を飼い、稲を植え、鶏を飼った。と、気がつけばどこかで聞いたようなフレーズが文章に現れだしてくる。病気だ。

そこで、今回は、私も格好よくビジネスっぽいことを書いてみたい。

取りあげるテーマは「時間」。どうでしょう? それっぽくなってきました? まだ? まだダメ? なしてよ。なしてまだダメなのよ。
そういうところがダメなのよ。


タイムマネジメントについて考えてみたい。

あなたの身の回りにも「あー忙しい!」が口癖の特に何もしていない人はいないだろうか。

まず時間というものの概念を見つめ直してみよう。
よく「時は金なり」や「Time is money」などと聞く。(同じこと二つ並べただけ)

この言葉は、「『時間』に対しての重要性はあまり認識されていないが、『お金』の大切さはわかるよな? その『お金』と同じくらい『時間』だって大切だっていう意味なんだが……。うん? なに? 『お金』の大切さもわからない? ……はっ!! これはこれは、マリー・アントワネット様でいらっしゃいましたか! いえいえ! お気になさらず! どうぞお菓子をたんまりと』という前提条件の上で成り立つ言葉である。

つまり、時間をお金と同じように大切に扱おうということなのだが、ちょっと待て。

「時間」と「お金」は全然違う。

「お金」は増減するものだが、「時間」は減少する一方だ。
働いて収入を得ればお金を増やすことはできる。しかし、一人の人間に与えられた生涯という時間は刻一刻と失われていくのみだ。

人は時間を満タン(寿命は人それぞれだが、各人の満タン)持って生まれてくる。そしてどんどん減っていく。
一方でお金は、一円も持たずに生まれてくる。そして人生の中で働いて増やしていく。

100→0へ向かうのが時間で、
0→100へ向かうのがお金だ。(100まで稼げるかどうかは別として)

何が言いたいかというと、「時間はお金と同等に大事だよ」ではなく「時間はお金以上に大事だよ」ということだ。


では、その大切な時間というものをどのように扱っていくか。
一番大事なこと。それは、こんなくだらない文章を書くのを今すぐ止めてしまうこと。そうすれば浮いた時間でまた別の文章を書くことができる。でも、その別の文章がまたくだらないものになっちゃったら? そのときはそのくだらない文章を書くのをすぐに止め、別の文章を書こう。でも、その別の文章がまた……。無限ループの入り口が垣間見えた。

単純に考えて、時間が多くあればいろいろなことができる。時間が少なければやれることは限られてくる。当たり前の話だ。
だが、この簡単な計算式に各人の人生経験値を乗ずることで、あ~ら不思議、時間が足りなくても多くのことができるようになっちゃうのです。

ちょっと何言っているのかよくわからないぞ、っていう人のためにわかりやすく計算式を明記しよう。
仮に時間をTとし、やらなければならないタスクをX、各人の経験値をY、余った自由時間をZとする。
するとこうなる。
式 (T-X)×Y=Z
ここに実数を当てはめていこう。


Case 1 資産といえば、ありあまっている時間だけという若者タロウ君の場合

時間は誰にも等しいという概念に基づき、T=100とする。
タロウ君のやることといえば、トイレと歯磨きくらいのものだ。だからX=2だ。
そして、彼の人生経験値。これまでの彼の人生の中でやってきたことといえば、トイレと歯磨きくらいのものだ。トイレなんて生理現象だ。経験値なんかなにもないわ。だからY=0.5だ。ダメだ、こんなやつ。

すると、式はこうなる。
(100-2)×0.5=49

タロウ君の自由時間は49もある。やったー。これでアリの巣をじっくり観察したり、木登りをしたりする時間ができたぞー。

Case 2 百戦錬磨のビジネスマン・金山の場合

同じくT=100だが、やるべき仕事量はかなりあると設定。X=50としよう。
ここに金山さんの経験値。タロウ君より様々なことを経験してきている。新卒で入社した会社はわずか二年で経営破綻。再就職先がなかなか決まらず、各種資格をいくつも取得。やっとのことで得た就職先で知り合った女性と結婚。女の子を授かる。しかし、好事魔多しとはよくいったもので、仕事に精を出しすぎた結果、家庭をないがしろにし、妻との距離は広がる一方。昨年、離婚。親権は妻へ。現在の金山さんは……。もういいわ。Y=1.5とする。

すると、式はこうなる。
(100-50)×1.5=75

金山さんの自由時間は75もある。よし! これで娘に会いに行く時間ができた! え? 娘との面会は月に一回? そんな。僕だって親なんですよ。というやりとりはどこかよそでやっていただくとして。

やることの少ないタロウ君より、やることの多い金山さんのほうが自由時間を生み出すことに成功している。


結局、何が言いたいかというと。
人生経験が増えていくと、上手な時間の使い方や効率の良い作業方法が身についていき、結果として、忙しくなった身でも若い頃より自分の時間を増やすことも可能だということ。

忙しければ忙しいほど、やれることが増えていくという不思議を味わったことがある方も多いのではないか。
例えば、私の場合。
今日は二時間の執筆時間があるぞ、とパソコンに向かっていても気がつくと別なことをしていることが多い。まずはゆっくりとコーヒーを淹れる。なんとなくネットニュースを見る。大谷選手の活躍に喜ぶ。別に予定もないくせに、何日も先の天気予報を見る。もういい加減始めようと思ってネットブラウザを閉じる。ふと言葉の使い方が正しいか気になり、ネットを開く。何を調べようとしたのか忘れる。代わりに大谷選手の年度別成績を調べる。
二時間の余裕があったはずなのに、実際に集中して書いているのは十分ほどだ。十分もあれば良いほうかもしれない。下手すると二時間もあったはずなのに、一文字も書いていないなんてこともある。

一方、忙しくて息する暇もないというときに限って、わずかの隙間時間を活用し、集中していい仕事をすることができるときもある。

ゆくゆくは、一日の二十四時間で四十八時間分の仕事をこなせるようになればいいなと思うし、財布の中の二万四千円で四万八千円の品物を売ってくれるお店が増えればいいなと思うけど、それはちょっと無茶を言いすぎか。

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