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【限定公開イベントレポ】“ちょっと不自由なホテル” 誕生秘話。観光資源のない中山間地域で人気を呼ぶ宿から学ぶ「ローカルに新たな仕事をつくる、編集力」

日本最大級の地域メディア「LOCAL LETTER」が運営するオンラインコミュニティ「LOCAL LETTER MEMBERSHIP」

本記事では、地域共創コミュニティ LOCAL LETTER MEMBERSHIPにて“限定配信”されているトークライブの様子をご紹介。

今回は、昨年10月に行われた、ちょっと不便だけれど、人のやさしさと自然の豊かさを感じることができる宿『ume,yamazoe』の代表、梅守志歩さんとのトークライブの様子をお届けします。

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ume,yamazoeの代表として、奈良県山添村という人口約3,500人の小さな集落に、多くの人々を引き付ける宿「ume,」を開業した彼女が考える「ローカルに新たな仕事をつくる、編集力」とはーー。

「奈良に帰省?絶対嫌!」大の田舎嫌い。ハイヒールを履きこなすIT広告営業マン時代

京都府、三重県、滋賀県の県境に位置する奈良県山辺郡山添村は、通称 “奥大和地方”と呼ばれている自然多きエリアに位置し、日本の原風景が色濃く残る地域。

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そんな自然深く小高い集落に2020年開業したume,は、「ちょっと不便だけれど、人のやさしさと自然の豊かさを感じることができる宿」として注目を集めています。

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そんな宿のオーナー梅守さんは、なんと元々は “大の田舎嫌い” だったそうで…。

「20代の頃は、高層ビル街でハイヒールを履いて、スーツをバシッと着て働くことがかっこいい!と思っていました。」と笑って語る姿に驚かされた。

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豊かさ偏愛ビト・梅守 志歩(Shiho Umemori)さん ume,yamazoe 代表
1988年奈良県生まれ。大学卒業後、株式会社ネクスト(現LIFULL)や、家業である、株式会社梅守本店に勤務。
その後、観光資源の少ない日本の中山間地域での仕事作りに興味を持ち、2020年3月奈良県山辺郡山添村に「ume,yamazoe」を開業。アウトドアフィンランド式サウナ「ume,sauna」など、地域素材を生かしたコンテンツ作りに取り組む。

どこにでもあるものが商品コンテンツに。
自身の経験が紡いだ “宿” の構想。

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「なんで田舎に帰らないかんねん!絶対嫌!」そんな思いを抱きながらも、家業を継ぐため奈良に帰った梅守さん。

様々な人との出会いの中で “今いる場所で楽しいことを見つけたほうがいい” と思考を変え、家業の寿司製造・販売の会社にて、新たなコンテンツを生み出し大ヒット!

“どこにでもあるものも、見せ方や表現を変えたりすることで、商品コンテンツになる”。その気づきが「ume,」誕生の第一歩だったそう。

宿のコンセプトは、「ちょっと不自由なホテル」。

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「自分の居場所を持ちたい」という思いから生まれた宿の構想。「ume,」を語るうえで外せないのが「ちょっと不自由なホテル」という不思議と心惹かれるコンセプト

「不便さを純粋に感じることで、日々の生活を優しく、穏やかに、そして強く生きていこうという気持ちがふっと湧き出る場所になればいい。」コンセプトには、そんな梅守さんの強い思いが込められている。

「宿と地域で区切りはつけない。」四年もの月日をかけてうまれた、地域に溶け込む場所

創業にあたり、地元住民から反対される度に対話を重ねた月日は、なんと四年。

地域で何かをやられたことのある方は分かると思いますが、世代によって正しさの指標が全く違うんです。当時私は20代でしたが、『この村に人が訪れ、経済が回り、未来へと繋げていくことが絶対にいいこと』だと思っていたんですけど、90代の地元のおじいちゃんからすると『今までも静かに暮らしてきたんだから、今後も静かに暮らしたい』という考えもあって。」

反対される度に “本当にやる意味があるんだろうか” と自問自答し続けました。時間がたくさんあったからこそ、たくさん考え、“それでもやる意味がある”と思ったからこそ、腹を括れた。だから、これ以上何を言われても、『私が伝えたいことはこれです!はい、やります!』って思えるんです。もうブレることはありません。」と梅守さんは笑う。

そんな宿の料理で使う食材の多くは、地域で孤立して暮らすお年寄りが育てたもの。「ume,」を起点に、山添村の経済も少しずつ動きはじめている。

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「 “外から来た人や中から来た人” ということではなく、一人の個体としてコミュニケーションがとれる場所にしたい」という思いは、「ume,」の空間にも表れている。外と中の区切りが曖昧な空間は、なんとも心地よい。

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「自分が表現したいことのために地域の力を借りる=地域づくり」という、可能性。

終始、あたたかい笑顔で語る梅守さん。常に「自分一人では何もできなかった。私の強みは口(話すこと)だけ」という彼女だが、そんな彼女に魅了され、力を貸す人は後を絶ちません。

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地域のおじいちゃんやおばあちゃんの力を借りることで地域活性化することもあると思いますが、私の中でこれを “地域づくり” とは思っていなくって、“自分がやりたい” とか “自分が表現したい” と考えていることを実現するためには、皆さんの力が必要だから貸してもらっている感覚です」と彼女は語る。

何度も自問自答、地域の人と対話を重ねながら、自分の芯を強く、濃くし続けた梅守さんが育てる宿「ume,yamazoe」。ここでしか味わうことのできない経験に、あなたも出会ってみませんか?

※ 本記事は、LOCAL LETTERが運営する地域共創コミュニティ「LOCAL LETTER MEMBERSHIP」内限定で配信された「LOCAL偏愛トークライブ」の一部を記事にしたものです。
トークライブの全容はLOCAL LETTERにて紹介しています。
ぜひこちらもチェックしてみて下さいね!

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