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ドイツは何故EV自動車社会を恐れているのか。part2

4月1日 日経新聞

【ワシントン=飛田臨太郎】米財務省は31日、消費者が電気自動車(EV)を購入する際の税優遇の指針を発表した。日本と欧州、韓国が求めていた北米以外で生産した輸入車への優遇適用を見送った。日欧韓の車メーカーは米メーカーより実質的に高価格でEVを販売するか、北米で現地生産するかの判断を迫られる。

税優遇は2022年8月に成立した歳出・歳入法(インフレ抑制法)に盛り込まれ、今年から適用が始まる。購入者が最大7500ドル(約100万円)の税額控除が得られる対象を北米で組み立てたEVとプラグインハイブリッド車(PHV)に限定した。

日欧韓の政府は「米メーカーへの過度な優遇措置で、自国の自動車産業にとって大打撃になる」と見直しを求めていた。特に欧州各国は「西側の分裂をもたらす」(フランスのマクロン大統領)などと強く反発した。

バイデン米大統領は修正に応じる考えを示していたが、財務省の新たな指針でも輸入車への適用は認められなかった。自国産業を重視する米連邦議会から適用拡大に反対の声が上がり、最小限の修正にとどまった。

日本や欧州は完成車以外にも、電池原料の重要鉱物の調達・加工、電池部品の製造・組み立ての一定割合を北米域内に制限する要件の緩和を訴えてきた。米財務省は重要鉱物は日本や欧州も米国などと同等の扱いに見直す方針だが、電池部品の製造に関する要件は変更されなかった。

イエレン財務長官は声明で「米国の強力な産業基盤を構築し、サプライチェーン(供給網)を強化する」と述べた。北米生産車のみを優遇することでEV関連の投資を呼び込み、この分野で急成長する中国に対抗する。
財務省は4月中旬に優遇対象車種を公表し23年販売分から適用する。日欧韓は引き続き輸入車への適用拡大を訴える考えだが、実現は見通せない。

私見
『ドイツの政策転換に続き米国も追随。米国は財務省が筆頭に立って米国の雇用及び財政を守る。目前に迫るEV自動車社会における覇権争いに先手先手。重要なのはバイデン大統領がEUに丸め込まれそうになったがイエレンさんがつっぱねた事。EV自動車での覇権争いで負ける事=国家の財務力低下に直結。自動車産業が強い国は必然的に保護主義を貫かなければならない。』