見出し画像

みんな違っていて、ほんとうにどうでもいい、やさしい世界|雨音と海とシアターワークと


今日は朝からとても強く雨が降っていました。

雨の日は不思議。昼でもない、夜でもない、そんな感覚に誘ってくれるから。

雨音は普段の生活音をミキシングして、ここをいつもと違う場所に変えてしまう。そうか、雨音はまさに、センスオブワンダーを呼び起こす音なんだ。

ずっと雨音を聴いていると、まるで海へ帰っていくような感覚に入っていく。


先週の土曜日、葉山でシアターワークというワークショップを受けてきました。

シアターワークは俳優でアーティストの小木戸利光さんが提唱する、演劇の手法を使ったボディワーク。


演劇という言葉の響きにはじめは「自分じゃない誰かを演じなくてはならないの?」と思ってしまった。

だけどそれは違った。

目の前に大きく広がる自然の中で、心と体を解放していくと、普段目にしている自然の背後に〝もう一つの自然〟があることを感じられる。

そのもう一つの自然に手を伸ばすときに、確かにセンスオブワンダーがそこにあるのだと感じられる。

そして、体とセンスオブワンダーが共鳴するとき、普段の生活とはまったく関係のない、だけど自分にとってはとても自然で懐かしい動きが湧き上がってくる。

隣を見ると、他者もまたわたしと同じく、その人なりの動きをしている。


画像1


みんな違って、ほんとうにどうでもいい世界。


やがて、動きと動きが共鳴しあい、そこは一つのアートの現場になっていく。

そうか、シアターって、演劇ってそういうものなのか。


みんな違って、ほんとうにどうでもいい。

どうでもいいからこそ、やさしくなれる世界。


画像2


そのハレの余韻を、残響を聴きながら、また普段のケの生活を粛々と営む。

ここには海もあの時の仲間もいないけれど、朝から降っている雨音の中に、あの日の海も仲間の姿もたしかに感じられる。


梅雨が嫌いだったけれど、夏の長雨もいいものだなと思った朝のベランダから。

生きていく場、暮らしの場、すべてがアトリエになりますように。いただいたサポートはアトリエ運営費として大事に活用させていただきます!