マガジンのカバー画像

水との対話 -water color-

94
シュタイナー教室のにじみ絵や、二十四節気の水彩画など。 水彩を通して自分の中の水との対話を試みています。
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

061. 混沌とステンドグラス

一日一描。 今日はお皿にちょっとずつ残っていた絵の具で何か描いてみようと思った。 料理研究家の有元葉子さんの使い切りレシピ、のような。 パレットも持ってはいるけれど、わたしはやっぱりお皿にあけて描くのが好き。 だって、料理みたいで楽しいから。 パレットはなんだか緊張する。 混沌に身を委ねてみる。 そうしているうちに、中心にある何も色がついていない空間をじんわりと感じる。わたしにとって、水彩はそんな体験です。 *** 今日のむすめ画伯 *** 彼女はパレット派。 違

057. 色の奥の色

一日一描。 今日は月に一度のシュタイナーの水彩画の教室の日でした。 私は遅れて参加。急く気持ちのままフォルメン曲線を描く。 左からやってきた線が自分の前を通って右へ去っていく。 線を描くって、呼吸そのもの。リズムそのものだ。 今日は、なんだかずっと線を描いていたいような気分だった。 黄と青と赤の関係性。 今日は絵の具が乾くのが早いのもあったけど、お互いにあんまり交わろうとしない色たち。 今日は色を重ねたくないのに、なぜかどんどん重ねてしまって、拭い去ろうと必死になっ

056. 夕暮れ

一日一描。 今日は絵本「ぽちの きた うみ」のいわさきちひろさんの絵を参考に。 今日はちょっと嬉しいことがあった。 ちひろさんがどんな風に筆を動かしているのか、絵をみて想像できる自分がいたのだ。 憧れて、まるで魔法使いのような存在だったちひろさんがちょっとだけ、近くに感じられるようになった。 お水が垂れてしまった部分は、猫と月を描きたしてみた。 *** 今日のむすめ画伯 *** 図書館で借りたおへその本を見て、臍の緒に繋がった赤ちゃんとお母さんを描いていた。 「あ

055. 秋のグラデーション

一日一描。 今日は昨日練習したグラデーションを使って空と山を描いてみた。 少しずつ水の使い方に慣れて楽しくなってきました。 水彩画は適材適所ならぬ、適〝水〟適所の世界。 水をどう置いて、流れをどう利用するか。 上手な人は、偶然できたものを流れの中で生かしていて、まるで魔法のようです。 せっかちな私には良い精神鍛錬です。 *** むすめ画伯 *** 今日はマスキングテープを切らして、百円ショップへ行ったついでに買ってみた、キラキラペン。 こうしたら綺麗に仕上がると

054. グラデーション

一日一描。 今日は、水彩の美しさの基本、グラデーションを練習しました。 単色のグラデーション。 水彩絵の具にとって水は「白い絵の具」。色の濃さを決めるのは、白い絵具ではなく水。 水の流れに委ねて、待つ。 一度塗ったところはいじらない。一発勝負。 色同士が混ざりながら境界線を行き来するのを眺める時間は贅沢です。 *** 今日のむすめ画伯 *** 今日は夏風邪を引いたのか、夏ばてをこじらせたのか、親子共々おでこに冷えピタ。寝たい時に寝てなんとなく起きて過ごし、のんびり

053. ほうき星

一日一描。 お天気に恵まれず、ペルセウス流星群を観測できなかったので、流れ星を描いてみました。 ・・というより、好きな色をただただ流し込んで遊んでいたら偶然、空みたいになったので、月星を描き込んでみたくなったのだ。 現実世界でこんなにじゃんじゃか流れ星が来たらちょっとびっくりするけれど、いいのです。絵はわたしにとって現実世界で表現できないことを表現できる場でもあるから。 いつか浴びるように流星群を眺めてみたい、というわたしの密かな夢。 夜見る方の夢では、よく流れ星にま

052. 心の中のお盆

一日一描。 今日はお盆。 今年はお墓参りのない夏。 夏にみんなで集まって、他愛のない話をするという年に一度の日常がないというのはやっぱり寂しいので、心の中だけでもお盆をと蛍を描いた。 そうしたらもう一枚描きたくなった。 一日一枚、と決めていたけれど、今日はいいや。 筆はあんまり使わず、キャンパスを傾けるだけで絵の具を広げていく。 そうしたら宇宙っぽくなった。 縦にしてみても面白い。 こうして絵を描いていると、絵を描くのが好きだった祖父がそばにいてくれるよう。 **

044. 自由

一日一描。 今日はシリーズものを一度お休みして、テーマを決めず自由制作。 思い浮かんだ色を自由に置いていきました。 むすめ画伯はユニコーンを模写し始めました。 私は不思議と雲みたいになっていきました。 私にとって水彩画は、抽象(というかカオス?)から具象を取り出してくるのにいいアイテムだなと感じています。 きっと今の私にとっての自由はこんな感じ。 雲っていいですよね。いろんな風に形を変えられるんだけど、その瞬間瞬間の形が実にユニークです。 むすめ画伯も完成です。

041. 水と火 - 火シリーズ3

一日一描。 今日は、昨日色鉛筆でスケッチしたものをもとに、水彩画の火にリトライ。 ↓昨日のスケッチ。 ↓一昨日描いた火。 火で連想ゲームをして遊んでいたら、たくさんスケッチができてしまった・・。 全部塗れるかな。 黄色と赤色で描きます。 途中隣で盛大に水をこぼされたり、「ママートイレ出るー」と数々の水の洗礼を受け(笑)、途中下車を何度も繰り返したのち作成。 図らずもウェット・オン・ドライ(※)になってしまったりしながらも、できた一枚。うーん、自分的にはもう一回リ

040. 炎のくびれ - 火シリーズ2

一日一描。 今日はこの暑いのに(笑)、暖炉の動画を見ながら、色鉛筆で炎の運動性の観察。 よくよく観察してみると、安定した火は変化しても面積が変わらない。 多方向へ揺らぎながらもきちんと芯があり、芯の周りのくるくるとうごめいている感じ。 変な表現かもしれないけど、炎のくびれってなんともいえずセクシーだと思う。 まるで空気とダンスを踊っているようだ。 今日のむすめ画伯は、はじめて使ったパレットがうまく使えなくて、ぶーたれていたが、アイスクリームで機嫌が戻った。 うーん、親

039. 火シリーズ1. 「多すぎる火は、何もうみやせん」

一日一描。 今日から5日間は、火を描いていきたいと思います。 昨日丸シリーズの最後が太陽だったので、そこから引き継ぐ形です。 水彩で火を描いてみました。 水で火を描く。質的には正反対のもの同士ですが、お互いを補完し合う、良い関係だと思います。 長い梅雨の後に燦々と太陽が降り注ぐ時期が来ることにも深い意味がありそうです。 私が一番使うのが苦手な赤い色。 迫ってくる感じが怖くて、どうしても水で広げようとしてしまいます。 そうこうしているうちに、ボワッと輪郭がどんどんと外へ