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ピタゴリアンのUbuntu (linux)を使う方法

Ubuntuとは?

Ubuntuとは「誰にでも使いやすいOS」をコンセプトに開発されたLinux系のOSです。

Linux 系とはLinuxをベースにして作られたOS のことで、Linuxディストリビュージョンを指します。オープンソースであるLinuxには多くのディストリビューションがありますが、なかでもUbuntuは、特に人気があります。

ディストリビューションとは、「配布物」という意味があるとおり、用途に合わせてカスタマイズしたものを一つのアプリケーション(ソフトウェア)としてパッケージ化したものです。外部に公開・配布することができます。

Linuxはオープンソースといって世界中に公開されている無料のソースコードです。

誰でも入手でき、中身も自由に書き換えられるため、多くのユーザが目的に合わせて編集・再配布したことで、今では多くのディストリビューションが存在しています。

Debianベースの派生ディストリビューション

Linuxのディストリビューションは大きく分けると、商用ディストリビューションとして有名なRedHat系、パッケージ管理の点で評価が高いDebian系、シンプルさが特徴で安定性、セキュリティ体制、速度で評価が高いSlackware系の3つに分けられます。

今回紹介するUbuntuは、Debianをベースに開発された派生ディストリビューションであり、Debian系に分類されます。

UbuntuとDebianの違い
UbuntuとDebianの違いについて、以下にまとめます。
Ubuntu
操作方法:マウス操作中心
デスクトップ環境:あり
リリース頻度:半年毎
Debian
操作方法:マウスも使えるが、キーボード操作中心
デスクトップ環境:あり・なしを選択可能
リリースのペース:約2年毎(不定期)

Ubuntuの最大の特徴は「誰にでも使いやすい」というところです。
ここからはその理由にもなっているUbuntuの特徴を挙げていきます。

GUIの導入

基本的にマウスを用いた画面操作のみで操作を完結でき、WindowsやMacに慣れた人でも扱いやすく、デスクトップ環境として人気が高いです。

Linuxは基本的にキーボードの操作がメインですが、Ubuntuはインストールから、日常作業といった操作のほとんどをマウス操作のみで完結させられるため、初心者にも扱いやすいといわれる理由の一つです。

日本語に対応している

日本語化はLinuxを使用する際に、ハードルになりますが、Ubuntuは日本語に対応しています。
Ubuntu Japanese Team が有志でUbuntuの日本語ローカライズと円滑なコミュニティの形成・維持をしており、Webサイト、Webフォーラム、メーリングリスト、IRCチャンネル、Wikiなどの運営やUbuntuに関する雑誌記事の執筆などがされています。
なかでも、「Ubuntu Desktop 日本語 Remix CD」は品質性が高く、日本語環境を手軽に入手できるようになりました。
日本語に関してはUbuntu Japanese Team が有志でローカライズしており、日本語環境も高いレベルで充実している。使っていて困ることはほとんどないだろう。

安定性・安全性が高い

ファイアウォールの搭載によって全てのポートがデフォルトで完結し、設定のし忘れがあっても安心です。
また、セキュリティ性が高く、外部からの干渉を最大限抑え動作も安定しており、定期的な無償アップデートでも安定性を高く保っています。

カスタム性が高い

オープンソースであるため、目的や用途に合わせてカスタマイズできます。
トップが高いOSであるためインターネットで検索すればカスタマイズ方法もたくさん出てくるため初心者でもカスタマイズが可能です。

プログラミング環境として優秀

MacやWindows向けのものを除いて、使いたい言語を導入できるなど、Ubuntuは開発環境にうってつけです。
またユーザ数が多くコミュニティも活発であるため、開発中につまずいてしまっても検索すれば解決策を見つけられるでしょう。

半年ごとのアップデート(常に最新)

リリースロードマップが明確で毎年4月と10月にリリースを行なうことになっています。半年ごとというリリースの頻度は、Linuxディストリビューションのなかでもトップクラスです。これはオープンソースで自由に発展していくLinuxの中では貴重なことです。
あまりにもリリース速度が早すぎるため、安定した環境を求めるユーザー向けに末尾に「LTS」と付くバージョンが提供されています。これは、長期サポート版であり5年間セキュリティーフィックスサポートが提供されています。

Ubuntuの派生が多い

開発力も高く、サーバー用途向にUbuntu Server Editionも存在します。
基本的にはデスクトップ環境にUnityを採用していますが、デスクトップ環境を入れ変えた派生ディストリビューションも多く存在します。

デスクトップをMATEに置き換えた Ubuntu MATE、GNOMEを採用したUbuntu GNOME、KDEを採用したKubuntu、要求リソースが少ないXFCEを採用したXubuntuなどもUbuntuから派生したディストリビューションです。

インストールが簡単

インストール時はインストールアイコンをクリックし指示に従うだけでUbuntuがインストールされ、インストール直後から快適な日本語環境が提供されます。

一から自力で環境構築する作業は操作に慣れていない人にとっては難しい作業になるでしょう。
しかし、Ubuntuはこれをデフォルトで、しかも高品質で提供してくれています。
このように、使いやすいデスクトップ環境がインストールした直後から利用できる仕様になっているため、「初心者にやさしい」と言われているのです。

インストール不要で動かせる

UbuntuはLiveDVDという形式で配布されており、DVDドライブまたはUSBポートをインストールメディアとして使用することでインストールせずにUbuntuを動かすこともできます。

DVDにLiveDVDイメージファイルを焼きつける、もしくはLiveUSBをブートすれば、その場でDVDまたはUSBスティックからOSが起動するという手軽さが魅力の一つです。

Ubuntuでできることは?

CUI操作(コマンド操作)できる

Linux は基本的に CUI操作で、キーボードのみで操作できます。
マウス操作に慣れている方は敬遠してしまいがちですが、慣れてしまえば GUI操作よりもスムーズに操作でき、作業効率が上がります。
また、CUI操作によって処理の自動化や操作の記録をしやすいなどといった利点もあります。

GUI操作(マウス操作)ができる

LinuxでCUI操作が基本であるのは、メリットでもありますが、初心者がつまずくポイントでもあります。
これまでWindowsやMacで GUI操作をしてきた人には、コマンドライン上で操作することは、ハードルが高いでしょう。
しかし、Ubuntu は GUI操作に対応しているので、Windows や Macのように操作でき、初心者でも扱いやすいです。

開発環境として使える

好きなようにCUIで導入できる Ubuntu は開発者向けのOSとして人気があります。
また Windows や Mac などの PC の仮想環境としても使えます。
複数のハードウェアを準備するコストの削減やチーム開発をスムーズにできるといった利点があります。

カスタマイズできる

Ubuntuはデスクトップ環境をカスタマイズでき、「デスクトップ Linuxディストリビューション」として高い人気があります。

そのなかでも多く使用されているのは Mac寄りにカスタマイズできる GNOMEとWindows寄りにカスタマイズできるKDEです。
また LXDE は軽量化が重視されており、メモリが少なく、古いPCで使用したりする場合におすすめのデスクトップ環境です。

フリーソフトが利用できる

「Ubuntu Software」には Ubuntuで使用できるフリーソフトが豊富にあり、ダウンロードすることで利用できます。
無料で豊富なソフトウェアが揃っているので、自分好みの設定を作るのに役立ちます。

IoTに活用できる

ロボットやドローンといったものを操作するには IoT の技術が必要ですが、その OS としても活用できます。

サーバとして利用できる

Ubuntu には GUI が排除されたことで、より軽く動作する「Ubuntu Server」というものがあります。
通常の Ubuntu よりもクライアント接続や安全性が重視されているため、メールサーバ、ファイルサーバ、ウェブサーバとして使用できます。
ただ、Ubuntu は、Adobe製品等の専門的なソフトウェアに対応しておらず、そのようなソフトを使用したい場合は Linux向けの代替ツールを探す必要があります。

【ゲーム好き必見】Steamが利用できる

Linuxユーザは今までLinuxでゲームをすることはほとんどなかったでしょう。

そこに、Linux上にWindowsアプリケーションの実行環境を構築するソフトウェア「Wine」が登場したことで、数多くのWindows向けゲームをLinux上でプレイすることが可能になりました。

そして、現在では、新たなプラットフォームとして「Steam」も利用できるようになりました。Steamを利用することでLinuxユーザはアカウントを作成して、Steamアプリケーションをインストールするだけで、ゲームの購入・ダウンロードを開始できます。

Steamとは?
Steamとは、米Valve Corporation社の運営するPCゲーム配信プラットフォームです。 iPhone/iPadにとっての「iTunes Store」と同じように、数多くの無料・有料ゲームが配信されており、さまざまなPCゲームを購入・ダウンロードし、プレイできます。

こんな人にUbuntuがおすすめ

浮かせているPCを活用したい人
使わないPCがあり、活用したいと考えている人はUbuntuをいじってみるのはいかがでしょうか。Ubuntu、ないしLinuxはシンプルなOSで動作が軽いので、古いものや低スペックなPCでもサクサク動きます。

OSの勉強を始めたい人
オープンソースであるため、他の人が配布しているソースコードを参考にして自身で書き換えられるのでOSの勉強になります。1から自分で勉強するよりもLinuxベースになっているUbuntuを使うことで効率よく作業を進められます。

Ubuntuの選び方

Ubuntuにはいくつか種類がありますが、たくさんあって迷ってしまう人も多いでしょう。まずは、Ubuntuの種類とそれぞれの特徴・違いを紹介します。使いこなすには利用する用途に合ったものを選ぶのが重要です。

LTS版・最新版

インストーラには推奨版(LTS)と最新版の2種類があり、その時点での最新のバージョンをダウンロードできます。2023年8月25日時点の最新バージョンはLTS版が「Ubuntu Desktop 22.04.3 LTS」最新版が「Ubuntu Desktop 23.04」というバージョンになっていますが、その時点での最新のものをダウンロードする形で問題ありません。。LTSは「long-term support(長期サポート)」の略称で、安定しているため、こちらをダウンローするのがおすすめです。最新版は、確かに最新の機能が使えますが、その反面動作が安定しない場合があるため、特別な理由がない限り、公式の推奨する「LTS」にしましょう。

日本語Remix版

日本語でUbuntu利用したい場合はUbuntu Japanese Teamによって配布されている日本語版「Ubuntu Desktop 日本語 Remix」をダウンロードすることもできます。

Ubuntu MATE

Ubuntu MATEはUbuntuから派生したOSのことです。軽量で、カスタマイズしやすいものを使いたいという人にはこちらがおすすめです。

Ubuntuのインストール方法

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