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そうですね、柴崎先生


以前触れた、思いの丈集。

断捨離をした割に、内容をハッキリと覚えていたりする。
忘れちゃいけない事をスコーンと忘れるのは得意なのに、
何故かいつまでも忘れない事もたくさんある。

当時流行ったかわいいギャルJKのイラストと共に綴られた、

普通になりたい

という思い。願い。
タイトルは確か

「野望」


いや、何から何まで平々凡々な普通女子が何を思い上がってるんだ

という話ではない。
わかる、わかるよ。私が誰より分かってるから大丈夫だよ。当時の自分。
恥を晒してごめんよ。

当時、毎日毎日思っていた事。

「私はスタートラインにすら立てない」


小学校の頃からずっと学校が大好きだった。
何かに秀でた生徒ではなかったし、特に目立つ人気者でもない、
ただ「普通」に学校に行き「普通」に帰ってくる。
それが自分には「普通」に心地良かった。

とにかく偶然に色々な事が重なったからだなぁと今は思うが、
中学生の時に体を壊して学校を休みがちになった。

いや、当時も変わらず学校は大好きだったし、
できる事ならそれまで通り普通に通いたかった。

最初は朝礼で冷や汗をかく。
そのうち授業中も部活中も謎の
「ここにいられない」
感情に支配される。
特に顔色が悪くなるとかそういった見た目の変化もないため、
自分との戦いだ。みんなに理解してくれと言っても無理だ。
今のように多様性なんて言葉は一切ない。

その場にいたいし、むしろ「具合悪い人」なんて扱いしないでほしい。
これまで通り、誰の目にも止まることなくただクラスの中にいる人でいさせてほしい。
思いとは裏腹に、
学校が大好きな気持ちより、具合が悪くなりたくない気持ちの方が上回っていく。

「保健室に行ってきます」
をみんなの前で言いたくない。

そんな日々は高校でも続き、
家族や先生を悩ませながら、それでも登校できる時間、登校できる場所、
休みは多いながらも登校しようとした当時の自分を
私だけは全力で褒めてあげよう。

でも、お母さんに当たりまくっちゃったね、そこは全力反省だね。


そこで綴った
「普通になりたい」

今の自分はあなたの言う「普通」になれているかというと、

いや、全然なれてないよ。ごめん。

苦手な事だらけだし、苦手な場所もたくさんあるし、
冷や汗もかくし、家族にも内心
ごめん
ばっかりだよ。
ごめん。

ただ、

スタートラインはみんな横並びじゃなかったし、1本でもなかった。
あなたのいる場所もスタートラインだったし、
コースもたくさんあったし、たくさん分かれてた。


それでもみんなと同じになりたいと今でも思っている。

大人になって本当にたくさんの人に出会った。
ありきたりで当たり前だが、同じ人なんていなかった。

自分が思う「普通」は私の憧れだった。

どう頑張っても手に入らないものもあるし、
憧れに近づく努力をしてみようかと
たまに思ったり思わなかったりするのも自分の自由。

経験を積んでおばさんになるのも悪くないよ。
だからうまく伝わらないのは承知で、
ただ

大丈夫だよ。

と、当時の自分に伝えよう。


「フツ───が一番むつかしい」ほんとそれです。








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