リョウを追いかけて

6/17

喋り方、見た目、性格。もともと手にしているもので平然と笑いが取れる人がいて、ありのままでセンスがいいと言われる人がいる。この子だから許せるとか、結構言ってること適当で曖昧なのにキャラだけで許されるとか、

ほんとくそだと思う。

人と違う人ならいいのか
周囲と違う意見を堂々と言えるのが 
良い個性なのか
卑屈になってしまう
きっと羨ましいから。

電車の中で大声を挙げている人がいた。
ああいう人は周りとは違うけど良い個性なんて言わない癖に。いやいや「質」が違うでしょ、とか、周りに迷惑かけてるからそれとは土俵が違うよとか。
あの人たちは言うんだろうな。そうやってふんぞりかえってる集団の中に自分もいることが少し気持ち悪いような。

車両の先頭側で叫び続ける誰か。少しずつ後ろ側に移動してくる人々。なんとなく怖くなってきてドクンドクンする私の心臓。
こんなときだったら、私が隣にいてよかったって
あの子に思ってもらえるだろうな。

朝井リョウ読んでるから今日は少し毒っぽい。

6/19

ずっと連絡が取れていなかった子と連絡が取れるようになって
ずっと連絡が取れていた子と連絡が取れなくなった。

リアぺでよく見る
「私は海外に居たことがあるのだが」
恵まれてるひとたち。

6/21

―正当な不満は、思考を生み、言葉を練りだす。出所が正当なのだから、その論理はどこに出しても恥ずかしくないほど整ってしまう。

語気や表情に敏感なのだ。どんな相手でも、基本的には対話をしているとき、心の中まで読めてしまう。同じクラスの二浪男について「年が近いから」「色々あったから」話しやすい、仲が良いんだと話す目の前の元宅浪男も、さっきまでストリートダンスサークルやフランス語のテストの話をこちらが投げかけているときは、一問一答の問題集を解くように淡々と、面倒臭さもにじませて言葉を発していたのに、ほらこの話になった途端、ドラマの主人公にでもなったかのような顔で語りだす。浪人を経験してきた自分がいかに不幸で苦労してきたか知ってもらいたいのか、視力の悪さを競い合う小学生みたいに、自分を卑下しては頬を膨らませ得意げにしている。

<現役で難関大学に合格して、❝いろいろあって❞苦痛な浪人生活を経験していない年下の人間は、人生経験の浅いやつ>
きっと、ここまで整えてはいないのだろうけれど、そんな意識が、膨らんだ頬の中には詰まっている。
浪人生だったから、大変な思いをした。塾のシステムが肌に合わない、というか既存の塾のシステムそのものがおかしいと気付いたから、宅浪になった。そのせいで、社会と関わりをもてなかった。そのせいで、卑屈で内気な性格になっていた。そのせいで、人付き合いが苦手。そのせいで、私とちゃんと目を見て会話することもできない。そのせいで、仲良くするのも時間がかかる・・・。聞き飽きた彼なりの正当なエクスキューズが、何度も頭を駆け巡る。最初はそんなものかと同情していたが、段々と、こいつが❝そうではない❞人間と自分のような「せいで」「せいで」に絡めとられた浪人生活を送ってきた人間を区別して、前者を❝しあわせなやつ❞とみていることに気づいた。もちろん、皮肉に満ちた、気分の悪い❝しあわせなやつ❞だ。

非常に、腹立たしい。
浪人生活のせいで、人付き合いが苦手なこいつは、私の人間性に今まで全くもってふれてこなかった。彼の正当な論理に従えば、浪人生だったから、人に興味をもてないのだろう。私は頼まれもせずに自分の不幸を差し出すことは絶対にしないが、今、自分の経験した範囲内での「いろいろあった」人間としか手を繋ぎたがらないこいつに、盛大に私の❝いろいろ❞をぶちまけてやりたくなる。

悔しさが、私の❝いろいろ❞が、必然的に現役合格へと向かう一本道になったこと。

お前に想像できないような日常が、思考が、すぐ隣でぐつぐつと煮立っていることをわからせてやりたいと、強く思われた。

でも、もう疲れた。本から顔をあげて、本の中に詰まっているくらいぱんぱんに膨らんだ生身の人間の物語を、知りたいと思わないのだ、この人は。知らなくてもいい、諳んじてもらわなくてもいい、ただ、物語を抱えて生きている生身の私と会話をしてほしいだけ。私もまだあなたの重い部分にふれなくともただ、それを抱えて生きてるあなたと関わりたいだけ。
でもそれもできないらしい。❝浪人生だったから❞。?

それなら、きっとこいつは、彼は、私が抱えてきたものたちよりもずっと、ずっと、不幸な代物を抱えているのかもしれない。
明日を見て、新しく出会った人のことを知ろうとして、❝いろいろあった❞こそぶっきらぼうに、投げ捨てるように発せられるようになれないのだ、この人は。きっと、いつまでも。

だったら私が隣に座って言葉を待っている必要はない。
ずっと浪人生だけ探して生きていればいい。❝いろいろあった❞といつまでも大事に大事に言葉を紡いでいればいい。好きに踊って忙しくしていればいい。もう付き合いきれないけど、たぶん応援してるから。

別れ際、いつもは、次会える機会で分かり合えることを期待して、じゃあねという向こうの言葉に、またねと被せてきた。でも、今日は、じゃあね、と言いたかった。じゃあね。

本当は、嫌いになりたくなかった。


辛い思いに耐えている大好きな子が、友達とおいしいものたくさん食べて、ペプシコーラで乾杯している。私も嬉しい。不満だらだら書いたあとに言うと胡散臭くなるかな。

そういえばストリートダンスサークルの、彼の出るジャンルの、衣装、どんなのか聞けば、「口外禁止」と言われました。一大学の、一サークルの、一回の、身内で固められた発表会の、一ジャンルの、一人の、衣装の話。
笑点の新メンバー隠すみたいに衣装隠すのね。
ちゃんとしたサークルは厳しいねえ。

今週はもうおわり!!!!!ねたい!!!

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